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チート能力「可能性は無限大」が人生を変える~超絶美少女な妹は第三皇子の僕が守ります~  作者: 愛輝磨生
第3章 成長期編

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第30話 検問所

たくさんある作品の中から

見つけてくれて、ありがとうございます♪

 僕たち五人は、馬車に乗り込み帝都の検問所を目指す。

 そこで僕は、何か忘れているような違和感を覚える。


「あっ!」


 僕の声に皆が驚いて、こちらを見ている。


「お兄様、どうしたのですか?」

「僕の冒険者カードを、作り忘れているのに気付いてね」

「お兄様が忘れ物なんて珍しいです」

「急いで作ってくるから、申し訳ないけど皆、少し待っていてもらえるかな?」


 皆が頷いてくれる。

 ギルド長と同じで、僕もエルネスタ嬢の魅力にやられてしまったようだ。

 これから旅に出て外国を渡り歩くのに、冒険者カードは必須である。

 気を引き締め直さないとな……。


「それからクラウディア嬢、不審者がいるかもしれないので、警戒して欲しい」

「はっ、承知いたしました」


 僕は、クラウディア嬢に皆の護衛を頼み、急いでギルド長の部屋へ戻った。

 そして、ドアをノックすると中からかすれた声がする。


「ギルド長、入りますよ」


 僕は遠慮せずに、ドアを開けて部屋に入る。

 すると、ギルド長は椅子から立ち上がり、ようやく再起動を開始したようだ。


「おう、どうした皇子」

「僕の冒険者カードを作り忘れていたので、戻ってきました」

「マジか、それは申し訳ないことをした。いやあ、最後のあの美少女に、完全にやられちまってなあ」

「わかります、僕もそのせいで、うっかり冒険者カードを作り忘れたので」


 僕とギルド長は、お互いの顔を見ながら苦笑する。

 その後、すみやかに僕の冒険者カードを作成してもらった。


「ギルド長、ありがとうございます」

「いや、俺の方こそ迷惑をかけちまって、すまなかった。他に何か、必要なものがあるか?」

「そうですね、冒険者ギルドのガイドブックみたいのがあれば、欲しいのですが」

「何種類かあるが、どれにする?」


 ギルド長の話だと、冒険者の心得から始まり、依頼の受け方報告方法、各国各都市ごとの冒険者ギルド情報など多岐にわたる。


「全部ください」

「おう、そりゃあ構わないが、全部有料だぞ」

「大丈夫です」

「えーと、全部で銀貨4枚だな」

「はい、じゃあこれで」

「確かに、丁度だな。まいどあり! しかし、皇子よ」

「ギルド長、僕も今日から冒険者です。僕のことは皇子じゃなくて、クリスって呼んでください」

「おう、わかったぜ。クリスよ、俺のこともライナーって呼んでいいぜ」

「はい、ライナーさん。今日は、いろいろありがとうございました」

「いやいや礼を言うのは俺の方だって。クリス今日はありがとな、良い目の保養になったぜ」


 僕は、ライナーさんとガッチリ握手を交わして部屋を出ると、皆の待つ馬車へと急いだ。


「お待たせ!」

「お兄様、おかえりなさい」


 馬車へ戻り中へ入ると、リゼが抱きついてきた。


「クラウディア嬢、何か変わったことは?」

「特にございません、殿下」


 クラウディア嬢が、凛とした顔つきで答えた。

 さすが剣聖様の娘、本当に頼りになる人だ。


「殿下、検問所に向かってもよいのかしら?」

「うん、よろしくねエルネスタ嬢」


 エルネスタ嬢の指示で御者が、検問所へ馬車を走らせる。

 移動の途中、リゼが僕の左腕に抱きついて離れなかったが、馬車が揺れるたび良い具合にAカップが腕に当たるので、凄くドキドキした。


 しばらくして馬車が停車する。

 どうやら検問所に到着したようだ。

 僕たちの乗っている馬車は、順番待ちをしている馬車の後ろへ移動した。 


「いつもより進みが遅いのだわ」

「そうなの?」

「はい、今並んでいるのは、貴族用の検問所なので、普段ならとっくに通過しているのだわ」


 一つ一つ全ての馬車を調べているのだろうか?

 何のために?

 もしかして皇后様の差し金か!?


「エルネスタ嬢、検問所で僕と妹を探している可能性がある」

「なぜ皇子と皇女を?」

「この旅は、皇帝陛下の指示で国家プロジェクトとされている。その反対勢力が、それを阻止すべく動いているのかもしれない」

「そんな……」


 エルネスタ嬢が驚いている。


「エルネスタ嬢、僕と妹が見つかることなく、検問所を通過したいのだけど……」

「この状況で!?」


 エルネスタ嬢は、しばらく目を閉じて、何かを考えているようだ。


「承知しました。やれるだけ、やってみます。私に任せて欲しいのだわ」


 そして、ついに僕たちの番がやってきた。

 検問所の兵士が馬車の窓をコツコツと叩いている。


「どうしたのかしら?」


 エルネスタ嬢が小窓を開けて返事をした。


「只今全ての馬車に対して、荷物と人の確認をさせていただいております!」

「そんなのお父様は、何も言ってなかったわね」

「馬車のドアを開けてください。乗っている人の確認をいたします!」


 まずいな……いざとなったら魔法を使って、強引に突破するしかないか。

 でも師匠の馬車でそんなことをしたら、リートベルク侯爵家に迷惑がかかるよな。

 ここは、エルネスタ嬢に賭けるしかないか……。


「ちょっとあなた、このドアの紋章が見えないのかしら?」

「これは……リートベルク侯爵家の紋章……魔術師団長のお嬢様でしたか!」

「私はお父様に、緊急の用を頼まれているの。一刻を争うのよ!」

「しかし、全ての馬車を調べるように命じられておりまして」

「聞こえなかったの?」

「は?」

「一刻を争うのよ! あなたのせいで、助かる命が助からなかったら、どうしてくれるの!?」


 エルネスタ嬢は嘘をついていない。

 ここでゆっくりしていると、僕とリゼの命が助からないかもしれないのだ。


「そ、それは……」

「早くここを通しなさい! これ以上の妨害をするなら、お父様にあなたのことを報告します!」

「う、それは……」

「あなたの所属と名前を言いなさい!」

「いや、あの……」

「さあ、早く!」

「も、申し訳ありませんでした! このまま、お通りください」


 おお、迫真の演技。

 さすが師匠の娘、知性だけでなく度胸もある。

 エルネスタ嬢には、大女優の素質があるのでは?

 たしか芸術適性の素質がSだったような……。


「話が通じてよかったわ、ありがとう」


 エルネスタ嬢が、とびっきりの美少女スマイルを兵士に向けている。

 あっ、窓からチラリと兵士の顔が見えたが、にやけた締まりのない顔をしていた。

 最後のフォローも完璧だ。


「ふう、何とかなったのだわ」


 エルネスタ嬢の一言の後、馬車の中では皆の拍手が鳴り響いた。


「な、なにかしら?」

「エルネスタ嬢、ありがとう。あなたのお陰で、僕と妹は助かりました」

「いえいえ、上手くいってよかったのだわ」


 そう言ったエルネスタ嬢の手が、震えていることに僕は気がついた。

 するとクラウディア嬢が、エルネスタ嬢の手を取り両手で包み込む。


「エルネスタは、昔から家族以外の男が苦手だったのに、よく頑張ったと思う」

「クラウディア……」


 さすが親友同士、仲が良い。

 しかしエルネスタ嬢は、家族以外の男が苦手だったのか。

 あれ? 僕も一応、男なのだけど……。


「エルネスタ嬢、僕も男だけど苦手じゃないの?」

「ええと、殿下は弟みたいな感じがして平気です」


 エルネスタ嬢が僕に微笑んだ。

 弟か、三つも年下だと、子供扱いされてしまうのだな。

 僕はリゼの兄として、5年間頑張ってきた自信があったのだけど……。

 弟と言われて、なんだか複雑な気持ちである。


 兎にも角にも、こうして僕たちの馬車は、無事帝都の検問所を通過したのだった。

 

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