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チート能力「可能性は無限大」が人生を変える~超絶美少女な妹は第三皇子の僕が守ります~  作者: 愛輝磨生
第3章 成長期編

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第27話 クラウディアの夢

たくさんある作品の中から

見つけてくれて、ありがとうございます♪

 剣聖様やフォルカー隊長と毎日剣術訓練をしているクラウディア嬢に、普通に剣を交えて戦ったところで無意味だろう。

 それに剣術の実力差がありすぎて、剣が交わった瞬間に、僕の剣は弾き飛ばされるに違いない。

 となると剣を交えること無く、彼女の首に木剣を添えるしかないかな。


 クラウディア嬢が全力でくる以上、僕も持てる力の全てを出すべきだ。

 でも、ここは剣聖様の屋敷である。

 ここが剣術訓練場や魔術訓練場なら、なりふり構わず魔法を使い、勝ちに行くけれど。


 火魔法はダメだな、屋敷や庭が大変なことになる。

 水魔法や土魔法も影響がありそうだ、飛び道具全般がダメといったところか。

 となると風魔法しかないが、風も飛ばして攻撃すれば同じことになる……。


 いや、待てよ、風で自分の体を運ぶというのは、どうだろうか。

 おそらく彼女の武器はスピード、それも剣聖様を上回るぐらいと予想しておいた方が良い。

 となれば僕は風魔法を自分に使い彼女のスピードを超える必要がある。

 スピードにはスピードで対応するのだ。 


「さあ殿下、覚悟は決まりましたか? うふふふっ」

「ああ、いつでも行けるよ」

「それでは、試合を始める前に確認する!」


 剣聖様が大きな声で告げた。


「この試合は、真剣の使用を禁止とし、木剣のみ使用可能とする。また、それ以外はなんでもありの決闘形式とするが、相手を重症にする急所への攻撃は禁止です。そして、殿下が勝利したときは、クラウディアを旅に同行させることができ、クラウディアが勝利したときは、旅に同行せず帝都に残る。お互い、以上でよろしいか」

「「はい!」」


 僕とクラウディア嬢の返事がシンクロした。

 おそらく勝負は、一瞬で決着する。

 知力25の彼女が心理戦を仕掛けてくるとは思えない。

 開始直後、一直線に僕の首に木剣を添えにくるはず。

 それなら僕も開始直後に、上級風魔法を発動させて勝負をかける。


 僕は深呼吸をしてから、一度試合の流れをシミュレーションした。

 理論上は、いけるはず。後は僕が魔法を上手く使いこなせるかどうか……。

 迷ったらダメだ。集中しよう……。

 よし、いける!


「では……始め!」


 剣聖様の合図で試合が始まった。

 予想通りクラウディア嬢が、僕に一直線に突っ込んでくる。

 すごい迫力だが逃げちゃダメだ。逃げた瞬間、負けが確定する。


 僕も開始の合図と同時に前へ出た。

 しかし真正面からではなく、僕から見て彼女の左側へ、上級風魔法を自分の体へ使い、最大加速で突っ込む。

 そして彼女の横を通過した所で、風の向きを変えて最大減速をかけ、体の向きを彼女へと微調整する。


 このとき、首が折れるくらいの負荷がかかると予想していたので、首周りを別の風魔法で支えた。

 ここまでは上手くいっている。

 おそらく彼女の視界からは、僕が消えていて必死に探しているころだ。

 左か右か上かって感じで……。


 その後、再び上級風魔法を自分の体へ使い、最大加速で彼女の背後を取る。

 このまま行くと、ぶつかってしまうので微減速して彼女と同じスピードにした。

 そして僕は、クラウディア嬢の首筋に優しく木剣を添える。


「はい、チェックメイト」

「なにっ!?」


 クラウディア嬢が、驚いて振り向いた。


「勝負あり! 勝者、クリストハルト殿下!」


 剣聖様の宣言後、庭は静寂に包まれている。

 正確には、わずか数秒で決着がつき、両者の動きが見えなかったのだろう。


「な、なんだと! このアタシが魔術師相手に負けるなんて……」


 クラウディア嬢がきょうがくしている。


「殿下、一瞬で姿が消えたけど、いったいどうやって……」


 疑問に思ったクラウディア嬢が質問してきた。


「い!」

「い?」

「いたたたた!」


 無理な急加速、急減速を繰り返した反動なのか、僕は体中が痛くて、地面を転げまわった。

 まるで空になったペットボトルを握り潰された感じである。

 転生してから一番の痛みだ。

 いや、痛みなんて生易しいものではない、超がつくほどの激痛である。


「お兄様!」


 慌ててリゼが僕に近づいてくる。


「今、エクストラヒールをかけますね」


 そしてリゼは、着ているエメラルドグリーンのワンピースを探っている。


「あっ、お父様に魔法のステッキをあげたのでしたね」


 今頃、父上の家宝として、帝城の宝物庫に展示されているだろう。

 リゼは、いつものキメポーズをとらずに、右手を前に出している。


「エクストラヒール!」


 僕の体にキラキラと優しい光が降り注ぎ、超激痛からようやく解放された。


「ありがとう、リゼ」


 僕が御礼を言いながら立ち上がると、リゼが僕の胸に飛び込んできた。


「お兄様! 大丈夫ですか?」

「うん、リゼのお陰でもう平気だよ」

「えへへ」


 嬉しそうにリゼが僕にぎゅっと抱きついてきた。

 すると、リゼのAカップがムニムニと僕の胸に当たる。

 ああ、エクストラヒールよりも癒されている気がするのは、気のせいだろうか。


 その後、庭にある東屋へ戻り、再び先ほどと同じ並びで円卓に着席する。

 そこで僕は、皆に風魔法を使ったことを伝え、試合内容の解説をした。


「……と、いうわけです」

「そんな風魔法の使い方があったなんて……」


 クラウディア嬢が驚いている。

 彼女も風魔法の素質がSなのだから、僕と同じ戦い方ができるはずだ。

 そうすれば剣聖様にだって、いつか勝てるかもしれない。


「師匠、クラウディア嬢に僕の秘密を打ち明けても、良いでしょうか?」


 師匠が剣聖様の方へ視線を送ると、剣聖様が首を縦に振る。


「クラウディア嬢、これより殿下が大事なお話をする。国家機密であるゆえ、絶対に口外しないように」

「承知いたしました」


 師匠の言葉に、クラウディア嬢が素直に従う。

 戦闘狂モードが終了し、いつものクールビューティーな彼女に戻っていた。


「では、殿下どうぞ」

「クラウディア嬢、僕には女神パラスから貰った、特別な力がある」

「特別な力?」

「うん、見てもらった方が早いから、僕の手に触れてみて欲しい」


 クラウディア嬢の右手が、僕の左手に重なった。

 そして、他の皆にも僕の手に触れてもらう。

 僕は、その場の全員に見える位置に、彼女のステータスを表示した。


【クラウディア・フォン・オルレアン】

 ファルケ帝国 オルレアン伯爵家長女 15歳 女


 知力 25/60

 武力 97/99

 魅力 95/95


 剣術 S/S

 槍術 B/A

 弓術 G/B

 馬術 B/A


 風魔法 G/S

 

 話術 D/D

 算術 F/E

 芸術 E/D

 料理 F/D


「これは?」

「クラウディア嬢のステータスだよ」

「アタシの? 教会で見たのとは、違うようですが……」

「うん、今まで気付いていないかもしれないけど、あなたには風魔法の適性がある。しかも素質S」

「アタシに風魔法の素質が……」

「訓練して風魔法の適性がSになれば、さっきの僕みたいな戦い方も可能になる。そうすれば、いつか剣聖様にだって勝てるかもしれないよ」

「アタシが父上に……」


 試合には僕が勝ったけど、彼女には自分の意志で、旅への同行を決めて欲しいな。


「僕がクラウディア嬢に風魔法を教えてあげる。だから、僕と妹の旅に同行して欲しい」


 クラウディア嬢が剣聖様の方へ視線を向けると、剣聖様が黙ってうなずいた。


「殿下、喜んで同行させていただきます」

「ありがとう、クラウディア嬢。妹と仲良くしてあげて欲しい」

「はい! それから末永く、よろしくお願いします」


 ん? 末永くとは?


「父上! ついに父上と兄上以外で、アタシより強い男性が現れました!」

「よかったな、クラウディア」

「はい! これでアタシも結婚できます!」


 ん? 何の話だろうか?


「剣聖様、どうされたのですか?」

「おお、殿下。よくぞ娘に勝ちましたな」

「いやあ、大変でしたけどね」

「殿下、娘はずっと自分より強い男性を、待っていたのです。結婚するならば、自分より強い人と。それが娘の夢だったのです」

「なるほど?」

「先日、第二近衛騎士隊長との模擬戦に娘が勝利してしまい、帝国内に結婚対象となる男が居ないと絶望していたのです。そこに殿下が現れた!」


 剣聖様が、感極まって涙している。


「殿下、いや婿むこ殿、つつかな娘ですが、どうかよろしくお願いします」


 あれ? なんか勝手に話が進んでいる……。


「あの、剣聖様。僕とクラウディア嬢は、今日出会ったばかりです。今回の旅を通して、まずはお互いのことを、よく知ることから始めるべきかと」

「むむ、確かにその通りですな。クラウディアよ、この旅でお前が有用であることを、殿下にお認めいただくのだ!」

「はい、父上。必ずや!」


 こうして、クラウディア嬢の説得に成功した僕たちは、師匠の屋敷へと帰ったのだった。


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