第111話 からかい上手のリゼ
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僕は父上たちと再会して、皇太子になる約束や皇后さまの動向など、色々と大切な話をした。
そして父上たちと別れて翌日の朝を迎え、僕たちは朝食後に平家のリビングで会議中である。
クラウの帰還により昨夜はエルの抱き枕から解放され、いつものようにリゼとカルラに挟まれて、幸せな気分で熟睡できた。お陰で今日の僕は凄く体調が良い。
「では、皆のステータスを確認して、各自今後の目標を決めたいと思う」
皆が頷いたので、まずはリゼから確認していこうかな。
今日のリゼは、シルクのように滑らかで美しい銀髪をツインテールにして、ラベンダー色の半袖ワンピースを着ている。スカート丈は膝上5センチメートルくらいで、リゼの白く美しい生足が輝いていた。
「じゃあ、リゼから見ていこうか」
「はい、お兄様」
僕は自分の左手をリゼの右手の上に重ねて、リゼのステータスを表示した。エル、クラウ、カルラの三人が僕の右手に触れて、皆でリゼの成長を確認する。
【リゼット・ブレイズ・ファルケ】
ファルケ帝国 第1皇女(大聖女) 11歳 女
知力 91/95
武力 29/29
魅力 100/100
剣術 G/F
槍術 G/F
弓術 G/F
馬術 G/F
光魔法 SS/SS
話術 S/S
算術 A/S
芸術 S/S
料理 C/C (DからCへ上昇)
「お兄様! 料理がCに上がっています!」
リゼが嬉しそうに笑みを零した。
「昨日も父上たちが、リゼのパスタを褒めていたものね」
「リゼたんは、一人で調理できるようになったっすからね。この短期間で凄い成長速度っすよ」
「えへへー、ありがとうカルラ。お兄様に食べて欲しくて頑張ったの」
うう、リゼが嬉しいことを言ってくれる。僕は思わずリゼをぎゅっと抱きしめた。
「お兄様……。次は、昨日お父様たちに大好評だった辛いパスタを作りますね」
ん? それは僕にとって超激辛パスタなのでは!?
助けを求めようとエル、クラウ、カルラの方に顔を向けたら、三人が一斉に僕から顔を背けた。
ぐぬぬぬ……
「えーと、普通の味付けでお願いしたいかな」
僕が苦笑しながら提案すると、リゼがクスクスと笑っている。
「大丈夫ですよ、お兄様」
リゼが優しく微笑んだ。どうやら僕は、からかわれていたらしい。とりあえず超激辛を回避できて一安心である。
「そのうち激辛にも慣れますから」
「ええー!」
「ふふふ、冗談です」
リゼが美少女スマイルで僕を見つめている。
うーむ、完全に手玉に取られているな。妹の成長を喜ぶべきか、そろそろ小悪魔化にストップをかけるか悩むところだ。
「あはは、ではリゼの目標を決めようか」
「目標ですか……リーゼロッテ様の光魔法の魔術書に記載されている光魔法SSを、全て使えるようにしたいです」
「そうだね、僕も賛成かな。頑張ってね、リゼ」
「はい!」
「では、次エル行くよー」
「よろしくなのだわ」
エルがワクワクと期待を込めて僕を見つめている。今日のエルは、いつものようにキラキラと輝く美しい金髪ロングウェーブに、鮮やかなマリンブルーの半袖ワンピースを着ている。スカート丈は膝下5センチメートルくらいで落ち着いた雰囲気だ。
【エルネスタ・フォン・リートベルク】
ファルケ帝国 リートベルク侯爵家長女(賢者) 15歳 女
知力 99/99 (98から99へ上昇)
武力 46/53
魅力 95/95
剣術 F/F
槍術 G/F
弓術 G/F
馬術 D/D
火魔法 C/C
水魔法 B/S
話術 S/S
算術 S/S
芸術 S/S
料理 E/D
「クリス君! 知力が99に上がっているのだわ!」
感激したエルが僕を抱き寄せると、Hカップに顔がスッポリと挟まった。
ふおおお! いつか体験してみたいと思っていたけど、こんなに柔らかいものだったとは!
僕がエルのHカップを堪能していると、だんだんと息が苦しくなってくる。名残惜しくはあるが、そろそろ脱出しないと命が危ない。
僕はエルから離れるため顔を上げようとしたのだけど、思いのほかエルの抱きしめる力が強くて抜け出せない。ヤバイ、ヤバイ! このままだと本当に死んでしまう! 僕は慌ててエルの背中をペシペシ叩いた。
するとエルの抱きしめる力が少し弱くなったので、僕は急いで顔を上げてHカップから退却した。
「ぷはっ……死ぬかと思った」
「あああ、ゴメンねクリス君。嬉しくてつい……」
エルが申し訳なさそうに苦笑して僕を見ている。
まあ僕にとっては、ご褒美だったので問題ない。生命の危機では、あったけれど。
「大丈夫だから気にしないで。エル、本当におめでとう!」
「ありがとうなのだわ!」
「てかエル、大変っすよ。長女の後ろに賢者って書いてあるっす!」
カルラが慌ててエルのステータスを指さしている。
「私が賢者……」
「ということは、賢者の定義は知力が99以上の人かもね」
「そうですね、お兄様の言う通りかもしれません」
あれ? だとすると僕も知力が99以上になれば、賢者の仲間入りなのでは!?
これは、今後の楽しみが増えたかもしれない。
「賢者の軍師っていいね。凄く優秀な感じがする」
「たしかに旦那様の言う通りだ。エル、賢者おめでとう」
「ありがとう、クラウディア」
エルがクラウに抱きついて頭を撫でてもらい、満面の笑みを浮かべている。
「さて、エルの目標はどうする?」
「うーん、やはり水魔法をSにすることなのだわ」
「そうだね。僕とクラウの攻撃陣に水魔法Sのエルが加われば、魔物討伐の危険度もかなり低くなるかも」
「頑張るのだわ」
クラウに抱きついたままエルが、やる気に満ちた顔で僕を見ている。
「じゃあ次は、クラウ行くよー」
「ああ、よろしく頼む旦那様」
クラウが熱い眼差しで僕を見つめている。今日のクラウは燃えるように鮮やかな赤髪を、いつものようにポニーテールにまとめている。そしてエメラルドグリーンの半袖シャツに白のホットパンツ姿だ。少し日焼けした健康的な生足が、とても眩しい。
【クラウディア・フォン・オルレアン】
ファルケ帝国 オルレアン伯爵家長女 15歳 女
知力 41/60 (38から41へ上昇)
武力 98/99
魅力 95/95
剣術 S/S
槍術 B/A
弓術 G/B
馬術 B/A
風魔法 B/S (CからBへ上昇)
話術 D/D
算術 E/E
芸術 D/D
料理 F/D
「旦那様! 風魔法がBに上がったぞ!」
「おめでとう、クラウ。ずっと室内の空気を循環させていた成果だね。それに知力が3も上がっているよ」
「ああ、エルの課題を頑張ったからな。アタシやればできる子。旦那様、頑張った子にご褒美は?」
「はいはい」
僕はクラウの頭を優しく撫でてあげた。すると彼女は、満足そうに微笑み目を閉じる。
「さて、クラウの目標はどうする?」
「そんなの決まっている。旦那様と結婚することだ」
クラウが自信満々に言い切ったが、それは人生の目標で、僕が聞いているのはステータスをどう伸ばすかである。
「はい次、カルラ……」
「ちょっ、待って待ってアタシのボケをスルーしないで!」
クラウが縋るような目で僕を見つめている。
ふむ、あれはボケていたのか。凄く真剣な目をしていたけれど。
「そっか、ゴメンゴメン。で、クラウの目標は?」
「武力99と風魔法Sだな」
「うんうん、頑張ってねクラウ」
「ああ、任せておけ」
クラウが頼もしく微笑んだ。
「では次、カルラ行くよー」
「よろしくっす!」
カルラが気合の入った目で僕を見つめている。今日のカルラは、いつものように茶髪をサイドテールに可愛くまとめて、桜色の半袖ミニワンピを着ている。ミニスカートからチラリと見える色気のある太ももと、服を着ていても隠し切れない迫力のGカップが凄い破壊力である。
【カルラ・ミュラー】
ファルケ帝国 平民 15歳 女
知力 70/80 (69から70へ上昇)
武力 52/54
魅力 90/90
剣術 G/F
槍術 G/F
弓術 G/F
馬術 D/C
火魔法 D/D
水魔法 D/D
話術 B/A
算術 C/B (DからCへ上昇)
芸術 B/A
料理 A/S
「さすがにまだ料理Sは無理っすよね。でも、ついに知力が70になったっす。それと算術もCに上がってるっす」
「おめでとう、カルラ。エルの課題、頑張っていたものね」
「はいっす。自分の目標は、勿論料理をSにすることっすよ」
「そうだね。皆のために引き続き美味しい料理をよろしくね」
「了解っす!」
「では、最後に僕」
【クリストハルト・ブレイズ・ファルケ】
ファルケ帝国 第3皇子(賢者) 12歳 男
知力 99/100 (98から99へ上昇)
武力 75/80
魅力 99/99
剣術 B/S
槍術 G/S
弓術 G/S
馬術 G/S
火魔法 S/S
水魔法 S/S
風魔法 S/S
土魔法 S/S
光魔法 S/S (AからSへ上昇)
闇魔法 G/S
話術 S/S
算術 S/S
芸術 S/S
料理 C/S
「クリス君も知力99で賢者になっているのだわ!」
「おお、これは嬉しいね。賢者同士これからもよろしくね、エル」
僕はエルと固く握手を交わした。
「お兄様! 光魔法がSに上がっています! あっ……でも、お兄様ならいつでも光魔法をSにできたはず。私に遠慮して気を遣っていたのですね。もう、お兄様ったら……」
リゼが僕に抱きついてきた。
「クリスっちの目標は、どうするんすか?」
「うーん、せっかく手に入れた闇魔法の魔術書が未読のままだから、まずは闇魔法をSにすることかな。複合魔法にどんな変化が現れるか興味あるし」
「旦那様、剣術の稽古も続けるのだろ? 二人きりになれる時間が減るのは嫌だ」
「あー、そうだね。引き続き剣術Sも頑張ろうかな。よろしくね、クラウ」
「勿論だ!」
不安そうにしていたクラウが、嬉しそうに笑みを零している。
さて、各自の目標も決まったし、皇后様に見つからないよう帝国から離脱しないと。
でも、その前にやることが一つ残っている。
「エル、リゼの実家だったカールハインツ公爵邸は、どうなっているのかな?」
突然実家の話が出て、リゼが驚いている。
「クリス君、五年前の事件でリゼ以外の全員が亡くなった後、調査終了後にカールハインツ公爵邸は取り壊されたのだわ。現在は庭園の中に墓地があるだけだったはず」
エルが沈痛な面持ちで現状を教えてくれた。
「そうか……リゼ、ご両親たちに大聖女になった報告をして行く? あの場所に戻るのは辛いだろうけれど、この後いつ帝国に戻れるか、わからないからね。リゼの気持ちを尊重したい」
リゼは、しばらくの間うつむいて考えていたが、顔を上げると僕の目を決心がついたように見つめた。
「お兄様、カールハインツ公爵邸のあった場所へ行って、大聖女になったことを報告していきたいです」
僕がエル、クラウ、カルラの三人へ顔を向けると、皆が頷いてくれた。
「わかった」
こうして僕たちは帝国を出る前に、カールハインツ公爵邸跡地へ向かうのだった。




