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チート能力「可能性は無限大」が人生を変える~超絶美少女な妹は第三皇子の僕が守ります~  作者: 愛輝磨生
第3章 成長期編

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第105話 遺志を継ぐ者

たくさんある作品の中から

見つけてくれて、ありがとうございます♪

 僕たちはシュトラウス夫妻に、大聖女リーゼロッテが残した、光魔法の魔術書を写すことについて許可を得た。

 しばらくすると、魔術書を取りに行ったテオフィルさんが、リビングに戻ってくる。


「こちらが大聖女リーゼロッテ様が残した、光魔法の魔術書になります」


 テーブルの上に置かれた1冊の魔術書は、全体が薄茶色に変色しており、数百年の歴史を感じる。

 

「クリス殿、屋敷からの持ち出しはできないが……」

「大丈夫です、1冊なら30分もあれば写せますので」

「はあ!? 一体どうやって? 普通なら数日はかかると思うが」


 テオフィルさんが信じられないといった様子で、大きな声を出した。


「魔法を使います。勿論、原本には何の影響もありませんので、心配いりません」

「魔法で?」

「はい、説明するより見てもらった方が早いので、そのまま座ってご覧になっていてください」


 僕は、収納ボックスから紙と黒インクと紐を取り出して、リゼに魔術書のページを開いて押さえてもらった。

 そして、コピー魔法で魔術書の内容をそっくりそのまま写していく。

 黒インクが宙を舞い、紙に付着すると瞬時に乾いて定着する。

 これをひたすら繰り返して、最後に紐が動き出し紙を縫い付けると、1冊の複製本が完成した。


「おお! 本当に30分で写し終わるとは」


 テオフィルさんが驚嘆している。


「妹が未習得の光魔法Sを確認したいので、ここで読んでも良いでしょうか?」

「ああ、構わないよ」


 テオフィルさんが微笑みながら了承してくれた。

 僕はリゼと椅子を並べて隣に座ると、一緒に複製本の光魔法Sのページを確認していく。

 光魔法Sについては、詳細に説明が書かれており、1ページの表裏に1種類の光魔法Sに関する説明や効果そして呪文が書かれていた。

 エル、クラウ、カルラの3人は、ソファーに座ってジッと状況を見守ってくれている。

 そして、僕とリゼの求めるものが、光魔法S最後のページに載っていた。


「お兄様! これです!」


 リゼが歓喜に満ちた表情で叫んだ。


「うん、間違いないね。テオフィルさん、この光魔法Sの攻撃魔法を、一度だけ妹に使わせていただきたいのですが」

「分かりました。では、村の裏手にある岩山へ行きましょう」


 僕たちは、屋敷を出て村の門を通り、村の周りを半周ほど移動した。

 すると、ゴツゴツした岩だらけの山がある。


「それでは、妹さん……リゼさんと言いましたか、被害が出ないように出来るだけ威力を抑えて、ここの岩を砕いてみてください」

「はい」


 テオフィルさんの指示に、リゼが凛とした声で答えた。


「リゼ、もう一度魔術書を確認して」

「はい、お兄様」


 僕が光魔法の魔術書を渡すと、リゼは落ち着いて確認し、静かに頷いた。

 どうやら問題ないようだ。

 僕は、リゼから魔術書を受け取ると、大聖女の杖を渡してから邪魔にならない位置へ移動する。

 そして僕、エル、クラウ、カルラ、シュトラウス夫妻の6人が見守る中、リゼが攻撃魔法の準備に入ったようだ。


 リゼの周囲に静寂が響く。



 遠くに流れる川の音と、鳥のさえずりだけが聞こえてくる。



 準備が整ったのか、リゼが大きく深呼吸して前を見据えた。



「いきます! ……天より降り注げあまの光、ごうおんと共にぜよ、ライトニング!」


 リゼが右足をくの字に曲げながら上げて、右手に持った杖を前方斜め45度に突き出すと、今まで快晴だったはずの空にどんよりとした雲が出現する。そしてゴロゴロと音がすると、上空がキラリと光り瞬時に稲妻が落ちてきた。

 その結果、山の中央にある大きな岩が爆音と共に砕け散り、跡形も無く消えたのだ。


 凄い威力だ……こんなものを戦争で人に使ったら、多数の死者が出てしまうだろう。

 大聖女リーゼロッテが秘匿したのも納得できる。

 ただ、魔物討伐には不向きかもしれない。詠唱開始から魔法の発動まで時間が長すぎて、魔物に襲われてしまう。


 攻撃魔法の凄まじい威力に、皆が固まって動かない。

 リゼもキメポーズのままフリーズしている。

 僕はリゼのもとに歩み寄り、後ろからそっと抱きしめた。


「リゼ、お疲れ様」


 僕の一言でやっと我に返ったリゼが、振り返ると僕の胸に飛び込んで来た。


「お兄様! 私やりました。これできっと……あ、ステータスを見せてください!」


 僕がリゼの手を取りステータスを表示すると、後ろからエル、クラウ、カルラが飛んできて僕の手に触れた。


【リゼット・ブレイズ・ファルケ】

 ファルケ帝国 第1皇女(大聖女) 11歳 女


 知力 91/95

 武力 29/29

 魅力 100/100


 剣術 G/F

 槍術 G/F

 弓術 G/F

 馬術 G/F


 光魔法 SS/SS (SからSSへ上昇)

 

 話術 S/S

 算術 A/S

 芸術 S/S

 料理 D/C


「上がってる! お兄様、SSに上がりました!」


 リゼが感極まって、瞳からは大粒の涙が零れ落ちている。


「おめでとう、リゼ。くじけずに最後まで良く頑張ったね」

「リゼ、おめでとうなのだわ。後で沢山甘えて良いからね」

「リゼ、おめでとう。後でアタシも甘えさせてあげる」

「リゼたん、おめでとうっす。第1皇女の次に『大聖女』って書いてあるっすよ!」


 僕、エル、クラウ、カルラの順にお祝いの言葉をリゼに送った。


「クリス殿! 妹のリゼさんは、大聖女になったのですか?」


 テオフィルさんが慌てて僕のところに走って来た。

 うーん、困ったな。ステータスを直接見せると僕のチート能力がバレてしまう……そうだ!


「リゼ、シュトラウス夫妻に光魔法SSのエクストラブレスを見せてあげて欲しい」

「はい、お兄様」


 リゼが光魔法の魔術書を見て、呪文を確認している。

 光魔法SSのエクストラブレスを発動できれば、リゼが大聖女である証になるのだ。

 しかし、その前にやることが残っている。


「テオフィルさん、約束通り攻撃魔法のページを破棄いたします」


 僕は、複製した光魔法の魔術書から攻撃魔法のページを破ると、火魔法で灰にした。


「おお、確かに見届けましたぞ」


 テオフィルさんが静かに頷いた。


「リゼ、丁度そこにみかんの木があるから、それで試してみよう」

「はい、お兄様。では、いきます! ……咲き誇れ、我が魂に答え瞬時に恵みを与えたまえ、エクストラブレス!」


 リゼの呪文と共にみかんの木に花が咲くと、瞬時に沢山の実がなった。


「おお! これは、まさにエクストラブレス。リーゼロッテ様、ついに貴方の遺志を継ぐ大聖女が誕生いたしました」


 シュトラウス夫妻が、二人して手を合わせ号泣している。


「お兄様!」


 そしてリゼが僕の胸に飛び込んできて、かんるいにむせんだ。

 僕はリゼをギュっと抱きしめる。


「お兄様に出会えて本当に良かった。自分以外の家族全員が亡くなって、帝城で皇后様に拒絶されたときに、お兄様が手を挙げてくれなかったら、私は光魔法と一生無縁だったかもしれません。お兄様、私の光魔法の素質を見つけてくれて、本当にありがとう」


 リゼの瞳から涙が溢れている。


「僕こそリゼと出会えて良かったよ。リゼと一緒だと毎日が楽しくて幸せなんだ。これからもよろしくね」

「はい、お兄様」


 リゼが僕を強く抱きしめる。


 こうして475年ぶりに、大聖女リーゼロッテ以来二人目となる、大聖女リゼットが誕生したのだった。


これにて第3章成長期編が終了となります。

第4章の話は、頭の中にはあるのですが、一度第1話から文章の確認をしたいと思いまして。

更新の再開については、2024年2月1日を予定しております。


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