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チート能力「可能性は無限大」が人生を変える~超絶美少女な妹は第三皇子の僕が守ります~  作者: 愛輝磨生
第3章 成長期編

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第104話 大聖女リーゼロッテの遺志

たくさんある作品の中から

見つけてくれて、ありがとうございます♪

 僕たちはファルコン村で、シュトラウス家を名乗る夫婦を見つけた。

 どうやら代官には秘密にしておきたいことがあるようで、場所を変えてシュトラウス夫妻の屋敷へ案内される。

 現在、屋敷のリビングでソファーや椅子に分かれて、夫妻とインフィニティのメンバー併せて7名皆が座ったところだ。


「すみません、座る椅子がバラバラで」

「いえいえ、こちらこそ突然大勢でお邪魔してしまい、ご迷惑をおかけします」


 光魔法学校の校長を務めるテオフィル・シュトラウスさんに、僕は突然の訪問を詫びた。


「改めて自己紹介を、私はテオフィル・シュトラウスと申します。こちらは妻のトルデリーゼです」


 テオフィルさんに紹介された妻のトルデリーゼさんがペコリと頭を下げた。


「丁寧なご挨拶、ありがとうございます。僕はSランク冒険者パーティー『インフィニティ』のリーダーでクリスと申します。こちらは妹のリゼ、そして順にエル、クラウ、カルラです」


 僕たちも皆で頭を下げてお辞儀した。


「では、シュトラウス家の末裔を探している理由を聞かせて頂いても?」


 テオフィル校長が真剣な眼差しで僕を見据えている。


「はい。妹のリゼが現在光魔法の適性がSでして、大聖女に至るために必要な、未習得の光魔法Sを探しているのです。諸国を巡り沢山の本を集めましたが、全ての光魔法Sを発見することができませんでした。そこで大聖女リーゼロッテ・フォン・シュトラウス様が残された、光魔法の魔術書を探す以外にないと思い、ターミガン独立国に居たシュトラウス伯爵家の末裔を探しております」

「確かにあの見事な結界とエリアハイヒールを見れば、妹さんが光魔法の適性Sであることは明白です。しかし、なぜ大聖女に至れると確信を持っているのでしょうか?」


 校長の奥さんであるトルデリーゼさんに質問された。

 うーん、僕の可能性は無限大については秘密だし、参ったな……そうだ! 女神パラスに活躍してもらおう。


「えーと、実は女神パラスによるお導きといいますか……」


 苦しい説明だが、嘘でもない。

 女神パラスが僕に与えたチート能力によって、リゼが大聖女の卵であるとわかったのだから。


「女神様の!? ご神託を受けたのですか?」


 校長の奥さんであるトルデリーゼさんが、驚愕して僕を見ている。


「ええ、まあそんな感じです」

「確かに妹さんのエリアハイヒールを見たとき、大聖女リーゼロッテ様が絵本から飛び出してきたような感覚になりました」


 あー、あれは完コピなんです……


「あなた、私はこの人たちこそ、リーゼロッテ様が待ち望んでいた方たちなのだと思います」

「そうだな。私たちがターミガン独立国に居た、シュトラウス伯爵家の末裔と言い当てているものな。女神パラス様のご神託がなければ、不可能なことだ」


 おお、シュトラウス夫妻の間で、良い方向に話が進んでいる。

 パラス、ありがとう!


「クリス殿、確かに私はターミガン独立国に居た、シュトラウス伯爵家の末裔です。そして、大聖女リーゼロッテ様の遺志を後世に伝えるのが我々の役目だ。少し昔話を聞いて欲しい」


 テオフィル校長がジッと僕を見つめている。


「はい、よろしくお願いします」

「今から475年前、大聖女リーゼロッテ様が旅の途中、魔物に襲われデス砂漠で亡くなった。その5年後に実家であるシュトラウス伯爵家が滅亡する。その頃からこのファルコン村の代官をシュトラウス家が代々務めてきたのだが、今から75年前にターミガン独立国が滅亡し代官の任を解かれた。そのときからタウアー家が我々に代わり代官を務めている。それ以来我々は、光魔法学校の校長として、ファルコン村から優秀な聖女をクレイン独立国の王宮に送り出しているのだ」


 そこまで話して、テオフィル校長が紅茶を口にする。

 どうやらここまでの話を聞く限り、僕たちの予想に近いと言えるだろう。


「そして大聖女リーゼロッテ様は、光魔法の行く末を案じていた。光魔法は人を癒す物であり、傷つけるものではないと。その教えを守るため、我々は代々光魔法から攻撃魔法を秘匿したのです。470年もの間隠し続けた結果、現代の光魔法からは攻撃性が失われました。光魔法は人を癒すものであり、戦争で人を害するものではないのです」

「光魔法に攻撃魔法があったのですか!?」


 僕は、テオフィル校長の説明に驚いて確認した。


「ええ。おそらく妹さんが未習得なのは、その攻撃魔法でしょう」


 たしかにリゼの光魔法に攻撃性は無い。

 最後のピースは、間違いなくその秘匿された攻撃魔法だろう。


「僕たちは、光魔法を人を癒すためだけに使い、決して戦争で人を傷つけるためには使わないと約束します」

「うむ。私もクリス殿は信頼できると思うのだが、私の代で470年秘匿し続けたものを開示することに抵抗が……」


 テオフィル校長が、両手で頭を抱え悩んでいる。

 そうだよな、凄いプレッシャーがあるはずだ。

 何か背中を押してあげたいが……そうだ! デス砂漠で入手した、大聖女の手記があるじゃないか!

 僕は、収納ボックスから大聖女の手記を取り出す。


「おお! クリス殿は収納ボックスを持っているのか……それは?」

「これは、大聖女リーゼロッテ様が死の直前に残した手記です」

「なんだって!」


 僕は、シュトラウス夫妻にデス砂漠でのことを詳細に説明した。


「なんてことだ、リーゼロッテ様の死因が餓死だったなんて」

「さぞ、お辛かったでしょうね」


 シュトラウス夫妻が、3冊ある手記の最後の方を見ながら号泣している。

 あの部分は本当に泣けるのだ。

 僕もリゼもエルも皆で泣いた。


「この手記は、シュトラウス夫妻に差し上げます」

「いいのかい!?」

「ええ。この手記は、シュトラウス家の末裔である、あなたが持っているべきです」

「クリス殿……しかし、手記と光魔法の魔術書を交換という訳にも……」

「いえ、光魔法の魔術書は、写しを取らせて頂ければ結構ですので」

「それでいいのかい?」

「はい。それに攻撃魔法の部分は、妹が習得した後にお二人の目の前で写しから破棄いたします」


 シュトラウス夫妻が見つめ合い、そして互いに納得したように頷いた。


「分かりました。リーゼロッテ様が残した、光魔法の魔術書を写すことを許可します」


 テオフィル校長が微笑んで僕を見つめている。

 こうして僕たちは、ついに大聖女リーゼロッテが残した、光魔法の魔術書にたどり着いたのだった。


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