第102話 苦戦
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僕たちはクレイン独立国首都ラークで、新しい光魔法の魔術書を10冊、ターミガン独立国の歴史書を5冊発見した。
その後、一旦ラークの町を出て近くの草原に平家を作り、購入した15冊の本を分析する。
新しい光魔法の魔術書10冊を僕とリゼが、ターミガン独立国の歴史書5冊をエルが読み進めていく。
そして、あっという間に4日が経過し、現在分析開始5日目の朝食中である。
「クリス、進捗状況はどうだ。アタシに何か手伝えることは、あるだろうか?」
クラウが疲労で元気の無い僕を気遣ってくれる。
「うーん、今のところ新しい光魔法の魔術書8冊とターミガン独立国の歴史書4冊は、空振りだった」
「そうか……アタシも難しい本が読めるようになれば……カルラと一緒に、エルの出した課題を頑張るぞ」
「そうっすね、自分もクラウと一緒にエルの課題頑張るっすよ。でも、元気が出るようにスペシャルサンドイッチで応援っす」
カルラが応援用に作ってくれたサンドイッチは、たっぷりの野菜と焼肉がメガ盛りになっていた。
「カルラ、ありがとー。私、頑張る!」
「カルラに感謝ね。これで今日も頑張れるのだわ!」
リゼとエルには大好評のようだ。
まあ僕も体は12歳なので、朝から焼肉でも問題ないのだけど。
こうして、朝食で元気をもらった僕とリゼとエルの3人は、残り3冊の本に全てをかける。
そして夕方になって、僕とリゼが先に新しい光魔法の魔術書2冊を読み終える。
「ダメだー、新しい光魔法の記述が見つからなかった」
「うう、私もダメでした、お兄様」
リゼがシュンとしてしまい、元気が無いようだ。
無理もない、10冊もあった光魔法の魔術書が全て空振りだったのだから。
これで残りは、あと1冊だけ。
エルの読んでいるターミガン独立国の歴史書は、古い物らしくボロボロで中も破れているページが複数ある。
古書店の店主が、汚くて誰も買ってくれないと安く譲ってくれたものだ。
無理に引っ張ると、その瞬間に破れる始末で、エルも読むのに苦労していた。
まあ、あまり期待はできないかな。
あとやれることは、トリック独立国へ戻り国王陛下にお願いして、王宮書庫をもう一度見せてもらうことくらいか。
レオナや巨大サソリのスタンピードを解決したことからも、許可は取れるだろう。
欲しい情報があるかは、わからないけど。
「クリス君! リゼ! これを見て欲しいのだわ!」
今まで黙々と本を読んでいたエルが、突然大きな声を出した。
「リーゼロッテ・フォン・シュトラウスの名前があるのだわ!」
「それって、お兄様が予想した、大聖女リーゼロッテ様の名前ですよね」
「ええ。この本は、450年前頃に書かれたものらしいの。大聖女リーゼロッテの死によって力を失ったシュトラウス伯爵家は、その5年後に他国の侵略を受け滅亡したらしいのだわ」
「滅亡後、子孫はどうなったのかな!?」
頼むから生き残っててくれよ……
「滅亡時に当主は戦死していて、長男が近くの村に落ち延びたらしいの。その後、後を継いだ長男が奮闘するも失地回復は叶わず、シュトラウス伯爵家は取り潰しに」
「子孫は生き延びたんだね!?」
「ええ、落ち延びた村が国の直轄地だったらしく、以降長男がその村の代官に任命されたとあるのだわ」
「その村の名前は、分かるのかな?」
頼む! 載っていてくれ!
「450年前当時の名前で、ファルコン村と記載されているのだわ」
「ファルコン村……その後、長男はどうなったのかな?」
「それが、記録はここまでしかないの。続きのページは、破れてしまっていて読めないのだわ」
となると頼りは、ファルコン村だけか……確か以前帝都の冒険者ギルドで買った本に、各国の現在地図があったはず。
僕は収納ボックスから、クレイン独立国の現在地図を取り出した。
「お兄様、これは?」
「現在のクレイン独立国の地図だよ。ファルコン村があれば良いのだけど……」
僕は、シュトラウス伯爵家が侵略を受けて滅亡したとあったので、国境付近の都市名を北西の端から順に探していく。
そして、南西の端付近にファルコン村を発見した。
「あった! 今もファルコン村があるみたいだ!」
リゼとエルからも安堵の笑みが零れる。
「今もそこに、シュトラウス家の末裔が居ると良いのだけど……」
「お兄様、とにかく行ってみましょう!」
「待ってリゼ、もう夕方で外は暗くなってきているのだわ。明日起きてからにしましょう」
僕たちは夕食後風呂に入り、早めに就寝して明日に備えた。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
翌朝、沢山の睡眠時間が取れたので、スッキリと起きられて僕の体調も万全だ。
朝食後、すぐに新風力車で首都ラークから南西方向へ進む。
今までのように首都を探すなら、大きくて立派な町を見つければ良いので楽だったが、村となると特定するのが大変だ。
とりあえず集落を見つけたら、着陸して地名を確認する。
これを繰り返して、地図と睨めっこしながら昼食後に、それらしい集落に到着した。
新風力車から降りて、皆で移動し門番に確認すると、ファルコン村で間違いないらしい。
こうして僕たちは、450年前に代官を務めていたシュトラウス家の末裔を探すため、ファルコン村で調査を開始するのだった。




