第101話 クレイン独立国首都ラーク
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僕たちは、午後のおやつの時間頃にクレイン独立国首都ラークに到着した。
夕方まで少し時間があるので、肌寒さを感じていた女性陣の服を探すことにする。
本命の古書店は、明日丸一日使って回る予定だ。
現在僕たちは、メインストリート沿いにある落ち着いた雰囲気の店で、服選びの最中である。
「お兄様、この服の組み合わせは、どうですか? 私としては、凄く良い感じに思えるのですが」
リゼがネイビーブルーの長袖ワンピースに青緑色のショートカーディガンを羽織って、僕の前に立っている。
特にポーズを取っているわけではないが、まるでファッションショーに出演するモデルのように存在感が半端ない。
「凄く似合っているよ。帝国は暖かいから、半袖ワンピースだけで足りてしまうものね。せっかく北方の国まで来たのだから、色々な服を着てみるのも良いと思う」
「はい! 他の服も見てきますね」
リゼが楽しそうに笑みを零し、エル、クラウ、カルラたちの中に飛び込んでいった。
これだけ長く旅を共にしていると、もう家族といっても良い気がする。
インフィニティの女性陣は、まるで四姉妹のように仲良しだ。
「クリスは、服を見なくて良いのか?」
クラウが小首を傾げて僕を見つめている。
「ああ、僕の買い物は、もう終わっている。クラウも服選びを楽しむといいよ」
「分かった」
「それと、警護の方は少し手を抜いても大丈夫だから。出入口は一か所しかないし、僕が出口付近の椅子に座って見張っておくからさ」
「承知した。ありがとう、クリス」
クラウは爽やかに手を振ると、女性陣の輪に戻っていった。
僕は、いくつか服を購入済みなので、出入口付近へ移動し、椅子に座って女性陣を待つことにする。
前世でも異世界でも、女性の服選びや買い物は長いのだ。
男はじっと我慢して待ってあげるのが、上手に付き合うコツだと思う。
夕方になり辺りが薄暗くなってきたころ、ようやく女性陣の買い物が終わったようだ。
僕たちは、検問所から町の外へ出ると、少し離れた草原に僕が複合魔法で平家を作る。
そして皆で中に入ると、早速女性陣が買ってきた服に着替え始めた。
皆で意見交換をするらしいのだが、僕は一応男なのだけどここに居て良いのだろうか……皆、気にする様子も無く、着ていた服をどんどん脱いでいく。
「えーと、皆服を脱ぐのは良いけど、男の僕が居ても大丈夫なのかな?」
女性陣全員が一斉に僕を見た。
「私は、お兄様になら見られても平気です」
「クリス君は、弟だから問題ないのだわ」
「旦那様にアタシの全てを見て欲しい」
「クリスっち、全員下に水着を着ているから大丈夫っすよ」
僕の問いにリゼ、エル、クラウ、カルラの順に答えた。
いつもおかしな回答ばかりしているカルラが、一番まともなことを言っている。
まあ、皆が気にしないと言うのだから遠慮はいらない。
美少女4人の生着替えが特等席で見られるのだ。
前世のオークションにかけたら、この権利に凄い値が付くに違いない。
僕は、ホットコーヒーを飲みながら、まったりとその景色を堪能した。
その後、いつものように皆で一緒に風呂へ入り、カルラ特製の料理に舌鼓を打つ。
そして現在、寝室で眠る準備を整えたところである。
「お兄様、肌寒いのでギュッと抱きしめて眠っても良いですか?」
いつもは、僕の左腕に抱きつく程度なのだが、寒くなってくるとそれでは足りないようだ。
「うん、僕もリゼとくっついて寝る方が良く眠れるからね」
「えへへー、お兄様大好き!」
リゼが僕の胸に飛び込んで来る。
その後いつもの並びでエル、クラウ、リゼ、僕、カラルの順にベッドで横になった。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
翌朝、皆ぐっすり眠れたようで体調は良さそうだ。
現在、朝食後にリビングで紅茶を飲みながら会議中である。
「今日は、一日かけてクレイン独立国首都ラークの町を探索しようと思う。探す物は、『ターミガン独立国の歴史書』を中心に、
光魔法の魔術書も新しいものが見つかれば購入したいと考えている」
「お兄様、元ターミガン独立国だった、この国ならきっと見つかるはずです」
「ラークの町で見つからなければ、どこへ行っても見つからないのだわ」
僕たちは、皆で頷いて平家を出た。
このクレイン独立国首都ラークで、5つある独立国全ての首都を探索したことになる。
ここで何かが見つかるはずだ。
見つかってくれないと困るのである。
検問所で冒険者カードを提示して町に入り、皆でメインストリートを中心に調べていく。
そして最初に入った古書店で、僕は異変を感じた。
「お兄様、光魔法の魔術書が沢山あります」
「クリス君、大変よ。光魔法の魔術書が沢山あるのだわ」
リゼとエルが息を切らして僕の所へ知らせに来た。
ちなみに古書店内では僕、リゼとクラウ、エルとカルラの3班に分かれて探索している。
「僕も沢山見つけて、驚いていたところだよ」
「でも、同じものが多いですね」
「リゼの言う通りなのだわ。未所持の本は、1冊もないのよね」
「とにかく新しい光魔法の魔術書は、全部買っていこう。後は、ターミガン独立国の歴史書も忘れずにね」
僕たちは皆で頷き合い気持ちを確かめると、一日中ラークの町を駆け回る。
そして、新しい光魔法の魔術書を10冊、ターミガン独立国の歴史書を5冊発見した。
予想外の大戦果に、僕たちインフィニティの皆が喜びを爆発させている。
こうして僕たちは、一旦ラークの町を出て平家に戻り、購入した15冊の本を分析するのだった。




