第100話 ジェットバス
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僕たちは、とある歴史書の記述に大聖女リーゼロッテの実家と予想される、シュトラウス伯爵家の名前を見つけた。
クレイン独立国に戦争で負けて統合された、ターミガン独立国の中に存在していたようだ。
現在、夕食後にリビングで紅茶を飲みながら会議中である。
「ターミガン独立国に答えがあったとはね」
「しかも現在5つある独立国ではなく、滅亡した方の独立国だなんて。それにシュトラウス伯爵家が存在していた時期も、いまだ不明なのだわ」
「でも、ようやくスタートラインに立てましたね」
僕の発言にエル、リゼの順に反応した。
「よし、明日は五つの独立国で唯一未訪問だった、クレイン独立国首都ラークへ移動しよう」
「賛成です。お兄様、ラークの町へ行けば沢山情報が集まりそうですね」
「うん。ターミガン独立国の歴史書を中心に探していこう」
「そうすれば、シュトラウス伯爵家の記述も見つかるはずなのだわ」
その後、僕たちは寝る前にお風呂へ入ることにした。
浴場にインフィニティのメンバー全員が、水着に着替えて集合している。
「お兄様、もうすぐ9月が終わるせいか、夜は寒いですね」
ラベンダー色のビキニを着たリゼが、両腕をクロスさせて寒そうにしている。
「そうだね。しかも、今滞在しているスターリングは、大陸で一番北にある国の都市だから、帝都に比べて寒いよね」
「クリス君、シャワーだけだと少し寒いのだわ」
黒のクロスデザインのビキニを着たエルが、右手で左腕をこすって寒そうにしている。
「アタシも寒く感じるな。でも旦那様にくっついていると暖かい」
ミントグリーンのビキニを着たクラウが、僕の背中に抱きついている。
いつものタンキニじゃなく普通のビキニを着ているせいか、僕の背中にクラウのEカップがふにゅんと当たって柔らかい感触がした。
「自分も肌寒いっすね」
赤の三角ビキニを着たカルラが、リゼに抱きついて暖を取っている。
「ふむ、確かにシャワーだけでは寒いかも。では、大きめの浴槽を作るから、皆で温まろうか。体が温まったら順番に僕が洗髪していくね」
「「「「はーい」」」」
女性陣全員が賛成したので僕は、3メートル四方の湯船を複合魔法で作り適温のお湯で満たした。
「じゃあ、湯船へ入る前に軽くシャワーで流すから並んでねー」
僕はリゼ、エル、クラウ、カルラ、自分の順にシャワーで洗い流して、皆が湯船に入って温まっている。
「はー、温かくて気持ち良いですね、お兄様」
「シャワーも良いけど、湯船にしっかりと浸かるのも気持ち良いのだわ」
「アタシもエルと同じだ。湯船最高だな」
「みんなで入れるってのが良いっすね。自分も湯船が気に入ったっす」
女性陣に湯船が大人気である。
そういえば、前世で女性に人気があったお風呂と言えば……ジェットバスだ!
僕は、試しに隅の方で実験してみた。
通常なら風魔法を使うのだろうが、最近は限定せずに複合魔法を使うようにしている。
しっかりとイメージするだけなので、複合魔法の方が楽なのだ。
すると、僕の右手からボコボコと勢いよく泡が噴き出している。成功だ!
「では皆、今発明したジェットバス魔法を体験してもらうね」
「ジェットバス? 初めて聞く名前ですね、お兄様」
リゼが小首を傾げて僕を見ている。
「じゃあリゼから体験してもらおうか。いくよー」
リゼの足や背中にジェットバスの泡を勢いよく当てると、気持ち良さそうに目を閉じている。
「リゼ、どうだった?」
「お兄様、凄く気持ちよくて疲れがとれた気がします」
リゼが大絶賛している。
「じゃあ次は、エルいくよー」
「クリス君、肩を中心にお願いするのだわ」
「了解」
僕はエルの肩に少し強めの勢いで泡を当てた。
「はぁー、素晴らしいのだわ! 肩こりが軽減されていく……」
エルも大絶賛である。
「ご主人様、よろしく頼む」
「了解、次はクラウいくよー」
「思いっきり来てくれ、ご主人様!」
ああ、クラウがまた変なモードに入っているようだ。
とりあえず無難な場所である足や背中に泡を当てていく。
しかし、しばらくするとクラウの様子がおかしい。
何だか息が荒いのだ。
のぼせていたら大変なので、僕は一旦ジェットバス魔法を止める。
「ああ、止めないで旦那様。あと少しで、新しい扉が開きそうだったのに……」
クラウが瞳に涙を浮かべて、必死に継続を訴えているが、そんなことをしたらクラウが新境地を開いてしまう。ごめんね、これとは別の方法で、何か甘やかしてあげるから。
「じゃあ最後は、カルラいくよー」
「クリスっち、せっかくだから自分は、顔以外全体でよろしくっす。楽しみっすねー」
「了解」
カルラが背中を向けたので、僕は彼女の首、肩、背中の順に強めの勢いで泡を当てた。
「ふあー、気持ち良いっすね。最高じゃないっすか、これ!」
カルラもジェットバスが気に入ったようだ。
僕は背中から下に移動して、次にお尻に泡を当てた。
「あひゃひゃひゃ、くすぐったいけど気持ち良いっすね。じゃあ、次は前っすね」
カルラが体の向きを変えて、僕に対し正面を向いた。
するとお尻に当たっていた泡が、正面を向いたためにカルラの股間を直撃する。
「ふああ、なんすかこれ! 今までに感じたことのない感覚っす!」
これはマズイと思い、僕は泡を上へと進めた。
「ぶひゃひゃひゃ、ダメっす! オヘソはダメっすよ!」
カルラが爆笑しているので、僕はオヘソを通過して終点の胸にジェットバスを当てた。
するとカルラの目の前に、赤の三角ビキニがプカプカと浮いている。
「うああ!」
カルラが慌てて赤のビキニトップを拾い上げると、僕に背中を向けて付け直している。
いつも余裕のある彼女が、珍しく焦っているようだ。
まあ、泡が凄くて僕には何も見えなかったのだけど。
「クリスっち、見たっすか?」
カルラが顔を真っ赤にして聞いてきた。
「いや、泡が凄くて何も見えなかったけど」
「本当に!?」
「うん」
「なら問題ないっす」
カルラがほっとしたように息を吐いた。
しかし、カルラも恥ずかしいと思う気持ちがあるのだな。
以前、堂々と裸エプロンになっているのを見て、度肝を抜かれたことがあったが、どうやら特別な性癖を持っているわけではないようで安心した。
「はい、ジェットバス魔法は終了ね。皆、順番に洗髪をするよー」
この後僕たちは、お風呂を済ませてぐっすりと眠り、明日に備えた。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
翌朝、僕たちは朝食を取るとすぐに新風力車で西へ移動する。
「エル、パフィン独立国とクレイン独立国の関係は、問題ないかな?」
「ええ、大丈夫。このまま国境を越えて行きましょう」
僕は、1時間おきに何度も休憩をとり、午後のおやつの時間頃に大きな町が見えてきた。
「お兄様、あれがクレイン独立国首都ラークの町でしょうか?」
「おそらく」
僕は新風力車を町近くの草原に着陸させて、収納ボックスへ入れると、皆で検問所へ移動した。
そして検問所の門番に確認を取ると、間違いなくクレイン独立国首都ラークの町である。
こうして僕たちは、滅亡したシュトラウス伯爵家があったとされる国に、ついに到達したのだった。
簡略地図を作ってみたのですが、PCに詳しくないもので、見づらくてすみません……
網掛けになっているものが国名で、◎印は都市名です。
99話にも同じ簡略地図を載せています。




