一旦休戦
ちょっと長くなってしまいました。3人の日常を書いてみました。今までちょっと重い雰囲気だったので明るくなればと思いまして。
「私たち姉弟なの」
姉弟…それは血を分けた人たちの総称、、。でも同学年だよな…
「双子って色々とめんどうなのよね〜、こっちは偽名使って生活してんのよ?」
「雫って偽名だったのか?!」
自分の思っていた数倍大きい声が出てしまった、、
空気が一気に重くなる。あいつに執着していたわけではないが、一応、幼馴染だ、、
「そんなに重く考えなくてもいいのに〜 本名知りたい?」
知りたいと答えたら負けな気がする…
後に思うのである、、このとき名前を聞いておけばよかったと…
「う〜ん、今はまだ言わないほうがいいかも!ってことでやめとくね〜」
「流石、姉さん、、英断だよ!やるときはやるね!」
一言多いなぁ、とか思ってたら雫もそう感じたのだろう、姉弟喧嘩が始まった。
この姉弟は仲がいいのか悪いのかわからないなぁ
あれ?俺の持ってたナイフどこいったんだろ、、、
「このナイフで自分を人質にするとこまではよかったんだけどね、ツメが甘いよ」
「、、どこがだ」
「このナイフ。実はーーーーーーニセモノでした〜!」
ニセモノナイフで自分を刺そうとした俺を横目に大笑いする姉弟、いや双子。
「あれは傑作だったね〜」「そうだね~」
「お前がどんな行動を起こすかもわからないのにナイフなんて危ないもの渡すと思ったか?」
こいつらの手の上で踊らされているのは俺だったか、、少しばかり見くびっていたようだ。
日が落ちて暗くなった体育館。非常灯だけが煌々と輝いている。俺はいつになったらこの双子から逃げられるのかーー
「もうこんな時間か、そろそろ帰ろうか。僕達の家へ」
「到着〜!疲れたよ〜」
はぁ疲れた、色々と疲れた、、その原因はこいつら双子なんだけどなぁ
というか俺たちって敵同士じゃないのか?あんなことまでしたのによく平然としていられるな。
「お風呂入ろうか!」「入ろう入ろう!」
「もしかして、いやまさか、、、二人一緒に入るのか?」
もう服を脱ぎ始めてしまった双子に俺は問いかける。まだリビングなのだが、、他人の価値観はよくわからないな、、
「え?入らないの?」
「「だって双子だよ?」」
双子であるだけでこんなにも大っぴらになるものだろうか。俺なら…いや俺は男だ、、女性の立場でなければ考えてはいけないことだった、、俺の意見としては大歓迎である。
「ねえ一緒に入らないの?」
「え?!っ俺も??」
「当たり前じゃん!ね?千歌」「もちろんだよ姉さん!」
人生最大の二択が今出現した…
この双子と一緒に風呂に…
入るか
入らないか
いや、同い年の男女の裸が見たいとかそんな欲望に満ちた思考なんて、、ないんだからねっ
バタンッ ジャージャー キャハッ ハハハ
あっ…悩んでる間にもう行ってしまった…ちょっと後悔している…入るって言っておけば雫の…
この話はもうやめよう!うん!雫の…ってなんだよ!幼馴染だぞ。小さい頃は一緒に風呂にだって入ったことあるし、、、別にいいよ、俺の雫は小さい頃のままで止まっていてほしい、、
ここまで言っておきながら、俺はロリコンではないのである。
「ほんとにロリコンじゃないの?今の話の流れだとロリコン決定だけど」
湯気で目の前が見えなくなる、、鏡が曇りだす、、ということは、、、、、
「あのー今の、、、」
「聞かなかったことにしてやるよ、、貸しな?」
「、、わかった」
鼻歌まで歌ってご機嫌なやろうだな、、貸しなんて作りたくなかったけど、雫にキラワれるのはそんなことよりも御免なのである。
「ちょっとー?千歌ー?頭拭いてー」
ニヤニヤと笑う千歌
「今いくよ〜♪」
これまたこれみよがしにぃーー!、、、、いいなぁ姉弟…
「ふ~!スッキリした~!りっくんもお風呂入りなよ!気持ちいいよ〜、入浴剤はね、ゆずの香りだよ?」
「確認したいのだが、俺たちって敵同士なのか?」
考え込んだ末に
「敵同士になることもあるけど、今は仲間だよ?あの時眠らせたにはわけがあるんだ。君は異世界に来て早々、命を狙われている」
命を狙われている、、、反芻して考えたが理解できない。
「君は立ってるだけで目立つから人がちょっと眠ってもらったんだ。君が寝ている間は同級生の暴動を鎮めたり、いろんな処理が大変だったよ〜」
「そうだったのか、、なんでそんなに目立つのか俺にはよくわからない。平凡の極みだぞ?」
「君はまだ自分自身のオーラ、存在の重要さがわかってないからだよ」
千歌が言っていた闇属性の話だろうか。
「闇属性はレアだからね。光属性を倒すためには必要なんだけど、闇属性がいなさすぎてこの世界の半分は光属性になってしまったの。例に漏れず私も光属性でーす!」
そう私は光属性。今年、一万年に一度の闇属性が生まれるとしって、戦慄した。自分の命を揺るがすものが存在する時点でゆっくり眠れるはずがない。消さなければ…そう思っていた。死物狂いで探した。探し出した結果が、、、幼馴染のりっくんだった。殺す気が失せた。何年も話していなくとも幼馴染であることには変わりないのだ、と。そう自分に言い聞かせていた。だが恐怖は日に日に増えていく一方だった。少しずつ近づいた。一瞬殺そうかと血迷ったりした。睡眠薬じゃなくて毒薬を作ろうとか、誰もいない教室でパパっとヤッちゃおうかな、とか思ったけど、我慢した。だって……幼馴染なんだもん。
「雫って光属性だったのか!なんかイメージとあってる!」
「りっくんもイメージ通りだよ♪」
そんなに陰気臭いですかね…トホホ…
りっくんが闇落ちしませんように…光属性にとっての脅威になりませんように…
ずっと見守らなければ…
(姉さん…そんなに思いつめなくてもいいのに、僕が守るよ)
ギュッ
「急にどうしたの千歌?」
「いや?ちょっと寂しくてね…」
抱きしめ合う二人を見て、ちょっと羨ましく思った。この双子は双思双愛なんだなとーーーーー
次話への繋げ方が難しいなぁと思う毎秒でございます。いかがでしたでしょうか。情景描写も入れていきたいと思いまして、色々と書いてみたはいいもののやっぱり難しいですね。これからも頑張っていこうと思うので、お時間ありましたら、感想・評価等よろしくお願いいたします。誤字脱字が多いので発見いたしましたら、報告の方お願いします。