入学式前日
とうとう現実世界を離れてしまいました。ローファンタジーではなくなってしまいました。求めていたものと違っていましたら申し訳ございません。
「行こう。その学院とやらへ」
SSkill魔法学院ことS学院に俺たちは向かった。道中、千歌は何も喋らなかった。
「到着だ」
ここがSSkill魔法学院。洋風な外装に威圧感のある門。校舎にはたくさんの学生が出入りしていた。
生徒「おはようございます、千歌君」
「…気にするな」
千歌は挨拶をされるほどの存在らしい。だが千歌はオレと同い年なはずだ。
「まずはこの学院の案内をする、よく聞けよ?大事な話だからな。大事な話だけど二度と言わないからな」
大事な話なら二回くらい言ってくれてもいいじゃないか、なんて考えながら門をくぐった。もう後戻りはできない。
「お前は特待生として学院に招待されている。今年度の特待生はたったの三人…。そのうちの一人がお前だ」
そんなにすごいことなのか…他の二人にも会ってみたいものだ。
「すぐ会えるさ」
すぐっていつだろ。
「まずはこの学院の特徴を説明させてもらう。
Skill魔法学院。この世界では右に出る者はいないと言われているほどの名門。学科は四つに分けられ、〈魔法武術〉〈魔法薬学〉〈魔法呪術〉そしてお前が入る〈S〉。〈S〉は、首席や特待生、推薦で選ばれた者しか入ることができない。各学校の学園長が推薦している生徒が集まっていることもあり、毎年、壮絶なバトルが入学式で繰り広げられている。自分が一番だと思ってるやつが大半だから仕方がないが、あれは二度と見たくないな…、説明はこんなもんかな、他に聞きたいことある人」
オレしかいないじゃんっってツッコミたくなった自我を押し殺して質問をする。
「具体的にどういうことをするんですか?先生」
「いい質問だ。〈S〉は主に自分のスキルをより強力なものにするためのクラスである」
「それだけ?」
「今、私から言えることはこれまで」
これまでって、、もっと知ってるんだろ。
「入ってから嫌でも知ることになるんだから…、、焦るな」
これからの人生どうなっていくんだろう。不安だ。不安という目に見えないものに目を塞がれている。いつか見える日がくるのだろうか…
「ボソッいつか見えることを祈ってるよ」
「なんか言ったか?」
「…なんでもないよ」
「あっ大事なことを伝え忘れてた、入学式は明日だからこの制服を着てこいよな。あと護身用のナイフ」
ぐいっ
「うおっ これが制服、、と腕章?」
腕章には「SKiil」と刺繍されている。
「〈S〉専用腕章だ。かっこいいだろ!ちゃんとつけてこいよ?明日面白いことが起きるからw」
「ああ、、ものすごく…かっこいいよ(面白いことってなんだろ)」
ついに入学してしまう。元の世界に戻ることはできるのか、、いやそんなことはどうでもいい。元の世界にいても変わらない日常に囲まれ平凡の極みだっただろう。何かあったら千歌もいるし、元々友達もいなかったからオレがいなくなっても誰も困らない。だったらこの世界でオレの存在意義を見つけて見せる。
「覚悟ができたようだな… 明日、遅れるなよ?」
「もちろん、ノートの一ページ目は丁寧に書く方なんだ」
一旦、元の世界に戻ってきた。自分の部屋の整理をするためだ。遺品整理みたいだなと自分自身に毒を吐きながら荷物を詰める、といっても大して荷物は多くなかった。模様替えとかしてると感じる、オレの物欲の無さが。オレが求めているモノ、欲しいモノは形のあるものではないのかもしれない。それがあの世界にある、、、そう…信じてる……
ここまで読んでいただきありがとうございました。自分の語彙力の無さが垣間見えるときがちょこちょこありました。もっと勉強して面白い小説を書いていこうと思いますので、これからもよろしくお願いいたします。お時間ありましたら評価・感想等お願いします。