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第4話 命~めい~

「ふんふーん♪」


夜の風はやはり心地いい。


昔は今ほど空が明るくなかった。今頃の時間帯は吸い込まれるほどの闇だった。


いつしか町は消えることのない光が灯り。我らの居場所は奪われていった。


コツッコツッ


しかし、今も変わらないものがある。


「あの、すみません・・・」


「えっ?」


人狩るのはいつになっても、面白い―。



「全く、料理もろくにできないのかしら?」


「うるせぇ!お前のよりましだろ!」


「わっ私でもこれくらい作れるわよ!」


「嘘つけ!あれが料理っていえるのか!」


俺が指さした先には原型がわからない焦げた物体があった。


喧嘩をしながら食事を済ませ、本題に入る。


「で、なんで俺とお前は一緒にこの家にいるんだ?」


「昨日のこともう忘れたの?私はあなたの観察役よ」


それは知ってる。ついでにあの後ジジイに色々叩きこまれたおかげでわかったことがある。


まず一つ目は、この仕事は代々その家の当主またはその当主から直々に命を下された者が行うこと。


そして、その内容は当主以外には決して口外してはならない。


楓の家は昔から、俺らの観察係としての任を任されている。


二つ目、鬼の力を私利私欲のために使うことは禁じられている。


もし力を使った場合は、本部から派遣された暗殺用組織に存在自体を消される。


力を使う時は本部からの承諾を得なければ使うことができない。


力の使用の確認と、承諾なしに使用してないかを報告するのも観察係の仕事だ。


三つ目。人ならざる者を宿している者は意外と居る。そして、それらは総じて「器」と呼ばれている


器の大半は本部に属している。属していない者もおり、それらは荒器と呼ばれている。


「それは覚えてる。観察役は、おもりもしてくれんのか?便利なことで」


「いつ鬼の力を使うかわからないもの。観察役に任命されたものは、

基本的に本部から下された命が終えるまでは、行動を共にすることになってるのよ」


それはつまり、俺は命が終わるまでは毎日こいつの毒を受けることになるのか?え?マジ?


「それと今日からここが私とあなたの活動拠点になるから、学校が終わったら荷物の整理しておきなさい」


・・・なに?


「何ポカンとしてるの?さっきも言ったでしょう?基本的に行動を共にするって。

だから、今日から私の監視の元生活してもらうわよ」


神よ。我をタスケタマエ・・・。


「ところで、今日のニュースは見たでしょうね?」


楓が突然話を切り替える。


「いや、ニュースなんてここ最近みてねぇな?」


「はぁー・・・。あんたはホントに」


呆れた様子でテーブルの上に新聞を叩きつけた


『相次ぐ変死体。捜査は難航』


新聞の見出しには、虚の仕業とされている記事が載っていた。


「また被害者が出たわ。これで五人目よ」


「五人・・・。だけど、これがもし虚だとしたらどうやってそれを突き止める?

虚ろはどんな姿してんだ?」


「虚は基本的に人間の姿をしているの。力を使う時は、宿してるモノによって変化するわ。

わかりやすく言えば、天狗を宿している人がその力を使う時は鼻が伸びているように見える」


なるほどな。人間の姿では宿してる力を使えないってわけか。


「なら俺が力を使うと、角が生えてくるってわけか」


「もしかしたら、そうかもしれないわね」


「もしかしたらってどういうことだ?お前の家は俺らの観察係だったんだろ?

姿くらい書いてあってもおかしくないだろ」



「そうだけど、実際に神来社家が鬼の力を使えたのは初代だけよ。

二代目からあなたのおじいさまの代までその力を使えたことは無いわ」


マジかよ・・・。それって今まではしっかり教育されてきた人が当主に就いてきたはず。


それはつまり、俺はどうあがいても力使えなくね?


だって普通の高校生だよ。ただの少し霊感のある男だよ?


「いやいや、そんなんで虚を倒しに行ったら自殺するようなもんだろ!

見ろこの細い腕!白い肌!貧相だろ!」


「なに自慢気に弱さ自慢してるのよ・・・。

はぁ。安心しなさい。何も観察係だからと言って、殺されるのをただ見てるだけじゃないわ。

骨は拾ってあげる」


「いや、見てるだけじゃねぇか。死んでんじゃん。」


「冗談よ。実際使いこなせなくても、関係なく命は下るわ。だから、器の中には亡くなる人もいる。

でも、そのための観察係でもあるの。基本的に観察係は守護が得意な家系に振り当てられるのよ。

それに、強力な名のあるモノを宿している荒器はなかなかいないから安心しなさい。

私は昔からその修行は積んできたから、ある程度の荒神の攻撃は防げるわ」


なんか色んな情報が出てきたが、つまりは俺が死ぬ確率は少ないということか


「あと、1つ聞いておきたいことがあるの。あなた、声は聞こえる?」


「あ?声?そりゃこの距離なら聞こえるけど?」


「そう。さすがに無理か」


「なんか言ったか?」


「別になんでもないわ」


楓はそういうと、おもむろに上着を羽織った。


「?こんな遅くにどこ行くんだ?」


時計を見ると22時を過ぎたころだった。


「なに言ってるの、現地調査よ」



まだ風が冷たい暗い中、俺はある建物の中に居た。


そこは、温かく明かりも付いていた。


「で?君なんで、こんな時間にあんな危ない所に居たの?」


そう、交番だ。


「いや、それはですね・・・」


楓と一件目の被害があった場所を調べてる時、運悪く警察に捕まってしまった。


しかも、楓に助けを求めると楓は姿を消していた。


散々質問攻めになれた後、今回は見逃してくれることになった。


あの女マジで許さん。


暗い夜道を歩いてると、街灯の下に人らしき影が見えた。


(女の人か)


その女性の前を通ると不意に声をかけられた


「ねぇお兄さん・・・」


・・・見なかったことにしよう。それがいい


そして、ガン無視を決め真っすぐに歩くと


また居た。


「ねぇ、おにい・・・」


無視


そしてまた居る


「ねぇ・・・」



「私きれ・・・」


これまた無視。


あれは生身の人間じゃないな、うん。あれ系は無視するのが一番いい。


ドドドドドドドドドド。


後ろから何やら音が聞こえてきた。


嫌な予感がする。


恐る恐る振り返ると、今まで出会ったことない形相でその女が全速力で走って来た。


「うわぁぁ!ごめんさい!悪気があったわけじゃないんです!綺麗です!綺麗ですから!」


しかし、その女は俺を襲わずに横を全速力で駆け抜けていった。


何ホントにもう。めっちゃ怖かったんだけど。今までで一番怖かったんだけど。


涙目になりながら、女が走って来た方向を見た。


すると、その方向には違和感がある男が立っていた。


なんだ?生身の人間?でもそ、人にしては何かがおかしい。


なんだ、この違和感?


それは、一瞬だった。その男が居た場所をずっと見つめていたはずなのに、


そいつは消えた。


「えっ?」


見間違いだった?いやそれはない。


(伏せろ)


ん?今なんか声が・・・?


すると、なぜか体が勝手に動いて地面に伏せる姿勢になった。


次の瞬間、頭の上で風を切る音がした。


「!!」


電信柱が・・・砕けた


「ほう、人間でありながら俺の一撃を躱すか」


そいつは、人の姿でありながら人ではなかった


展開進まないと思ってる方

僕も思います

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