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第18話 予感~よかん~

俺、楓、風香は誓願寺を飛び出したあと、茨木と猫又の力を使い真綾さんを追っていた。


「天狗!?しかも天狗そのものを封印してたのかよ!」


真綾さんを追いながら、風香から封印されていた者の正体を聞いた。


「うん。昔、この地域で悪さする天狗が居たんだけど、それを深見家が封印したの。

それから、この地を深見家が守るようになって天狗も復活しないように監視してた。

天狗は人の手で討たれたことないからね。復活したらどんな災いが起こるかわからない。

千年以上破られなかった封印が破られるなんて思いもしなかった」


「でもだとしたら、どうやってその天狗を封印したんですか?」


俺に、背負われた楓が問いかけた。


たしかに、そんな強力な妖怪が黙って封印されるわけがない。


「私も真綾さんから聞いただけだから詳しくわからないんだけど、たまたま深見家

に来てた訪問者が、協力してくれたらしいよ」


たまたまで来てたやつどんだけ強いんだよ・・・


「で、封印はまたできるのか?」


勢いで飛び出してきたものの、作戦は何も考えていなかった。


そもそも天狗が相手って今聞いたし。


「たぶん。昔の結界を真綾さんが改良して、更に強力にしたから真綾さんが居れば

封印は可能だと思うよ」


となれば、真綾さんがやられたらその時点で俺らの負け。


状況は最悪だ。


「あっ楓ちゃん。高天原に連絡とってもらえるかな?このままだと私たち

虚って思われちゃう」


「はい!わかりました」


楓はそう言うと、袖からお札をだし。


「かしこみかしこみもうす。その力わたくしに少しだけお貸しください。

出でよ!式神!」


すると、ボンッ!と音を立てて式神が現れた。


「へっへっへっ!」


俺の目の前には可愛らしい、掌サイズの犬がいた。


「・・・何これ?」


「狛犬様よ。すみません。高天原と連絡を取ってもらえますか?」


「ワンッ!」


狛犬は返事をすると、口を開けたままにした。すると狛犬から、九条の声がした。


『楓聞こえるかい?』


「聞こえます。お久しぶりです九条様。いきなりで申し訳ないのですが

宿している者の使用許可をいただきたいのです」


『まさか、誓願寺に居るのかい?』


「えっ何故それを?」


『真綾から連絡があったんだよ。大天狗の封印が何者かによって解かれたと。

その時はあなた達のことは話していなかったんだけどね・・・。

もちろん使用許可は出す。誓願寺にも器がいたはずだよね?

その者の使用も許可する。大天狗は強力な妖だ。こちらからも何人か手練れを送るから、

それまでなんとか耐えておくれ』


「ありがとうございます」


会話が終わると狛犬はまた、ただの犬に戻った。


「狛犬様もありがとうございました。また力をお貸しください」


楓がそういうと狛犬はワン!と吠えて消えた。


九条の許可も得たし、後は真綾さんを見つけて助けるだけだ。


「よし。じゃあ急いで真綾さんを見つけるぞ」


さっきよりもスピードを上げた、その時突然地面が揺れ、突風に襲われた。


「なっ何だこれ・・・」


叩きつけられる風。これは自然のものじゃない。


しばらくすると、突風が収まった。


「なに今の・・・」


「・・・風香、楓背負うの変わってくれねぇか?」


「えっ?まぁ大丈夫だけど?」


今の謎の突風。嫌な予感しかない。


「風香が背負った方が速く移動できるだろ?さっさと追い付かないとまずいぞ。後・・・」


「後?」


風香が首をかしげる。


「こいつ重すぎ・・るぅ!?」


楓は顔を赤くしてみぞおちに一撃入れた。


((今のはお前が悪い))


(うむ)


「・・・楓ちゃん行こっか?」


「はい。バカは置いていきましょう」


((おい。早く立て))


「お、おう。てかなんでお前、タイミングよく引っ込んだ・・・」


痛みに耐えつつ、風香に付いていく。


祠があった崖の近くに来ると風景が変わった。


「ちょっと、なに、これ・・・」


木々が散乱しており激しい戦いの痕が残っていた。さらに


「血だ」


風香が、唯一倒れていない大木で血痕を見つけた。


そこには大量の血が残っていた。


「これ、どっちの血だろう?もし、真綾さんなら・・・」


楓の顔が曇る。


((いや、こりゃあどっちでもねぇな))


しかし、真綾さんの可能性を茨木は否定した。そして天狗の可能性も。


(うむ。獣の匂いがする。これは大天狗のまやかしかなにかだろう。

奴の神通力は強力だからな)


神通力・・・。いくら真綾さんが強くても、そんなものを使われたら

勝ち目なんてなくなる。


「早く見つけよう」


なんでだ。なんで心臓がこんなにも暴れてる。


真綾さんなら大丈夫だ。全力は見たことはないけど、でも無事で戻って来る。


きっと―


「探す必要はないぞ」


声が聞こえた。


何故人は嫌な予感ほど当ててしまうのだろう。


区切り良くしないと5000文字越しそうだったので、今回は短くしました。

狛犬かわええ。

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