帰り道
日が沈むのがだんだん早くなってきた。
係の仕事で、帰りがおそくなってしまった。
一人、暗い空の下家へ帰っている。
この世の中には不思議がたくさんある。
疑問だらけの毎日。
ねぇ、宇宙ってどんな感じだと思う?
宇宙は、年々膨張しているらしいんだけど、宇宙に果てはあるの?
何次元も先のそこはどんな場所なんだろう。
学生ってさ、毎週毎週同じ授業予定で、同じような毎日。特に変化もない、そんな毎日に意味はあるのかな。特に楽しくもないから、存在する意味も無いのでは、?でも、どうして、僕はこの場で生きているんだろう。
この自分の体で、もし事件に巻き込まれて、一箇所失ってしまうとしたら、どこなら大丈夫なんだろうか。そんなとこ、一つもなかった。
どれもこれも、意味があって
今僕がこの世に存在しているのも、
この世に産み落とされた事実も、
何かしらの意味がきっとあるんだ。
僕は、病気だった。
生まれつき、体つきが小さく、幼稚園から今まで身長の伸びが異常であった。手足、指は長く細い。痩せ型で、猫背で。
自分のコンプレックスだったこれらにも意味があった。病気という事実が。
帰りは一本道。
こんなことを考えながら、何時ものように歩いている。
煙草の吸い殻が、散乱している。
部活動の掛け声が聞こえる。
横を、古びたトラックが勢い良く過ぎ去っていき、ちょっとおくれて強めの冷ややかな風が僕の肌に突き刺さる。
もう、冬なのか。
そうか。
何気ない、こんな日常はいつ何時も終わりへ進んでいる。
僕が学校を卒業したら、この道は通らなくなってしまうのかもしれない。
今日感じたことを、思い出す日が来ないのかもしれない。
なんてことも考えていた。
なんだか、悲しいね。
楽しさ、愛しさ、嬉しさ。
人生は色んな幸を与えてくれる。
でも、それと同時に
悲しみも、哀しみも、運んでくる。
終わりの無いものなんて最初から始まりなんてないの。
どうせ終わりが来るんだったら、
始まりなんていらないの。
哀しみが来るんだったら。
悲しみが来るんだったら。
憂いる時が来てしまうのだったら。
それでも僕らは、いつだって幸せを求めてしまうんだ。
幸せになりたがるんだ。
その為の意味を、探し続けているんだ。
そうやって、生きる意味が見つかるんだ。
そうして、僕らは今をこれからを生きるんだ。
ねぇ、なんだかさ。
素敵なことだと思わないかい?