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それでも彼女は俺のカノジョじゃないわけで。  作者: 遥風 かずら
第七章:鮫浜さんと池谷さん

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91.某お嬢様の日常すぎる日常 SS⑧


 あゆのようには行かない。そう感じた朝だった。初めて湊と一緒に教室まで入ったは良かったものの、あゆと違ってわたしは恥ずかしさがあった。あゆは臆することもない。


「――っ!」


「さよ――」


 湊がわたしの名前を呼ぼうとしていたみたいだったけれど、あゆに止められたみたいだった。今まで教室にいても、彼女は割と自由意思で動いていたのに、どうして急に対抗を見せてくるようになったのだろう。


 彼女の中で、湊の存在が大きくなったのだろうか。わたしが敵と言ってもまるで関係ない風にしていたのに、突然の変わりように驚きを隠せない。


「あなた、あゆも本気なのかしら?」


「そうだとしたら?」


「て、敵だと言ったわ。そういうつもりがあるなら、わたくしもそういう態度を取らせて頂くわ」


「勝手にしていいし……お昼は高洲君といていい。どうせ――」


 続きを言いかけて言わないのは彼女の悪い癖だわ。それでもわたしは何があっても、何かが起ころうとしても、湊に伝えたい。


 お昼は湊と一緒にカフェに行くのも悪くないわね。あゆは、お昼は譲ると言った。それならそうさせて頂かないとね。


 そうして、お昼休みになろうとした時、わたしは湊のいる席に向かって歩き出そうとした。そこに、何故かはわからないけれど、話をしたことのない女子に声をかけられた。


「池谷さん、廊下に彼が来ているよ? 行ってあげて」


「彼? よ、よく分からないけれど、行けばいいのね?」


「あ、です。自分は伝言を頼まれただけだから。じゃあ、伝えましたから」


 そう言うと、話のしたことのない女子は、浅海さんたちと教室から出ていった。彼の取り巻きだったのね。


 湊に声をかけてから、廊下で待っているという彼の所に行くしかなさそうね。湊にはカフェで待っててもらわなきゃ。


「み、湊。お昼はわたくしと行きましょ。わたくしは用を済ませてから行くわ。あなたは先にカフェの席を確保なさい」


「あん? 分かったよ。早く済ませろよ」


「当然だわ」


 さて、わたくしを待つ彼は誰なのかしらね。すぐに済ませて、湊が待つカフェに行かなくちゃ。

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