287.高洲湊陥落計画!? Vol.3
上手く誤魔化そうかとも思っていたが、コイツは浅海みたいに、シャレが通用しなさそうなタイプに見える。
「ひ、姫だ」
「なんだそれ、誰のことを言ってる?」
「姫は姫だな」
「ふざけんなよ」
握り拳の照れ隠し女子はどこへ行った?
すぐ目の前で添い寝されている上、照れ隠しからのパンチングは真面目に痛い。
「いた、痛い、痛いって」
言い訳に姫の名前を使って通じるはずもなく、相手を怒らせただけだ。
「女たらしって聞いているのに、手を出さないのか? こんな目の前にいて、しかもオレが許可してんだぞ」
「い、いやぁ、オムネさんのことを言っているんなら、無理だなあと」
男の娘かと思いきや、本物の女の娘だったわけだが、そういつもいつも、そんなことをする自分ではない。
さよりの時はどうだったかなんて、今では遠い記憶の中で眠っている。
浅海のように、男の娘だと思っていたくらいのオムネさんなので、ここは冷静に判断すべきだろう。
「誰彼構わずやるわけないだろ?」
「……へぇ? 意外と硬い奴か」
「ま、まぁな」
「そういうことなら、今はこれくらいにしとくか」
「……ん? うあぇっ!?」
目の前にいるから逃げようがないわけだが、ユウは何の躊躇もなく、俺の手を自分のオムネさんに押し付けた。
だからと言って、特にどうにもなら無いが。
「あぁ、そういう反応か。じゃあ、ここは?」
「うぉい!!」
ユウは俺の手を引っ張り、自分の口元に引き寄せた。
「やめろって! そんなこと」
「ふーん……これが高洲の゛味゛ってことか」
俺の指は見事にユウの口の中へ突入し、彼女の舌先で弄ばれている。
これ自体特別にヤバいことをしている気はしないが、逆なら非常にまずいことになる。
「覚えたぜ?」
「な、何を……」
「高洲を」
真横で俺を見つめ続けるユウは、これから狩るであろう獲物を認識して、逃がさないといった眼光をしている。
「……じゃあ、オレは自分の部屋に帰る。じゃあな、オレの高洲」
「は、はは……」
あっという間の出来事だった。
しかしこういうことが起きまくるはずもなく、ただ静かに過ごしていけば、10日間なんてあっという間なはず。
それとも、あみの言った通りのことが起きるとすれば、俺は覚悟を決めるしかないのか。




