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それでも彼女は俺のカノジョじゃないわけで。  作者: 遥風 かずら
第6章:見えない何かからの逃避

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203.元カノと俺のヨメ? 2


 鮫浜あゆは元カノ、元同級生、元隣人だった。隣の家には実は、住んでいなかったことが後で判明した。


 だからといって、どうということではないが、どうしてそこまで俺だったのかを彼女は教えてくれなかった。


 学園の権限者であり、権力チートの女子でもあったからこそ、興味を持って惹かれて行ったのは確かだ。


「何でこんな時間、こんな所にキミがいる?」

「そのままセリフを返す、返すよ? 湊くんこそ、転校してからサボるようになったのかな?」

「違う! そうじゃないけど、俺を転校させといてそんなことを言う資格は、キミには無いだろ」

「無いよ? 無いけど、学園に来た頃の湊くんは真面目だったのに……転校したら変わってしまった?」

「変わってない。俺と別れて、学園から追い出して……何でなんだよ!」

「……違う、違うよ。追い出してない……そうじゃない」


 喧嘩するつもりなんてないのに、再会して嬉しいという感情よりも先に、疑問をぶつけたくなってしまった。


 鮫浜の気持ちは今でも分からないままだし、どうして突然出会えたのかも不明なだけに、不安ばかりが広がっている。


「危険だから追い出したんだろ? 鮫浜を知りたくて、近付いて……もっとキミを知ろうとしたのが、鮫浜的には俺を危険だと判断した。そうなんだろ?」

「……」

「ここで揉めても仕方ないし、俺はキミに振られたわけだし、たまたまここで会ったのか事前に知っていたのか分からないけど、もう俺のことは――」

「や、やめて……欲しい」

「……え?」

「駄目……嫌……嫌なの。湊くんがいないと嫌って分かった、分かったの……そういうことを言わないで欲しい」


 危険人物認定されたから振って、距離を取って会わなくしたんじゃなかったのだろうか。


 駄目とか嫌とか言われても、今の俺には仮でも彼女がいるし、鮫浜の思い通りにするわけにはいかない。


「悪いけど俺には、そこに立っているヨメ……がいるから、鮫浜と戻るとかはないよ」

「違うよ? 湊くんは嘘がつけない男の子だって、わたしは知っている……知っているよ?」


 彼女がいることを言うのは簡単だ……しかし、それがさよりとルリの二人ということを伝えれば、鮫浜にはたちまち嘘だとばれてしまうだけに、みちるが俺のヨメとしてアピールしてくれているのは正直言って救われている。


 しかし嘘以前に、みちるとは付き合いがあまりに浅すぎる。


 鮫浜にすぐに分かられてしまっているのは不思議でもなんでもなく、彼女の方が何枚も上手うわてすぎるということなのだろうけど、それでも抵抗をするという意地が俺にはあった。


「俺だって嘘くらいつく。キミだって俺にずっと嘘をついて来ただろ?」

「クスッ……意味が違うよ? 湊くん」


 変わらない小悪魔的な微笑と、妖しげな雰囲気で変わらない彼女は、やはりその辺の女子とは違う。


 その部分に惹かれたのは仕方ないかもしれないが、やっぱりそういうことじゃない。


「そ、そんなことより、俺に文句を言うためにここで出会ったのか?」

「偶然の再会。見て分からない? 湊くんは偶然ここに来たよ? わたしも偶然ここを歩いていた。奇遇……奇遇だけど、何かを感じるよ? 感じるよね?」


 あぁ、くそ……どうして彼女はこんなにも――

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