190.某闇天使は、やり直したいSS①
「湊くん、キミといると危険、危険なの」
「――え? な、何で急にそんなことを言うんだ?」
「無いよ? 理由なんて無いの。だからお別れ……お別れなの」
「ま、待って! 俺が悪いなら直すし、そうじゃないにしても会うのをやめて落ち着いても……」
「手続きは済ませたから。湊くん、キミは学園からさようなら。転校、だよ」
「そんな……」
湊くんには有無も言わせずに、転校とお別れを告げた。
どうしてこんなことになったの?
湊くんは悪くないのに……
でも、わたしを知りたい、知りたくて近付いて来る彼は、確かに危険な所まで踏み入れようとしていた。
だから周りがうるさくなって来たのも気づかせたくなかった。
特にうるさくなったのは、学園監視担当の社員でもある山女。
わたしに逐一報告してくる細かい女。
それは良くも悪くもあって……
「あゆさん、あの……」
「何です?」
「学園の男の子、高洲君とはずっとお付き合いをするつもりなのですか?」
「どうして? 好きって言われた。言われたのは初めてだったよ? 別れるつもりなら告白の時点で振る」
「し、しかし、鮫浜は……」
あぁ、どうして本当にわたしがこういう立場になっているのだろう。
高洲君を監視して、近付いて、心も奪って……それでも、いざ奪うと上手くいかなくなるんだ。
「分かってます。わたしは会長代理。学園のことは任されている……でも、いつまでもそんな、そんなのは続けられない。いずれ、いずれ……」
「本気ですか? 本気でお好きに?」
「悪い? だって、彼は違う、違ったんだよ。本気にもなるわ」
「……ですが、すでに手続きを済ませております。このままお会いにならないのです?」
「あの人が動き出したって聞きました。今は高洲君にどうこうできない」
「……」
どうして、どうしてかな……年も本当は離れていて違う、違うのに、心が動いた?




