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それでも彼女は俺のカノジョじゃないわけで。  作者: 遥風 かずら
第八章:ダークネス エンジェル

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117.ただの添い寝であってそこにやましいことなん……妹特別編


 さて、困ったよ? 監視役とはいえ、妹ちゃんを俺の部屋に寝かせるわけにはいかないだろう。寝るときに何を監視されるんだって話になるだろうし。


「チカちゃんは中学生で俺は高校生。分かる?」


「バカにしてる? そんなの分かるっての!」


「だ、だよねぇ……ってそうじゃなくてね、ここは俺の部屋なんですよ」


「そうだよ?」


 この子は姉と違って天然か? それとも単に俺がけがれてるだけかな。妹と同じ部屋で寝るとか、それも他人の妹ちゃんってこれは夢だ。そう、こんな夢のようなシチュエーションになるはずがない。


 それに言葉遣いがくだけた感じに変化してるし、イイ! 姫ちゃんとはまた一味違う。


「じゃあ寝よ?」 

 

「い、一緒に? あ、俺のベッドを貸すから、だから俺は床に寝るよ」


「意識してる? それはあゆ姉さまにしたら? わたし、ただの妹だし」


 そうか、ただの妹か。それならいいのか。良くないぞ! 俺にも清い心が残されているはずであって、汚れた大人にはならんぞ。


「いや、本当に俺は床に寝るから」


「一緒に寝るだけなのに、湊さんってヘタレだね。それもしてくれないのでは仕方ないかな? あゆ姉さまをここに呼びます。いいですよね?」


「ファッ? な、何で鮫浜を呼ぶの?」


「一緒に寝てくれなかったということで、わたしは失格の烙印を押されます。わたしなら添い寝程度で済みますけど、姉さまだとそうはいかないと思います。どうします?」


 失格の烙印? 闇の契約上のペナルティかな。それはともかく、鮫浜本人が来たら間違いなく眠れんぞ。妹ちゃんがいなくなって、俺の部屋に本人が降臨したら事実上、同居じゃないか。いかん、いかんぞ。


「わ、分かったよ。添い寝だね? い、いいよ……でも、チカちゃんが大事すぎて恐れ多いなぁ」


「……? わたしを好きなの?」


「いやいや、そうじゃなくて……と、とにかく電気を消すよ? オヤスミー」


 やはり天然か。俺が意識しすぎただけのようだ。添い寝は寂しいからであって、そこに邪な思いなど皆無なのだ。よし、寝よう。


 こ、この背中に感じる感触は某お嬢様とは違いすぎる膨らみ! やはり残念なのは彼女だけだったのか。あいつにはもっと優しくしてやらないとダメだな。というか俺の背中にくっついてるとか、背中だけは非モテを卒業済みかよ。


「湊さん……本音を聞かせて」

「え?」

「池谷と鮫浜……どっちを選ぶの? ここまで密着してたらさすがに声は姉さまに届きません。だから、教えてください」


 届きません……って、そうか。俺の部屋も見られてるし聞こえてるのか。鮫浜セキュリティ完備か。


「俺が好きなのは――」

「……そうだと思った。でも、好きと付き合うは別だよ? それならきっと……大丈夫――んん……」

「へ? 寝た……の? ううむ、分からないな。別って何のことだろうか……」


 気づいてたら寝ていたわけだが、これは妹から起こされるシチュエーションを期待してますよ?


「……みなと、湊さん。起きてください」


「ん……んん? あ、あゆちゃん? じゃないよね」


「は? チカだけど? クローンでも何でもないので起きてくれる? わたしを学校まで送ってって」


「俺が?」


「他に誰がいるの? 仮でも何でも妹だよ。兄は妹を送り届けるのが当たり前でしょ? ほら、早く」


 そういう常識だったかな? まぁいいや。逆らうと本体が来そうだ。


「じゃあ、学校まで行くけどどっちかな?」


「えと、姫と一緒にお願いします……」


 同級生だったな、そういや。それも友達とか、姉同士とは違うな。


「高洲、朝帰り?」


「おはよう、姫ちゃん。帰ってないからね?」


「姫、おはよ」

「ん、おはよー」


 波長が合うらしい。二人とも身長は150㎝台だし、見てれば可愛いんだよな。そこに恋だの何だのは無いけど。


「行ってきますわ、お母様。あら? 湊? わざわざ迎えに来てくれるだなんて今日は槍でも降るのかしら? って、あ、あゆ……? 湊、あなたまさかあゆを泊めて一緒に寝ていたというの?」


「さより、鮫浜だけど鮫浜じゃないぞ? よく見てみろ」


「な、ナゾナゾかしら? 朝から頭を使わせるなんて、湊のくせに生意気だわ」


 チカちゃんはいつの間にか、俺の背中越しに隠れていてさよりを観察しているようだった。そして何故か姫ちゃんも隠れているわけだが、さよりをそこまで嫌うとかそれはあんまりだと思うぞ。


「姫ちゃんまで隠れてどうするの? しかも同じ玄関から出てきたでしょ」


「違う。高洲を出迎えたのはわたし。さよりは間を置いてから出てきた。高洲、もう少し頭を……」


 そうだったな。ほんの数秒だろうが数分だろうが、間があったな。何故朝から妹ちゃんに説教をされているのか俺は。


「時間が無いので、姫と学校行きます。湊さん、また」

「高洲、そこのさよりをよろしく」


「えっ、あぁ、うん。じゃあ、行ってらっしゃい」


 さよりがナゾナゾ? に相当考えこんでいるようで、妹ちゃんたちは呆れて勝手に行ってしまった。鮫浜の鮫浜。言い方の問題だったが、こういう所は賢くないのか。それにしてもさよりを見るだけで俺は――。

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