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それでも彼女は俺のカノジョじゃないわけで。  作者: 遥風 かずら
第八章:ダークネス エンジェル

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116.闇天使さんの妹は正直すぎるようです。


 ここにきて鮫浜のリアル妹が出て来るとか聞いてないよ? しかし彼女にほぼそっくりすぎる妹なだけに、下手なことは出来ないし言えない。そんな妹ちゃんをすでに夜になった状態で家に連れ帰った俺に、母さんは驚かなかった。


「タダイマ」


「おかえり、みな……と? その子はとうとう?」


「さよりの子じゃないぞ? いやあり得ないから!」


「何も言ってないじゃない。すでに聞いているし。鮫浜様のお子さんでしょ? 光栄ね~湊が世話をすることになるなんて、よほど気に入られたのね」


「鮫浜様? さま?」


「いつか来た鮫浜さんの子でしょ?」


「いや、そうだけど、子ってか妹だし。鮫浜が何様だって?」


「他人様でしょ? 何言ってるの? とにかく変なことしちゃ駄目よ」


「しねえよ!」


 何だ、そういう意味か。てっきりどこかの大金持ちの意味かと思ったじゃないか。妹のチカちゃんは無言を貫いていたが、俺の部屋に入った途端に甘えてきましたよ?


「湊お兄様、鮫浜チカです。ふつつかものですけど、お願いいたします」


「あ、これはどうも……ん?」


 その挨拶は不吉過ぎるんだけど、実は妹ちゃんが嫁とかいうオチか?


「チカちゃんは鮫浜に頼まれて俺の元に来たのかな?」


「違います。わたしも姫ちゃんみたく、湊お兄様のことが好きになっただけです。ファミレスにいた時に、姫ちゃんがキスをしていたところを見て、妬けちゃいました」


 なにこの子、可愛いぞ。いやいや、油断したら闇に呑まれるぞ。鮫浜のことを聞き出さなければ。


「えーと、それでチカちゃんはどれくらいあゆちゃんのことを知っているのかな? よかったら聞かせて欲しいなぁ……なんて」


「はい。お姉さまは全ての権限を持ってる人です」


「へ? 何とまぁあっさりと。権限? それはなに?」


「監視です。鮫浜は監視する側の人間なのです。だから一部を除いて、湊お兄様のことは常に見ていられるんです」


「おおぅ……それはまた恐ろしいことをあっさりと。監視対象になるほど下手打ったかな?」


「あゆお姉さまが気になったからです。一目惚れみたいです。だからここに……ぁ」


「一目惚れ……ほほぅ。そういうことかぁ。だとしても、あんな濃厚すぎるキスとか、オムネさんをあんな――ん? どうしたの?」


「わ、わたし、湊お兄様のお母様の所に行ってきます。さっきは挨拶してませんでした……じゃ、じゃあ」


「うん、行っといでよ」


 妹ちゃんは正直だったな。なるほど、監視が出来る鮫浜か。もしや大手すぎる警備会社のお嬢様か? それなら可能だよな。俺のあんな所やどうでもいい所まで監視出来るはず。なんてマニアックなんだ。


「――高洲君、良かったね?」


「え?」


 まるで気付かなかったが、鮫浜はすでに部屋というか窓から侵入して来ていたらしい。もしやそれでチカちゃんが慌てて出て行ったのか? 無言の圧力とかなかなか怖いな。


「警備会社じゃないけどね……でも、いつでもキミを見ることが出来るよ? 嬉しい?」


「俺は嬉しくないけど、あゆちゃんは嬉しいんだよね?」


「……ん。自称非モテの高洲君には、常に女の影があることも知っているよ?」


「非モテだよ? ずっと見ていて分からないかな。そりゃ最近はさよりとかシズとかと話はしてるけど、クラスの女子とは会話もしたことないぞ?」


「さよりを落とした時点で、非モテじゃない……分かってないのはキミだけ。庶民出身だろうが、今の池谷は庶民じゃない。その娘を高洲君はモノにしようとしている。その意味を?」


 モノ? 手中に収めたってことかな? さよりの心と姫ちゃんの心をって意味ならそうなるのか? しかし、それだけで非モテを脱出とか違う気がするが……。


「湊くん、私が欲しい?」


 おっと……それはどういう意味だろう? 身体だけ? 心も? いやいや、俺はやはり全てだろう。


「ほ、欲しいのはあゆちゃんの心だよ。キミは俺のことが好きって言っておきながら、何度も突き放してきただろ? 俺が好きになりかけてもそうだった。それだとさすがに諦めてしまう。それなのに何で今になってそんなことを聞いてきたり、近づいてきたのかそれが聞きたい」


「……」


 言い過ぎたか? しかし真面目に病み度が半端ない鮫浜を知るには、強めに言っとかないと同じことの繰り返しになるはず。


「――本当にいいんだね? 私を知ると、キミは私のように人間を嫌いになるかもしれないよ?」


「知らないと好きになることも難しいだろ」


「……そうだね、ふふっ。それじゃあ、明日学園で話しかけていい。そうすれば目に見えて分かるよ……」


「へ? あゆちゃんに話しかける? 返事は返してくれるんだよね?」


「うん、するよ。してあげる……」


「分かったよ。俺としても、好きになったキミを知ったうえで、どちらにしても告白をすることを決められそうだし、もし俺がキミを選ばなくてもそれでもいいかな?」


「……いいよ」


 ほぅ。ついに鮫浜を知ることが出来るのか。好きは好きだけど、俺の目的は彼女を作ることだしな。嫁は置いといても、身近な存在になりそうな彼女のことを知らないで、何が彼氏だよって話だし。


「高洲くん……明日から楽しみ、だね――」

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