被害者2人目 本日は殺人日和なり
俺は根っからの殺人鬼だ、自他共に認めるサイコパスと言えるだろう
「……く…殺……よ」
そんな俺が無罪放免?まぁ絞首刑が失敗した時点で釈放されるのは当たり前だが妙にあっさりし過ぎる
「はや……しな…いよ」
それに今も首から下がっているロープは良く見ると切れ込みが入っている、誰かに仕組まれていた可能性もある
「早く殺しなさいよ」
「うるせぇ!引っ込んでいやがれ!」
思わず後ろを歩く女をぶん殴る、顔に真っ赤なバラの花が咲かせてよろける女
「ふゃ…ふゃっとその気になったのね…」
この女はさっきまで俺の絞首刑に立ち会っていた執行人の一人であり、なぜか俺の言葉を聞いて殺されに来たイカれた女である
ちなみに俺が手を掛けるのはあくまでも【生にしがみつく奴】であり、死にたがっている奴を殺した所で何の欲求も満たされない
そんな一種のポリシーを持つ俺だか残念なお知らせがひとつある、それは長い間勾留中された事による欲求不満である
一種の禁断症状みたいなもので血が煮えたぎる感覚が体を駆け巡る、俺にはポリシーが…、でも…、贅沢は…アァァ…
モウコイツデモイイカ
振り返り様に裏拳を側頭部に強打する
女はもろに受け、そのままの勢いで横っ飛びし、地面に倒れる
そのまま流れ作業のように長い髪を鷲掴みにし、裏路地に引きずり込む
「痛い痛いたイタイ痛イいたいイたい!!」
先程も充分うるさかったがさらに耳障りな声で吠える女
腹部にフリーキックを叩き込む
顔から出る液体をすべて出しながらうめき声をあげているが、さっきよりはましになった
そのまま細い首に手を回して持ち上げる
輝いていた生命の灯火は最後に激しい抵抗をし、その生涯の幕を閉じる
そして生命という線香花火は俺に生きている実感を与えて消えていった
アァ…キモチイイ…
「あ、終わったかい?じゃあ免許証と執行証明書出してくれるかな?」
人が気持ち良く余韻に浸っている時に水を差された、不機嫌に振り向けばそこに警察官と大量の野次馬がこちらを見学していた
「今日は殺人予定の連絡来てないんだけどなぁ…、もしかしてフリーの依頼だった?その仏さんは大富豪さんなんだね」
すぐさま逆方向に走り出す、畜生あのくそ女のせいでまた逮捕されちまう!!今度会ったらぶっ殺してやるからな、覚悟しておけ
「あ!行っちゃったよ、逆上して無差別殺人に発展してくれたら俺も逝けたのにな…まぁそんなオプション付けてまでサービスしてくれないか」
白目を剥き、糞尿を垂れ流して転がる元人間の有機物を野次馬達が恨めしそうに眺めていた