3:作戦1.彼女を意識する!
次の日から、俺と生徒会長は
偽の恋人同士という事になり、
潔癖性を克服するための作戦を考えた。
「さてと。」
会長は生徒会室を自分の部屋と言わんばかりに寝っ転がった。
「な、なにしてんだよ。
そんなとこに寝たら汚いだろ。」
「じゃあ、起こして。」
「はい?」
起こしてって!ガキじゃねーんだから…
とりあえず生徒会長の手をぐいっと引っ張った。
「よいしょっと!」
そう言って俺は生徒会長を起こしてあげた。
すると、
「悠汰くん…」
と言って、俺に抱きついてきた。
「わっ?!や、やめ…」
生徒会長は何も言わず俺に抱きついている。
うわ…や、やべーって…
だんだん冷や汗が出てきた。
「バカね、演技に決まってるでしょ。」
「え?」
「ほら、私の事、抱きしめて。」
「へぁ?!」
思わず変な声が出てしまった。
だ、抱きしめる?!いきなりですか??!
俺はそーっと生徒会長の肩当たりに手を回した。
ギュッ…
…
…
な、
何がしたいのか…
「ふふっ、じゃーあー…」
生徒会長は目をつぶりながらこっちを見た。
「な、何?」
「決まってるでしょ、キスよ。」
「キッッッッ!!!?」
なんだってー((((あわあわあわッ
「さあ、早くして…。」
…こいつ、何期待してやがんだ…。
俺がそう簡単にするわけ…
『さ•も•な•い•と、あなたがこの間のテストの時に、職員室に忍び込んでカンニングペーパーを盗んでいたこと、校内放送でながしちゃうよ??』
あ゛ーーーーーーーー!!!!!!!!!!
なんてこった!
話の主導権はあっちにあるじゃねーかッ!
チックショーッ!!
…仕方ない。カンペをバラされたら
退学になるかもしれないしな。
しかもこいつは生徒会長だし、
こいつが言ったら先生は皆信じるだろう。
それはなんとしてでも避けたい。
ここまでの思考にかかった時間、
約1.4秒!!!
俺は態勢をビシッと整えた。
息を大きく吸ってー はいた。
よし!
生徒会長の肩をがっしり掴んだ。
そして
チュッ
かわいい音が生徒会室内に響いた。
アニメにでも出てきそうな音だ。
ああ、俺の唇がぁ…
そう思いながら生徒会長から離れた。
「ん?」
なぜかわからないが
生徒会長の顔が真っ赤になっている。
「あ、あの…」
なんか俺まで赤くなるー////////
「どうしたの?」
顔半分を手で隠しながら言ってみた。
すると生徒会長は横を向いて、
「…誰も口にしてなんて言ってない…ッ///」
「は…?」
俺はその夜寝込んだ。