1.呼び出し
「俺さあ、この間告白したんだけど
ダメだったぜー!
恋愛って辛いよなー。」
…とか、
「あたし、○○くんと付き合ってるの!」
「いいなー、あたしも恋愛したいー♡」
……とか、
何?その恋愛っつーのは。
胸くそわりぃ、その恋愛って、
今時そんなの流行ってないっつーの!
…え?みんなしてる?
は?まさか俺時代遅れかな。
でも恋愛って響きわりぃから
しなくていい。
俺の名前は山崎悠汰。
現在高校二年生。
実はというと恋愛にはいろいろトラウマが
ある…。
まあ、そんなことはどうでもいい。
今は恋だの付き合うだの…
なんか聞いててムカついてくる。
恋愛なんて良いところがどこにある?
どうせ別れるだのケンカだの
面倒なことになるんだから…
しなければいいのにな。
まあ、これは俺個人の意見だがな。
ある日、
「おーい、悠汰ー!」
「ん?」
俺の友達の
村岡紫苑に呼び止められた。
「おまえに用があるって人がいるんだ。」
「くそー、またか!またあいつ?」
あいつというのは先生のこと。
「いや、違うよ。今回は生徒会から
お呼び出しだ!」
「はーッ!?」
お、俺そんな悪い事したっけな…
「とりあえず、生徒会室に行ったほうが
いいかもな。
なんでも呼び出したのがあの美人生徒会長
らしいし。」
美人だって、あの人が。
でも一度も話した事無いし、
やっぱり俺なんかやらかしたんだ…
「よし、頑張れ悠汰!」
紫苑に背中を押され、
嫌々ながらも学校の端にある生徒会室に
向かった。
ゔ…
着いちゃったよ…
俺の目の前には『生徒会室』と
でかでかと掲げられた一つの教室が
立ちはだかっている。
恐る恐る手を伸ばし、ゆっくりと
ドアを開けた。
「し、しつれいしまー…す。」
するとそこには一人の女が
仁王立ちして俺を待っていた。