赤仮面
零下の森入口。
俺達がついたころにはもうすでにハク達はいた。ハクの他に赤仮面を付けた少年と、いつかのストーカー魔導師もいた。
『待たせたな』
『やっと来たな。ルールは昨日言った通りだ。行くぜ』
そう言うとハク達三人は零下の森に散った。
『よし。私たちも行くぞ。お互い健闘を祈る』
そしてハルは南側、デントは東側、そして俺は北側に向かった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
私は作戦通り南側、つまり一番入口から近いエリアへ向かった。
長身で鉈を持っている男…。この森に何かを狩りにでも来た時に迷ってしまったのだろうか。
十分ほど探したであろうか。地面の一角に足跡があった。その足跡は今回の迷い人であるレンジのものと思われた。
その足跡をたどって行く途中に何かが近づいて来たのに気がついた。後ろを振り返り剣に手をかける。
『おおっとそんなに怒らないで、怒らないで、春風さん』
後ろから赤い仮面をつけた少年が来た。こいつは確かハクの仲間だ。
『僕の名前はグルーだ。君と違って僕は有名じゃないからね、知らないと思うけど…。今回は僕らの名誉もかかっているから…じゃあ行くよ』
そう言うとグルーの周りに魔法陣が出現した。魔法陣からは黒い何かが流れ出しグル―はそれを操っている。刹那、グルーはその黒い何かをものすごい速さでこちらに向かってとばしてきた。身体を反らせながらギリギリでかわす。かわした私の後ろ側の大木がジュージューと音を立てて溶けだす。
『ふふふ。それは毒だよ。猛毒さ。触れたモノを溶かす毒さ』
『その忌まわしい仮面など破壊してくれるわ』
私は剣を抜くとグルーに向かって斬りかかる。横から水平に切り出した剣はグルーの身体を切り裂いたと思われたがグルーの身体はたちまち黒い毒に変わったためその場を離れた。
『…こっちだよ』
ズズズ…と音をたて、私の背後に地面から出てきて先ほど同様、毒の塊を投げつけて攻撃してきた。
『ポイズンブレイク!』
先ほどの毒より大きく、そして早い漆黒の毒が飛んでくる。
『春風カマイタチ!』
複数の風のカッターが漆黒の毒を切り刻みグルーの方に向かって飛んでいく。またもや風邪の刃はグル-を切り刻むのだがグルーの身体は毒と化し消えていく。
『…何度やっても同じさぁ』
グルーが出てくる場所が分からないためかなり厳しい戦いを強いられている。出てきては攻撃して、出てきては攻撃しての繰り返しでこちらのスタミナを減らすという作戦だろう。
『春風カマイタチ!!!』
カマイタチ自体は当たるもののまたグルーの身体が毒と化す。しかし、私はカマイタチを放った後剣を抜きながらグル-が毒になるのを見計らって剣で斬りかかった。
『サクラ斬り!』
グルーの身体が毒になる瞬間があいつの隙だとずっと思っていたがその通りであった。見事私が斬りかかった剣は風邪の魔力を纏いながらグルーの身体を斬り裂いた。しかしその代償として私の腕に漆黒の毒が少量付着した。焼けるように痛みが走りその部分は黒いしみとなる。
『ぐっ…。久しぶりに斬られたよ…。でも僕の毒の餌食になったみたいだねぇ。その量だと今日いっぱいだね』
そう言うとグルーは手を天に掲げると今まで以上に大きな毒の塊を作り上げた。
『降り注げ、毒の雨よ! ポイズンレイン!!!』
すると大きな毒の塊はグル-の合図により一気にはじけ飛び、グルーの周り一帯に毒の雨となって降り注ぐ。
かわしようがなくもろに毒の雨をくらってしまった。
『ウワァァァァァァアアアアアア!!!』
いたるところが焼けるように痛い。毒で全身が麻痺したようにしびれ始める。しかし、必死に力を振り絞り、やっとの思いで立ちあがった。服はいたるところが溶けてしまいボロボロで身体の各部分に黒いしみが出来ている。でも、グル-もだいぶ体力はないはずだ。
『…よく僕の毒を食らって立っていられるねぇ。すごいよ。だけどこの勝負、僕が貰ったね』
次で決める!!!久しぶりにあれをやるしかない!
グルーが消えるのを見はからって両手を合わせる。私の周りに風が集まり、それはしだいに大きくなり竜巻となった。桃色のその竜巻は全てを斬り裂く勢いで轟々とうなりを上げている。
ズズズ…。私はこの不気味な音を聴き逃さなかった。
『春嵐 春疾風!!!』
剣を振りかざすと私を中心に出来ていた竜巻はものすごい速さでグル-の方へ向かいグルーの身体を切り刻みグルーの赤い仮面は跡形もなく崩れ去ってしまった。
春の嵐が止んだ時にはどちらも立つことが出来ていなかった。
…意識が飛びそうな中、私の近くに誰かが近づいてきた。誰かはわからない。顔を見ようとしたとき、私は気を失ってしまった。
いかがでしたか?
次回はデントvs??




