長の息子
俺がジンクスのおかげで魔法が使えるようになってから早数週間、下級任務をやって行くなかで俺は珍しい蒼い炎の使い手という事で『蒼炎のスバル』という字がついた。
それまでは全く無名で、しかも魔法は習ったばかりなのにもかかわらず、このような名前がついた事には正直驚き、ものすごく嬉しかった。ハルとデントの二人にも誉められ役所内ではちょっとした有名人になってしまっていた。
その日も役所に行けば声をかけられ、少しいい気分になりつつ任務に出かけようとしていた。その時後ろから声をかけられた。振り返るとそこには見たことのない俺と同い年くらいの少年が立っていた。
『お前が蒼炎のスバル君か~い?この役所もなめられたもんだなぁ。なにせこんな弱そうなやつに蒼炎のスバルなんて字がついちゃうんだもん。笑えるぜ。』
さすがにこの言葉にはカチンと来る。初対面でいきなり何だ!そう思ったがハルもデントも顔をしかめるだけでなにも言わない。いつもだったらボコボコにしているはずである。こいつはそんなにもすごいヤツなのだろうか。
『まぁ、蒼炎のスバルって言うほどだからお強いんだろ?この街の長の息子であるこの俺と勝負しねぇか?仲間のかりもあるしなぁ』
長の息子?街の長ってことは魔法がものすごい強いってことじゃないか!その息子が俺に…?ハル達2人の顔をうかがうとうけろというような顔である。
『この勝負受けて立とう。ルールは?』
まわりがざわめく。長の息子はにやりと笑った。
『ルールは簡単だ。三対三でこの任務を受けて早く任務を達成できた方の勝ちだ』
長の息子の手には青い張り紙がありこう書いてあった。
「零下の森での迷い人探し」
先に迷い人を見つけた方の勝ちか。面白い。
『準備もあるだろうから明日のこの時間に零下の森入口で待っている。せいぜいがんばるんだな』
長の息子はそう言うと高らかに笑いながら役所を後にした。
『ハル、あいつ長の息子とか言ってたけど本当か?』
『あぁ。あいつの名前はハク。長の息子で氷の魔法の使い手だ』
『俺も学校で聞いたことあるけど長の魔法を受け継いでるって聞いたぜ』
そんなにすごいヤツだったのか!だが引き受けた以上やるしかないのである。
『ごめん。勝手に引き受けちゃって…』
『いや、誰でも初対面であんな事を言われたらむかつくって。俺もあいつぶっ飛ばしたいしな』
『ハクは相当強いと聞くぞ。その他二人のメンバーも誰だかは知らんがかなりの腕と聞く。気を抜くなよ』
今日はとりあえず任務をこなし家に帰った。明日に備えて作戦会議である。
『迷い人の名前はレンジ。特徴は長身で鉈を持った男性だそうだ。特徴は少ないから気をつけて探すんだぞ。それに森は広いから西側と南側は私、北側がスバル、東側をデントで手分けして探そう』
『二つも探して大丈夫か?』
たまらず質問してみた。西側と南側のエリアを探すとなると相当キツイ。
『大丈夫だ。何とかする。…きっとヤツらも別れて捜索をするはずだ。出くわしたらムリして戦わなくてもいいからな』
『そこら辺はこのデント様に任せとけって!』
『そう言うやつが真っ先にやられるんだ』
『やられねぇよ!!!』
『…まぁともかく、明日は頑張ろう。ハク達に私たちに勝負を挑んだ事を後悔させてやろう!』
気合いを入れなおし作戦会議は終わった。
心臓が高鳴るが今の俺には仲間もいれば魔法も使える。きっと大丈夫だ。そうやって自分を奮い立たせ眠りに着いた。
次回、白熱するバトルを3人分お送りしたいと思いますっ!




