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あなざーわーるど  作者: トム助
存在の証明
17/38

五年後

あれから五年の月日が流れていた

竜神の谷から少しばかり離れ、だんだんと氷の国特有の寒さが身を引き始めた所の山道…。その山道をひとりの青年が歩いていた。和を中心にしている動きやすい服装で足袋を履いており、笠地蔵がかぶっているような笠をかぶっているため顔は見る事が出来ない。おまけに腰には長剣がそえられている。


その青年の前に三人の盗賊が立ちはだかった。


『おい、兄ちゃん。雨も雪も降ってねぇのになんでそんな恰好してるんだぁ?』


三人のうち一人が言った。いかにも悪そうな顔をしていて、少し丸型のオヤジだ。他の二人も同じような容姿だ。


『おじさん、これはオシャレだぜ。最近のおっさんはダメだなぁ』


青年は盗賊のオヤジを挑発するかのように言った。


『あぁ?おっさんだぁ?てめぇ俺たちは盗賊だぞ!なめてんのか!!』


『盗賊?全然気がつかなかった。おじさん達太ってたからさぁ』


青年はまたもや盗賊達を怒らせるような言葉を吐いた。


『ふざけんな!てめぇみたいな青二才、ぶち殺してやる!!!』


そう言うと、盗賊のおっさん3人は腰の剣を抜いて青年に力の限り斬りかかる。三人はバラバラに斬りかかったがその三つの剣の刃先が青年に当たる事はなかった。


『おっさんたちそれでも盗賊?食ってばっかりで動ききれてないんじゃない?』


もう既に盗賊たちの怒りは頂点に達しており、幾度となく青年に斬りかかるも全く当たらない。盗賊達はイライラしていた。


『…もう、うっとうしんだけど。………突然だけどさぁ、おっさんたちは死ぬ事は怖いかい?』


青年は三つの剣をかわしながら涼しい顔で意味深な質問を投げかけてくる。


『ふっ、盗賊を何年もやってんだから怖いわけねえだろーが!』

 

盗賊は当然のように答える。そして盗賊達と青年は再び対峙した。


『じゃあ…殺しに行くよ』


青年は笠を少し指先で上にあげ、恐ろしいほど不気味な笑みを見せて言った。盗賊はかなり疲れていたが今の自分の怒りに身を任せ一人ひとり攻撃を仕掛けた。


1人目は剣を上に掲げ降りおろしてくる。青年は何食わぬ顔でその剣を横にかわし、そこから盗賊の横腹を殴った。いや、殴ったように見えた。青年の拳は盗賊の体にあたる前に、盗賊の腹はべこっとへこみ、吹き飛ばされて倒れた盗賊はぐてっとその場に倒れ、白目をむき、もう動く事はなかった。


2人目はその光景を見つつも殴った後の青年めがけて剣を横に寝かせて斬りかかる。青年は寝かせた剣を盗賊の頭に載せた手を支点にしてかわし、跳びながら盗賊の顔に回し蹴りを蹴りこんだ。またもや青年の足が当たる直前に盗賊の顔は歪み、とばされた盗賊の胸は動いてはいなかった。


3人目は斬りかかるのに躊躇したものの決意を固めやみくもに斬りかかってきた。青年は先ほどとは違い、腰の剣を抜き盗賊の剣をはじきとばす。無残にはじきとばされた盗賊の剣はカラン、カランと音をたてて地面に落ちる。それと同時に最後の盗賊も腰が抜けてその場に倒れこむ。


青年は剣の刃先を盗賊の首元に近付けるとこう言った。


『…おじさん、本当は死ぬの怖いんでしょ?』


『……こ、怖いです…』


盗賊は半泣きで答える。その恐怖はおぞましいものであろう。


『…それじゃあ盗賊をから足を洗って更生できる?』


『…出来ます。…し、します…』


すると青年は剣を盗賊の首から離しながら言った。


『俺はここらでは「竜人」と呼ばれている。「竜人スバル」だ。覚えておけ!』


青年が剣を鞘に納めるカチャンと言う音が響く。


『…は、はいぃぃぃぃいいいい…』


そう言いながら盗賊はおぼつかない足取りで逃げて行った。青年はその光景を全く見ず、笠を深くかぶり直し、再び歩みを進めた。


どうでしたか5年後のスバル君!


2章は修業を終えたスバル君を主人公に進めて行きます!


応援よろしくお願いします。

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