反撃は大筒の轟音と共に
徐々に回頭する戦艦マリハの様子を見たギタは喜んだ
「奴は横っ腹を見せたぞ!!突っ込め!!」
黒魔導士はその様子に不安がよぎった一体何をする気だ。
さっきミナムに攻撃を防がれたのも気なった。
ふと見るとマリハの船体から大筒が出てきた。
なんだ?あれは?そんな様子も気にせずただ突っ込め!!!と騒ぎ立てるギタ。
マリハの右舷がほぼ見え出した。
まずい。そう感じた黒魔導士は、左舷側に衝波を放った。
その勢いでがくんと船が速度を落とし船首を右に向けた。そのため、ギタ海賊団の一隻がギタの船より前に出た。その時だった。
「撃て!!」
轟音と共に大筒が火を噴いた。
その砲弾は、水上に水柱を立たせ、数発がギタ海賊団の1隻を直撃した。
大破して目の前で沈み始めるギタの僚船
「うわぁぁあああ!!」
その様子にビビり足を振るわせるギタ・・・
「急速回頭!!逃げるぞ!!」
急速に反転してる中、第2波が襲ってきた。
沈み行く僚船が盾となったが、一発がギタの船の船首に直撃し大破した。
その直撃と同時にギタの海賊船を飛び出した黒魔導士
くそ・・・なんてことだ・・・
下では、飛んで逃げようとする黒魔導士を見て
「く・・・黒・・魔導士・・さま!! 待ってください!!」
そう叫ぶギタの姿があった。
それを無視して黒魔導士は、いずれにせよミナムを確認せねば・・・そう思い戦艦マリハへ向かった。
一方、遠目からベッツィー艦隊を包囲しつつあったクリオ海賊団は、この一瞬の出来事に動揺した。
一瞬で船が沈んだぞ!!
あれは、一体何なんだ?そう疑いつつもクリオは徐々にその包囲を縮めていた。
「船長!!ギタが・・」
「わかっとる」
逃げやがって・・・そうつぶやいたクリオは、ギタが逃げていく方向を見ていた。
マリハ艦上では、ギタの船が逃げていき、包囲網の一角が崩れたのを見て見張りが叫んだ。
「ギタの船が逃げていきます。」
「艦長」
「針路をギタの船に向けよ。この針路でこの海域から逃げる。面舵一杯!!」
「面舵一杯!!」
その矢先だった。
「艦長!!あれ!!」
マストに黒尽くめの男が立っていた。
「何奴!!」
そう叫んで真っ先に出て行ったのはソウシだった。
しばらく、ソウシを見た黒魔導士は、
ソウシか・・・
そう思いながら横にいたミナムを見つけた。
あいつか・・・