焦る黒魔導士
ミナムが投げた砲丸が、ギタの船の左舷船首に直撃した。
その頃、船首についた黒魔導士は、砲丸の直撃を目の当たりにした。
バキ!!!
木が砕け散る音共に左舷船首上部に大きな穴が開いた。
穴がいたしばらくじっと見つめる黒魔導士
「くそ!!!」
黒魔導士は、腰の剣を抜き両手で構えた。
そして、
「双竜波!!」
そう叫んで刀を振り下ろした。
マリハの船首にいたミナムは、ギタの船を指差し
「ほら。あれ」
「えっ?」
「砲丸だと穴が・・・たしか、大筒って対魔シールド効かないんだよな」
「えっ?」
ベッツィーが納得した瞬間だった。
ギタの船船首から閃光が放たれ。2体の竜となってマリハに向かってきた。
「ミナム殿!!」
「えっ?」
その閃光を見てミナムは慌ててベッツィーの前に出て盾を向けた。
そして、2体の竜となって襲ってきた閃光は、ミナムの盾に直撃した。
まばゆいばかりの閃光がミナムを包み、轟音が鳴り響いた。
そして、その輝きでミナムがしばらく見えなくなっていた。
「ミナム!!」
「ミナム殿!!」
そう叫ぶが近づけないカーネルとソウシ・・・
光が徐々に小さくなっていくのを確認していた黒魔導士
「やったか?」
そうつぶやいて振り向こうとした瞬間わが目を疑った。
ミナムが盾を持って立っていたのだった。
「何!!」
ミナムの後ろに隠れていたベッツィー後ろを振り向いたミナムと顔を見合わせる
「ミ・・ミナム殿」
「大丈夫ですか?」
「はい。」
「早く艦橋に戻ってください」
「わかりました。」
ベッツィーが艦橋へ戻るとギタの船は近い距離まで迫っていた。
「島の右側から海賊船5隻」
やはり・・・
「右舷側で総攻撃を加える。大筒準備」
「大筒準備!!」
「魔導士隊、整列!!」
「は!!」
「取り舵一杯」
「取り舵一杯!!」
ベッツィーは前の3隻を呼び指し叫んだ。
「船が真横を向いたら一斉攻撃」
「はっ!!」