夜明けの会戦
一方、ベッツィー率いる艦隊は、ダイズ諸島まであと2時間くらいのところにいた。
「各艦に伝えよ。敵だ待っていると」
「はっ・・・」
前日の夕刻、マリハ艦上にはミナム・カーネル・ミヌと相変わらず調子が悪いソウシ
の姿がそこにあった。彼らの姿を見つけたベッツィーは、ゆっくりと近づいてきて
「明朝には海賊と遭遇するでしょう。」
その言葉に驚く4人、そんな中でソウシはしんどそうに聞いた。
「なぜ?」
「ダイズ諸島は、クリオ海賊団が拠点としているところだ」
「そうでしたか。」
「とりあえず、今は休んでください」
水平線が徐々に白く明るくなる薄明の頃、ベッツィー率いる艦隊はダイズ諸島に差し掛かっていた。
そんな時だった。右の島影から突如、衝波が飛んできた。
「艦長!!大きな衝波が近づいてきます。!!」
「何!!!面舵一杯!!直ちに対魔シールドを!!」
ズシーン!!!
衝波はマリハの船首をかすめた。
「よし、かわした」
「海賊船を確認」
「それで」
「船影 3 こちらに向かって突っ込んできます」
ベッツィーの眉がぴくっと動いた。
「3隻だと。」
「敵に船首向けよ!! 全速前進、右舷攻撃用意!!コウア・セツに伝令 縦陣で行くと」
敵に右舷側を見せたベッツィー艦隊は、攻撃しつつ右旋回しながら徐々に船首を海賊船のほうへ向けた。
「ようし!!!このまま突っ込め!!」
「ほう・・ギタの奴、うまくやっている」
にやりと不適な笑みを浮かべたのはクリオだった。
この時、ミナム達もこの響きと共に目を覚まし、甲板に上がって驚いたすでに衝波の撃合いが始まっていた。
「始まっているぞ!」
「ミナム殿!!こちらへ!!」
外に出たミナムを呼び戻そうとするソウシ
入り口の方を見たミナム
「剣と縦をくれ!!」
「はい!!」
ミナムの方に剣と縦を持って行くカーネルとミヌ
「行くぞ!!」
艦橋では、一隻の海賊船がダメージを受けていないことに気付いていた。
「艦長・・・あれは?」
「対魔シールドか」
「そのようで。」
その時だった左舷の見張りが声を上げた
「艦長!!左舷から船影5隻確認」
「艦長!!いかがなさいます。」
「挟撃か?いや。多分、もう5隻いるはず・・・すれば・・右舷側の島の右端からか・」
「多分」
「見張りに伝えよ。島の右端をよく監視するように」
「艦長、針路は、?」
「まず、前の3隻を叩く!!超弩弓を」