静かな船出
オイオイを出港して一時間程、戦艦マリハは、マリハ灘を航行していた。
しばらくして、メイジを出港した戦艦コウア・セツと合流した。
その後ろを密かに追いかける海賊船がいた。その船には、副長カイソンを中心に
親父であるスクィニーの仇をとるべく集まったスクィニー海賊団の残党たちが乗船していた。
海賊船を発見したコウアからマリハに連絡が入る。
「戦艦コウアから着信・・スクィニーの海賊船が本艦隊を追撃中」
その報告を受けた副長が艦長ベッツィーに聞いた。
「艦長いかがいたします?」
そこへ別の着信が入った。
「彼らは、スクィニーの敵をとるため、海軍に協力するといってきています。」、
「そうか・・・ならば・・・ほうっておけ」
「は・・・」
その頃ルーシーの元から戻ってきたギタは、先の会戦に参加していない合流した2隻の海賊船と共にクリオのところにいた。そこで先の会戦についてクリオに説明していた。
「何!!、スクィニーが裏切って海軍の見方をしただと?」
ギタの言葉に半信半疑のクリオ
「そうなんです。アッシも左手と引き換えにスクィニーを倒したんでさ~」
「それで?俺にどうしろと」
「海軍の奴らは、確実にビキニに向かっている。だから俺たち3席と共同でたたかねぇか?」
「で?ルーシー様は?」
「賛成でさぁ~」
ギタがそう言った時、クリオの副長が耳打ちをし、内容を確認しうなずくクリオ
「それは、真か?」
「はい・・」
クリオはギタのほうを向いてこう言った。
「わかった。」
「それはありがたい。」
「そうだ、情報では海軍の軍艦は3隻だそうだ。お前らはスクィニーのあだ討ちがったな。
先鋒をまかせる」
「そ・・・それは・・・ありがたい・・」
こうしてクリオ海賊団の協力を得たギタだったが、不安で一杯だった。
3対3か・・
そう考えていると黒ずくめの魔導師が声をかけてきた。
「どうした・・・ギタ」
「黒魔導師様・・・」
不安そうな顔を見せるギタ
「敵は・・・あのベッツィーだ」
「それが?」
「船を真っ二つにした奴だ。」
「それで?」
黒ずくめの魔導士の言葉に苛立つギタ
「あ~!!どうしてあなたはそんなに冷静なんだ?」
ギタはそう叫ぶと頭を抱え座り込んだ。
「俺の対魔シールドであの程度の攻撃は防げる」
黒ずくめの魔導師の一言を聞いて、飛び上がるギタ
「本当か?」
「ああ・・」
「そうか・・よし、これであのベッツィーを血祭りにしてくれる」
そう言って、ギタは部下のところに行った。
あいかわらず単純なやつだ・・・不敵な笑みを浮かべる黒ずくめの魔導士
しかし・・・あのミナムって奴は、一体何者なんだ?
部下のところに着いたギタ、右手で剣を抜き天をかざした。
「もうすぐ海軍が来るスクィニー船長のあだ討ちを取るぞ!!!」
「おお!!!」
こうしてギタとクリオ海賊団はマリハとビキニの国境にあるダイズ諸島に隠れ海軍を待ち伏せていた。