それぞれの想い
ベッツィーに呼び出された場所に着いたソウシ
「ベツィー殿なにか?」
「ソウシ殿・・・これ」
ベッツィーは一枚の図面を見せた。その図面を見てよくわからないソウシ
「これは?」
「大筒だ」
「大筒?」
「これを今回のドックで艤装したんだ。」
にっこりとしているベッツィーにソウシが話しかけた。
「これは、どんなものだ?」
「そうか・・・これは、ギオンが使っている鉄砲を大きくしたやつだ。投石器で鉄球を投げる代わりになるんだ。」
「それが?」
「投石器は、威力を増すために魔法を使うだろう。」
「そうだが・・」
「これには必要がない。」
「どういう意味だ。」
「ちょっと来てくれ」
そう話をしてベッツィーはソウシをある場所に連れて行った。そして、大筒の威力を見せた。
「こ・・・これは?」
「そう・・・これが大筒の威力だ。しかも対魔シールドも効かない」
「対魔シールドも?。これがあれば・・・」
そういうソウシにベッツィーは冷静に
「しかし、こいつはかなり重い。だから簡単に移動できない。」
「でも・・・これが戦線に投入できると」
「確かに、その通りなのだがギオンも同じものを持っていると聞く」
「じゃぁ、どうすれば・・・」
「そこが課題だ。」
一方ギオンでは、硬直した戦況を打破すべく大筒をアスケ原に配備しつつあった。グレースは相変わらず消耗戦を仕掛けていたからだった。
「これで、グレース軍を一網打尽に出来る」
「しかし、奴らは城にこもって出てこんぞ。」
「いっそのこと、大筒を城の手前まで持っていけば。」
「馬鹿なことを、奴らはそれを待っておるのだ。うかつなことは出来んぞ。」
一人宿に戻ったソウシ、さっきの大筒のことを考えていた。相当重いらしいな・・・
ふと目の前をミナムが通っていった。ミナム殿なら持てるかも・・・しかし、勝手につれてくるわけもいかんし・・・
ミナムは、何やらミヌと話をしていた。
ジーッとミナムの姿を追うソウシ・・・
「クォンが治ったって・・」
「そうか・・じゃぁ・・帰ったら乗れるかな?」
「乗せてくれるかしら?」
「そんなことないさ・・」
ソウシは視線を下げ再び大筒のことを思い出していた。
いや・・・ベッツィー殿に話して見よう。
そう思い顔をあげると目の前にミナムがあった。
「うあ!!」
「ソウシ殿、何驚いてるんですか?」
「あ・・いや・・・別に・・・急に目の前にいたもので」
「そうですか・・・じゃぁ・・」
そう言ってミナムは去って行った。知らず知らずミナムを目で追いかけるソウシ。
しばらくして、われに返ったソウシ、そうだ・・・ベッツィー殿と話さねば・・・そう思っているとカーネルが声をかけてきた。
「ソウシさん」
「カーネル殿・・」
「ソウシさん・・らしくないですね」
カーネルの言葉に鋭い目つきに変わるソウシ
「なにが・・ですか・」
「ミナムに驚くなんて。」
「あ・・・それは、考え事をしていたから・・・」
「考え事・・・ですか」
今日は妙に絡んでくるな・・・そう思うソウシ
「ところで、これが終ったらミナム殿と結婚するそうですね。」
ソウシの思いがけない言葉に逆に驚くカーネル
「な・・なぜ・・・それを?」
「ミナム殿から聞いた」
「そうですか。」
「式には呼んでくださいね。」
そう言ってカーネルの肩をポンと叩きソウシは、その場を離れた。
そこへミナムがやってきた。
「カーネルどうした。」
プイと横向くカーネル
「知らない」
そう言い残しカーネルもその場を去った。
ミナムがそっとカーネルの方へ行ったのを影から見ていたミヌ
そして、私じゃないんだ・・・