消えた二人
オイオイ飯店を出た二人・・・しばらく歩いて湾内のある岸壁にいた。そこは、改進橋と言う対岸の海軍工廠へ渡る浮き桟橋が見える場所だった。
二人は月に照らされたその海を見ながら、とある一角に座り込んでいた。
「カーネル・・・」
その雰囲気に身を任せたい・・・そう思うカーネルにミナムが話しかけた。
「カーネル・・・この戦いが終ったら・・・正式に結婚しような・・・」
「えっ?」
「ミヌのことは、俺にまかせて・・・」
ミヌのこと?彼女を抱いておいてどうするつもり?そう思うカーネルだったが・・・ミヌのことは、私にも問題が・・・
そう思い返すカーネル・・・
「まかせるって?」
「この戦いが終ったら、俺がはっきりさせるから・・・」
その言葉を聞いたカーネルは、しばらく、ミナムを見つめた。
カーネルを見つめなおすミナム・・・
カーネルは、ただ、ミナムを見つめ固まってしまった。
え・・・この顔は?・・・ひょっとして・・・カーネルの期待が募っていく・・・そこへミナムの顔が近づいてきた
ひょっとして・・・・カーネルの胸の鼓動が高鳴る・・・・
え~!!!顔が近い・・・てば・・・そう思っていると唇が重なった。
・・・・・
月夜の明かりの中、二人はあの契りを結んで以来のキスをした。
うわ~・・・うわ~・・・・・
カーネルの心臓は、契りを結んだ時より、はるかに爆発寸前だった。
そして、二人は月明かりに照らされた海を見て、しばらく寄り添って座っていた。
無言で歩く二人・・・
そのままミナムの部屋に・・・・
カーネルが目を覚ますと横にはミナムの寝顔が・・・
こんな幸福が・・・
昨日のことを思い出す・・・・
ミナムの腕の中の記憶を・・・
カーネルは幸福に浸っていた。
そんな時にミナムが目を覚ました。
「おはよ・・」
「おはよ・・」
布団の中、掛け布団で顔の半分を隠すカーネル
「よく眠れた?」
無言でうん・・うん・・・と二回うなずくカーネル・・・
う~ん・・・しあわせ・・・
そう思っていた・・・・しかし、ふと我に返ったカーネルは、慌てて布団から出た。
無言で・・・・わたし・・・・もどるから・・・
こうして、ミナムの部屋を後にしたカーネル・・・
幸せ一杯の気持ちで廊下を歩いていると、
「カーネルさん・・・」
ミヌが呼び止める声が・・・カーネルが振り返るとそこにはミヌが立っていた。
「ミヌ・・・」
「ミナムさんと?」
「・・・・・」
「そう・・」
ミヌの言葉に返すことが出来ないカーネル・・・・その時だったソウシは二人を見つけ思わず身を潜めた
「カーネルさん・・・私・・わかっていたの・・・だけど・・・」
「だけど・・・?」
「今のままでもいいの。」
ミヌの言葉に驚くカーネル・・・何うそ言ってるの?普通自分のものにって・・・そこへミヌの言葉が重なった。
「ミナムさんの力になりたかったの。ただ・・・ただ・・・それだけなの・・・」
「ミヌ?何に言ってるの?」
「・・・・」
ミヌは今にも泣きそうな顔をしていた。それをこらえカーネルの質問に答えた。
「わたしは・・・」
「何言ってるの好きなくせに!!」
しばらく、無言のミヌ・・・そしてソウシはその言葉に動揺した
何故私が動揺する?
一方ミヌはただ俯いて黙り込んでしまった。
そこへベッツィーがやってきてソウシに話しかけた。
「ソウシ殿!!」
びくっとなり固まるカーネルとミヌ・・・
何故?ソウシがここにいるの?
そう焦る二人だった。
「ソウシ殿、これからミナム殿のところに行くがどうか?」
「左様ですか?ならば一緒に参りましょう」
そう言って二人はミナムのところに向かった。
ベッツィーとソウシがミナムのところに行くと知った二人は慌てて、ミナムのところに向かった。しかし、すでにベッツィーとソウシはミナムの部屋に入っていたところだった。
「まあ・・・座ってください・・」
ミナムがそう言った時だった。
「ミナム」
そう言ってミナムの部屋に飛び込んできたカーネルとミヌ・・・二人は勢い余って、これから座ろうとしていたソウシだけをミナムのほうへ突き飛ばした。
「わっ!!」
「え?」
ミナムが振り向くとソウシが目の前に飛んできた。
ドン!!!
飛ばされたソウシはミナムを巻き込んで荷物がおいてあるところへ倒れこんだ。
「いたたた・・・」
そういって起き上がろうとするミナムの上には、ソウシが抱きついていた。
「すまぬ・・・」
「いや・・・カーネル!!ミヌ!!」
その時だった。ミナムの荷物の中にあったノートパソコンが輝きだした。
「まずい・・!!!」
焦ったカーネルとミヌだったが、気がつくとミナムとソウシの姿が消えてなくなっていた。