オイオイにて
京では、ミナム達がマリハ沖会戦で、スクィニー海賊団の船長スクィニーを倒し6隻の内4隻を沈めたと報告が入ってきた。その報告に沸く京の人々は、ギオン独立以来久々の大勝利に酔っていった。それを気に食わないミカドがそこにいた。そして、海軍大臣が直立不動で報告をしていた。
「陛下、今回の会戦は、戦艦マリハの活躍で・・」
「そうか・・・」
「スクィニーを倒したのは、ベッツィーです。」
「ベッツィーか・・・最年少艦長の・・」
「は・・」
「そうであたったか。今回の海軍の働き、大儀であった。」
「ありがたきお言葉・・・」
一方、ドックに入った戦艦マリハの艦長以下、全ての乗組員はオイオイの町に繰り出していた。ミナム達は、艦長ベッツィーから説明を受けていた。
「マリハの修繕には約10日間かかります。その間、ここオイオイに止まることになります。その間、十分に休養をとってください。」
「そうですか・・」
「ところで、ソウシ殿は、大丈夫ですか?」
「ええ・・・まぁ・・・何とか・・・」
「そうですか・・・」
「それでは、ごゆっくりと・・」
そういい残して、ベッツィーは去っていった。指定された宿の戻ったミナム達、オイオイ飯店にて食事を取っていた。
「10日間の足止めか・・・」
「そうですね。」
「ソウシさん・・・これからどうなるんですか?」
「たぶん・・・マリハに乗ってルーシー海賊団との戦いになると」
そこへベッツィーが入ってきた。
「何の話ですか?」
「ルーシー海賊団とのことですよ。」
「そうですか・・・今回の戦いで6隻の海賊船は使用不能に・・・しかし、マリハ沖にはまだ4隻の海賊船が残っています。」
「ということはこいつらをやらないと次にいけないってことか・・・」
その言葉を聞いたベッツィーはにやりとして、
「このうち3隻は。無視してもよいでしょう。」
「それは?」
「スクィニーの部下だった3隻はたぶん今回の件でギタを敵にするはず・・・」
「じゃぁ・・・1隻をやればいいんか?」
ソウシの言葉にしばらく黙り込むベッツィー
「いや・・・ギタは・・・今頃ルーシーのところだろう」
「じゃぁ・・・ルーシはマリハ沖に来るってこと?」
「今こられたら一たまりもありません。たぶんクリオが出てくるかと・・ところで」
ミナム達を見回したベッツィーは頭を下げた。
「この間は、助けていただきありがとうございました」
「いや・・・お礼なんて・・」
そう答えるミナムを見て
「ところで何故わたしをあの部屋へ?」
「ベッツィー殿が女性だったから・・・確か軍医・・男だろう?」
ふとあの時のことを思い出したベッツィー・・・
服がはだけて・・・・キ・・ス・・・?
顔を赤らめ少しうつむき黙ってしまった。
まずい・・・そう思ったソウシが
「ところで?黒ずくめの魔導士を見ませんでしたか?」
「黒ずくめ・・の魔導士?って」
「ギタについていた魔導士です・・・」
「何故・・そんなことを?」
「いや・・・気になったもので・・・特に、ギタの対魔シールドが気になったもので・・・」
「確かに・・あのシールドはすごかった。けど」
「けど?」
「何故ミナム殿の攻撃は防げなかったのでしょうか?」
その言葉に驚くソウシ・・・
「それは、まことか?」
「ああ・・ソウシ殿、ギタはミナムのなぜか・・・攻撃を防げなかった」
そこへミヌが口をはさんだ。
「ひょっとして?対魔シールドって、魔力で増幅した攻撃を防ぐものですよね」
「そうですけど・・・なぜ?」
「実は、ミナムには、ある魔法をかけています。」
「それは、初耳だな?」
ミナムがそういうとミヌは慌てて、言葉を濁した。
「あ・・いや・・・・」
それを見ていたカーネルがミナムに耳打ちをした
「ミナム・・・・ちょっと・・・」
「なんだい・・・カーネル」
「ちょっと・・・こっちへ」
こうして二人はその場から出て行った。
「ところでさっきの話ですけど・・・」
そう話を戻したのはそうしだった。
「ミナムには、魔法をかけています。私とカーネルの二人で・・」
「一体どんな魔法?」
「力を抑える魔法・・」
「力を抑える魔法?」
「そう・・ミナムの力を抑える魔法です・」
「ミナムの力を抑えるって?」
そうか・・・力を抑えるから対魔シールド効かなかったのか・・
その頃ミナムはカーネルとふたり・・・月夜に照らされていた。