戦のおわりに・・・
残されたギタの仲間たちは、大慌てで、海賊船に乗り込み脱出した。
そんな混乱の中、ミナムはソウシが倒れているのを見つけ駆けつけた。
「大丈夫ですか?」
声をかけるが反応がない。そこへ、カーネルとミヌが
「あそこから落ちて・・・」
「そうか・・」
そう言ってミナムはソウシを抱き上げようとする・・
それを見て、嫉妬するカーネル・・・
そこへソウシを見ていたミヌが話した
「ミナムさん・・大丈夫ですよ・・・たぶん打撲だけだと・・」
「しかし・・・脇から・・・」
「これは魔法で直せるから・・わたしたちの船室へ連れて行きましょう」
こうしてミナムはソウシを彼女らの船室へ連れて行った。
一方、スクィニーはまだ生きていた・・・
しかし、もはや虫の息だった。
呼吸するのも困難な状態で
苦しみながらも・・・
「よくやった・・・よくやった・・・」
そう何度もつぶやいた・・・・
それを聞いていたベッツィーは次の言葉に驚いた。
「わが娘・・ベッツィー・・・よくやった・・・」
「えっ?」
スクィニーの言葉に驚くベッツィー
「スクィニー・・・今なんと・・・」
もう声が出ないと悟ったスクィニーは懐からある首飾りを出した。
ベッツィーはその首飾りに見覚えがあった。それはベッツィー自身が持っていたものと同じだったからだった。
「こ・・・・ごふっ・・・・こ・・・れ・・・を・・」
そういい残し、スクィニーはこの世を去った。
「船長~!!!」
そう泣き叫ぶスクィニー海賊団たち・・・・
そこへ、ミナムが戻ってきた。
「どうしたんですか?」
「スクィニーが今亡くなった・・・」
そう・・・さびしそうに語ったのはベッツィーだった・・・
今まで、親父の仇・・・・そう信じてきた・・・・しかし・・・
今度こそ・・・あの・・・ギタを・・・
そう心に誓っていると・・・・
「ベッツィー様・・・お願いがあります。」
そう言って土下座をする海賊達・・・・
「なにか・・・」
「船長の亡骸を持っていっても・・・・」
「しかし・・・・」
「頼む・・・海賊とはいえ俺たちのおやじなんだ・・・・・」
その言葉に胸が痛むベッツィー・・・そうか・・・こいつらにとっては親なんだ・・・
「わかった・・・」
「艦長!!!」
そういう副長に手で制したベッツィー・・・
「あと・・・もうひとつお願いがあるんだけど・・・」
「まだ・・・あるのか・・・あまりへんなことを言うと・・・さっきの約束はなしにするぞ・・・」
海賊達はしばらく固まった・・・しかし
「俺達も・・・あんた達と一緒に行動させてくれ・・・足手まといかもしれないが・・・」
「それは・・困る・・・」
「いや・・・ただ・・・ちゃんと・・・離れて・・行くから」
「なぜだ?」
「船長の敵をとりたいんだ。ギタの奴・・・」
「そうか・・・しかしお前らの船もひどい状態だぞ・・・」
「それは・・・」
そこへ副長がボソッと言った
「マリハの沖島に民間ドックがあるます・・・艦長」
「そうか・・・」
「えっ?」
二人の会話に驚く海賊たち
「民間のドックに入るのは自由だしな・・・」
「艦長・・・われわれの管轄外ですし・・」
顔を合わせ喜ぶ海賊達・・・・
「ただし・・・今度、へんなことしたら・・即、沈めるからな・・」
「ありがとうございます。」
そう言って海賊達は、スクィニーの亡骸と共に1隻残った海賊船に戻っていった。
「艦長・・・」
「副長・・・かなりやられましたな・・・」
「そうだな~・・・」
そこへミナムが話しかけた
「これからどうされるのですか?」
「ミナム殿か・・・これから・・・メイジではなく、オイオイへ向かいます」
「オイオイ?」
「艦を修理するドックのあるところです・・・」
そう言ってベッツィーが倒れこんだ。
「艦長!!!」
「ベッツィー殿!!」
慌てて支えたミナム・・・・ふと背中に手を回すと血がべっとりとついていた
「副長・・・後はたのむ・・・」
ベッツィーが副長に話しかけると・・ミナムがひょいっとベッツィーを抱えあげた・・
その様子を見た副長は
「ミナム殿・・・医務室へ・・・後は私がしますから」
その頃、ギタは、船に揺られ航海している中、気がついたそして、自分の左手の激痛に叫んでいた。
くそ・・・あの・・・やろう・・・今度あったらただじゃおかねぇ・・・
数日後
ギタはルーシーの前にいた。
「なに? スクィニーが死んだと・・・」
驚くルーシー
「しかも奴は、裏切ったんですよ。だから・・・私が左手と引き換えに奴を殺りました・・・」
「そうか・・・ご苦労だった・・・」
ギタを追い払ったルーシーは、しばらく無言で海を見ていた。あのスクィニーが裏切っただと?
ギタの奴・・・今は・・・生かしてやる・・・
「ルーシー様・・・」
「なんだ・・」
「やはりマリハと交戦したようです・・・」
「マリハだと?」
「艦長は、ベッツィーです。」
その言葉を聞いて、なんとも不思議な縁よのう・・・あの・・・ホーリーの息子か・・・