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リーマンクエスト  作者: Seabolt
南海での出来事
73/201

夕暮れの海・・・マリハ沖会戦


艦橋に立つベッツィー、視線の先には三隻の海賊船、


「艦長、海賊船3隻、本艦の真正面、距離約2マイル・・・中央にスクイニーの艦・・・」


「よし、全速前進、魔導師を左舷に配備、船首を風下に向けるぞ!!距離1.5マイルで舵を右に取れ!!」


漕ぎ手が必死の形相でオールをまわしていた。


「敵までの距離、1.5マイル!!」


「面舵一杯!!」


「面舵一杯!!」


マリハの針路が徐々に右に変わっていく・・・




一方、スクイニーの方では船首が左に変わっていくマリハの姿が見えた。


「船長!!マリハが左に変わっていきます。」


「そうか・・取り舵一杯!!」


スクイニーはにやりと笑った。


「戦闘準備!!戦闘員は右舷に集まれ!!」



「艦長、海賊船3隻とも船首を右に向けました。本艦と併走する模様です。」


「そうか・・・」


その時だった。ミナムとカーネルが船橋に上がってきたのは、それを見つけたベッツィー


「ミナム殿・・・ここは、危ないので、右舷側へ退避してください。」


「えっ・・でも・・」


「ミナム殿、私がこの艦の艦長です。私の言うとおりにしてください。」


「はい・・・」


ミナムとカーネルは船員につれられしぶしぶ右舷側の開いたスペース待機した。


「なによ!!せっかく応援にきたのに、どう思うミナム!!」


「まあそう焦るなよ」


「だって、腹が立つじゃない」


「まぁ・・そうだけど、俺たち船での戦い方なんて、まったくわからんし。」


「そうだけど・・」


もうっ・・しかたないかとため息をついた


そして、カーネル座っているミナムを見ていたがふと視線を上げると


その先には、なにやら棒状のものが・・・水平線から出ていた。


「なに!!あれ!!」


「えっ・・・カーネルどうした?」


「あれよあれ!!」


カーネルの指差す先にはマストの先端が徐々に水平線から映えてきた。


その頃、船橋のベッツィーにも右舷に海賊船を発見との報告が入った。


「くそ・・・もう1隻・・いや・・2隻いたのか・・」


徐々に迫ってくる海賊船・・・やがて戦艦マリハの左舷には3隻・・・右舷には2隻の海賊船が併走しつつあった。


「海賊との距離、約1マイル・・・」




一方、スクニィーは、不敵な笑みを浮かべ・・・


「まもなく包囲完了です。」


「そうか・・・完了次第、一気に叩くぞ、そして、ミナムとやらの首をとるぞ!!」


「おう!!」


スクィニーの号令に一同呼応した。



ベッツィーは帽子をかぶり直した。


「よし!!帆走用意!!」


「えっ?か・・艦長」


驚く副長を尻目に


「ここで一気に速度を上げってスクィニーの前に出る」


「わかりました。帆走用意!!取り舵用意!!」


「敵までの距離0.5マイル!!」


その報告が入った瞬間


「撃てっ!!」


双方の船から衝波飛び交いだした。


「攻撃が始まった!!」


そう驚くミナム


「あっ!!」


衝波の一部がミナムをかすめた。


「大丈夫?」


心配するカーネル


「大丈夫だ!!」


「もう!!よくもやったわね!!」


カーネルは、思いっきり衝波を放った。




パシューン!!





次の瞬間、海賊船マリハの右舷側にいた海賊船1隻にカーネルの放った衝波が直撃し船首から煙が上がった。

そして、その海賊船の左舷船首が大破した。



一方少し前、戦闘が始まり不利な状況下、船橋にいたベッツィーに報告が入った。


「右舷側、魔導師負傷者多数・・・左舷側・・何とかこらえている状態です。」


その時だった、右舷側から想像をはるかに超える光の矢が放たれ、海賊船の1隻に直撃、左舷船首を大破させた。


その光景を見ていたベッツィーはわが目を疑った。衝波で船が大破するか?・・・


その報告を受けたスクィニー・・


「えっ? 大破しただと・・」


「4番船は戦線を離脱するとのことです。」


「そうか・・・」


一体何が起きた?そう怪訝な顔をしたが、戦闘が激化していき、


まだ帆をはれない状態のマリハを見て・・・


「はやく・・近づけ・・・そして。乗り込むのだ!!」


そう号令するスクィニー


両者とも魔導士による衝波攻撃、投擲機による鉄球、そして、弓矢の応酬を繰り広げていた。


しばらくして、カーネルの攻撃を受けた海賊船は沈没した。


「4番船・・轟沈・・・」


その報告を受けたスクィニー


「なに~!!どういうことだ!!」


「右舷に恐ろしい魔導師が一人いるようで・・」


「たった一人の魔導師だと」



衝波を打ち続け疲れたカーネル。今度は別の船からカーネルあたりへ衝波を集中して打ってきた。


「きゃ!!」


おもわずうずくまったカーネルふと後ろを見るとミナムが盾で衝波を防御していた。


「大丈夫か?カーネル」


「ええ?」


そこへ、コロコロと鉄の玉が転がってきてミナムの足に当たった。


「これは?砲丸?」


片手に盾を持ちそれを拾うミナム・・・これ・・ゴルフボールくらいの重さだな~そう思って何気なし二


右舷を併走する海賊船に向かって投げた。





バキ!!



ミナムが投げた鉄球が海賊船のマストに直撃、マストを折った。


一瞬で右舷を併走する海賊船からの攻撃がとまった。


そこへミヌがあがってきた。


「ミヌ・・どうした?」


「騒がしいと思ったら戦闘が始まっていたのね。」


のんきに答えるミヌ、そこへしばらくやんでいた攻撃が再開した。


「きゃっ!!」


「大丈夫か?」


「もうっ!!」


ミナムの心配をよそにミヌも衝波をうった。




パシューン!!




今度は、海賊船の左舷から煙があがり、左舷中央に大きな穴が開いた。


そして、ミナム・カーネル・ミヌが交互に攻撃を受け残っていたもう一隻の海賊船も沈没した。


その頃、ソウシがふらふらしながら甲板に上がってきた。


「ソウシ様・・・大丈夫ですか?」


心配して近づくミヌをちらりと見たソウシは、目の前の光景を確認して


「だいじょうぶ・・・です。」


と言いつつふらりとミナムに倒れ掛かった。思わず支えるミナム


「ほら・・・言わんこっちゃない・・・:」


そう言って近づくミヌをよそにカーネルはミナムに倒れ掛かるソウシを見て少しムカッとしていた。


「すみません・・・」


そう言って再び一人で立ったソウシ・・・


「ミナム殿達の戦いぶりを見させていただきました。今度は・・私の番です。」


その言葉に驚くミナム達、しかし、ソウシはふらつきつつも左舷側へ向かった。



戦闘指揮をしながら右舷側の光景を見ていたベッツィー・・・信じられん・・・何なんだあの3人は・・


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