ベッツィー過去・・・
「頼む!!」
ベッツィーの父に頭を下げるスクイニーの姿があった。その光景に驚くベッツィーの父、ホリー、彼はグレース海軍マリハ方面、戦艦カコの艦長で幾度となくスクイニー海賊団と対決していた.そのスクイニーが突如、乳飲み子を抱え一人でホリーの前にやって来たのだった。
「この娘を頼む!!」
「そう言われても・・・」
目の前でひたすら土下座をするスクイニーに戸惑うホリー、当時ホリー自身もちょうど同じくらいの娘を亡くした頃だった。スクイニーの願いにわしの一存では・・・そう迷っているとスクイニーはさらに続けた。
「何も、聞かないでくれ!!」
スクイニーの姿にホリーも困り果てていた。そこへホリーの妻が入ってきた。
「私が預かろうじゃない・・・」
「お・・お前・・・」
その言葉に驚くホリーをよそ目に彼女はスクイニーの横に行き右肩に手を触れた。
「よほどの事情がおありのようだね。けど、ひとつだけ効いてもいいかい」
スクイニーは、ホリーの妻の方をしばらく見て、コクリとうなずいた。
「この子のお母さんはどうしたの?」
「生んで・・・すぐに・・・」
「そう・・・これから、この子の母親は、私一人だね」
彼女の言葉に驚く、二人、スクイニーはただ呆然と彼女を見ていた。
ホリーが妻に声をかける。
「お・・・おまえ・・・」
彼女は、ホリーの言葉をよそにその女の子を抱き上げた。
「いい?今日から私が預かるわ」
その言葉を聞いたスクイニーは、地面に頭をすりつけ
「ありがとうございます」
そう何度も叫んだ。
その後、スクイニーは、ルーシー海賊団に破れ、ルーシーの配下になった。
そして、マリハ海域の制海権をとれないことに苛立ったルーシーは、マリハ海域まで来て、幾多の戦闘を繰り返した。
それを持ち前の智力と体力で防ぐホリー、ルーシー自身もホリーのことを賞賛し退却をしようとした時、事件が起きた。
裏切り者のギタがホリーの妻と子供を誘拐したのだった。しかも、ギタは、スクイニーの名をかたり、そして、妻と幼ベッツィーの前でホリーを殺したのだった。
ルーシーとスクイニーがギタの船についた時には、すでに遅かった。偉大な艦長である父ホリーの亡骸にしがみ泣く妻とベッツィーの姿がそこにあった。
その頃、ベッツィーは父親を殺したスクイニーのことを思い出していた。両目を見開き、スクイニー今日こそ決着をつけてやる。
そう言い聞かし戦闘指揮を始めた。