海賊スクィニーあらわる
部屋に戻ったミナムを待っていたのは、カーネルとミヌだった。
「どういうこと?」
この後ミナムは、二人にこってりと絞られた。そして、カーネルとミヌが部屋を出て行った後、ミナムは、なにもそんな言わなくても・・・そう思っているとある水兵がミナムを呼びに来た。
「夕食です。仕官サロンへきてください。」
「はい・・」
仕官サロンへ行くとすでにカーネルとミヌがそして机にはベッツィーと数人の仕官が座っていた。
「遅れまして・・・」
「いえ・・・さぁ、食べましょうか」
船長の一言で食事が始まった。ミナムが周りを見るとやはりソウシが来ていないそう思っているとベッツィーがミナムの様子を察したのか話しかけてきた。
「カーネル殿、ソウシ殿は?」
「まだ・・・気分が優れないようで・・」
「そうでしたか・・・では、跡で軽い食事でも」
そう言ってベッツィーはボーイを呼んで、ひそひそとボーイに耳打ちした。しばらくして食事が終わりそうな頃、ベッツィーがミナムに話しかけてきた。
「ところででミナム殿」
「はい?」
ミナムが返事をしようとした時だった。バンと扉が開いた
「艦長!!」
「何事だ。」
「か・・海賊船です。」
「近くなのか?」
「まだ、帆先しか見えていません。」
「ということは、敵もこちらを確認しているのか?」
「たぶん、われわれの方へ向かってきております。」
「後手か・・・総員戦闘用意!!すぐ艦橋へあがる。」
「はっ・・・」
この瞬間から艦内は、騒然となった。あるものは武器をあるものは、帆をたたみにマストに登り戦闘に備えた。
外の騒がしい様子に目を覚ましたソウシ・・・気が付くとベットの上に横たわっていた。甲板で薬を飲んだ時までの記憶しかない。ゆっくりと体を起こし、さっきまでのことを思い出していた。
そして、ミナムの腕の中で抱えられていた記憶が蘇ってきた。なぜかその記憶が嬉しい自分がそこにいた。気がつくとミナムが持っていた右の二の腕をさすっていた。
そこへカーネルとミヌが戻ってきた。はっとソウシは慌ててさすっていた手をはずし、二人のほうを見た。カーネルは無言のまま、服を着替え始め、ミヌはソウシの横まで来て
「ソウシさん、大丈夫ですか?」
「何事ですか?」
「海賊が現れたんです。」
「それは」
慌てて起きようととしたソウシだったが立ちあがった瞬間、よろめきミヌにもたれかかった。
「大丈夫ですか?」
「いや・・行かねば・・・」
着替えが終ったカーネルがミヌの肩を叩いた。
「ミヌ、ソウシさんを頼んだわよ。」
「カーネルさんこそ、ミナムさんを頼みましたよ。」
「わかってるわ。」
カーネルはそう言い残し船室を後にした。カーネルを見送ったミヌは、ソウシをベットに寝かそうとした。
「ゆっくり、休んで・」
それに抵抗するソウシだが、ミヌの力に負ける。なぜだ?
「わたしは・・・行かねば・・」
「もう!!言うことを聞いてください!!」
ミヌはソウシを無理やりベットに押し倒した。ソウシの上に乗っかるミヌ・・・
「んっ?」
「ん?」
気が付くとミヌとソウシの唇と重なっていた。2人の唇が離れ呆然とミヌの目を見つめるソウシにミヌは、思わず謝った。
「あ・・・ごめんなさい。」
「いや・・」
ソウシは唇のことより、ミヌに力負けしたことのほうがショックだった。負けた・・・私がこの娘に・・力で負けた・・・そう思いミヌを見つめるソウシ
「そんなに見つめないでくださいよ。照れるじゃないですか・・・」
身を起こしソウシに話しかけるミヌ、しかし、無言のソウシ
「今日はゆっくり休んでくださいよ。」
そう言うとミヌも着替えを始めた。
しばらく、呆然とするソウシ、そして、自分の唇に触れて先日ミナムとキスしたことを思い出した。
そして、またあの悪夢がよみがえってきた。
一方、スクイニーも食事中だった。戦艦発見を聞いて、頬張っていた肉を引きちぎり噛みながら、
「相手は」
「マリハです。」
「マリハだと!!」
「ちょこまかと動く・・・」
「知っとるわい!!2番船、3番船を先に行かせろ、わしは後から行く」
スクイニーはもう一口肉を頬張り、討伐隊がベッツィー・・・か・・・とうとう決着のときが来たな。
そして、昔のことを思い出した。