カサオ
グレース第二の都市カサオ
ここは、京から南東の方角にあり、陸路で半日といった距離にある大都市
また、天然の良港であり、隣接するベコウ共に京への玄関として発展し、
グレース経済の中心地であった。また、ここには海軍司令部をおかれ、
真の意味で海への拠点となっていた。
カサオに着いたミナムたち一行・・・
「さてと・・・とりあえず、今日はここで休みましょう」
振り返って話しかけるソウシ、
「そうだな・・・腹も空いたし、何か食べるか。」
ミナムがそう言うとミヌが両手を上げ叫んだ。
「賛成!!」
「もうっ・・ミヌったら。」
ミヌの行動を見て呆れるカーネル
とりあえず4人は近くで食事をとることにした。
食事の中、話を切り出しのはカーネルだった。
「これからどうするの?」
カーネルの質問にソウシは、箸をおいて
「とりあえず、海路でビキニのへ向かおうかと。」
ソウシの海路と言う言葉を聴いて、会話に割り込んできたのはミヌだった。
「でも・・・海路は海賊が多いのでは?」
「大丈夫ですよ。」
「だって、一般の商船だと、襲われる可能性があるんじゃ。」
「それも大丈夫です。」
そう言ってソウシは、ある紙を見せた。それはビキニ向け軍艦の予定表だった。
「この船がビキニに向け、明日出港予定です。これに乗れば、間違いなくビキニの国、ズミシマ港に着きます。」
ソウシから軍艦に乗ると言うことを聞いたカーネルは納得した。
「そうね・・それが一番早いわね・・」
しかし、ふとミナムを見るとミナムは、一人話も聞かず、一生懸命に飯を食っていた。
ミナムの様子に唖然とするカーネル、ミナムに声をかけた。
「ミナム聞いた?」
カーネルの言葉に食べている動作を止め、目だけ3人のほうを見るミナム
「へっ?」
しばらくして、再び食べだそうとしたのに気付いたミヌが
「ミナムさん?ひょっとして、聞いていなかったの?」
そのミヌの言葉でようやく箸を置き、ミナムは顔をあげた。
その顔は不思議そうな3人を見つめていた。
「何を?」
「ちょっとしっかりしてよ。」
「ミナムさん」
あきれるカーネルとミヌ・・・ミナムの一言が火に油を注いだ。
「だから何を?」
カーネルはこの言葉に思わず怒りを覚えた。
「これからの予定を打合わせているのよ!!ちょっと位聞いたら!!」
カーネルの言葉にキョトンとするミナム
「だから?」
「だからって、あんたねぇ~!!やる気あるの?やる気!!」
あまりの剣幕で怒るカーネルに逆に呆れるミナム
うるさいなぁ~。そう思いながら右手を出して。
「ストップ!!」
その行動に目が点なるカーネル
「ストップ・・・て?」
「あのさぁ~カーネル、俺の状況知ってるよなぁ。」
ミナムの言葉にしばらく固まるカーネル・・・はっきり言って何を言っているのかわからない。
「えっ?」
ポリポリと頭を掻くミナム、そして、徐にしゃべった。
「俺は、ここの状況がまったくわからないんだ。わかる?」
「えっ?」
「ビキニの国がどこにあるかすらわからないんだ。なんなら、もっと言おうか?」
「なにを?」
「文字すら読めないんだ。だから、移動のことはソウシ殿を中心にお願いするしかないんだ。わかったか!!!」
「でも何か・・言うことでがあっても・・」
「余計なことを言ったら、みんなが混乱するだけだろう。だから黙ってついて行くから。」
この会話を聞いていたソウシが徐に口を開いた。
「その通りです。」
「それ見ろ・・」
なんとなく納得がいかないカーネルとミヌ
食事を終え、一行は今日の宿へ向かった。
その途中とある橋にさしかかった時、ふとミナムが話出しだ。、
「ソウシ殿」
「なにか?」
「今日のうちに軍艦の方へ行って、確認だけでもしとかないか?」
「それには及びません。」
「どうして」
「出発前に、この文書をカサオの海軍司令殿から受けておりますゆえ。」
「そうか・・ならいいんだけど。」
ミナムの言葉が気になったカーネル
「どうしたの?急にそんなことを聞いて?」
「そうですよ。」
ミヌが言葉を重ねた。ミナムは右手の人差し指で上を指し
「基本だよ。基本・・・」
あたりに寒い風が吹いた・・・
「ははは・・・」
その時だった。4人の後ろから数人の男たちが声をかけてきた。
「お嬢さん!!」
その声に立ち止まり振り返るカーネルとミヌ
「はい?」