やっぱり
「は?」
「聞いてくれるよな」
「もちろんでございます。」
「今、わがグレースは危機的状況じゃ、ギオンの反乱に呼応して、南では海賊ルーシーが
北では青蛇が暴れておるのじゃ。」
「はい・・」
「そこでじゃ・・ルーシーの討伐してほしいのじゃ。」
「はい・・」
ミナムはただはいと答えるしかなかった。ここで、いいえというと自分が謀反人として
処罰されるからだった。
「ルーシーを投降させて、味方にしてもよいのじゃ。」
「はは・・・ありがたき幸せ・・」
「よく言ったぞ!ミナム!余は期待しているぞ」
「ところで」
ミナムが顔を上げ、ミカドを見上げた。
「何じゃ?」
「私たちだけでですか?」
「お・・・」
しばらく固まるミカド・・・
「そうじゃ・・・ソウシをつけるぞ」
「そうですか・・」
ほっと胸を下す3人だった。
しかし、謁見が終った3人にはため息しか出なかった、
歩くたびに3人はため息を着いた。
「どうするの? ミナム」
「どうするって・・・やるしかないだろ。」
「まぁ・・・そんなに間単に」
「多分・・・」
「たぶん・・・て」
「どうするのよ。」
ミナムたちがとぼとぼ歩いていると、後ろから声がした。
「何をお話で・・・」
びくっとする3人は、振り返るとそこにはソウシが立っていた。
「どうしたのですか?狐につままれたような顔をして。」
「あ・・・いや・・・」
「それとも・・・何か聞かれたら・・まずいことでも?」
「な・・な何でもないですよ!!」
3人の慌てぶりを見て、ソウシが言った。
「その様子は、やはり何か・・・」
ソウシの言葉に観念した3人、肩を落としソウシのほうを見てミナムがその重い口を開いた。
「実は、ルーシーのことで・・」
「ルーシー?・・・ああ・・あのことですか。」
「あのことって・・ソウシさんが同行することですか?」
「え・・・そうですが・・何も聞いていないんですか?」
ソウシの言葉にある意味、ほっとするミナムたち
「え・・いや・・そうですよね」
「そうよ・・黒騎士団がついているんだもの・・・何とかなるわ」
ミヌの一言に眉をひそめるソウシ・・・
その顔を見て、カーネルが不思議そうに聞いてみた。
「どうしたんですか。ソウシさん・・」
「なにも・・聞いていないのですか?」
「それはどういう意味?」
「私だけが同行するんです。」
ソウシの言葉を聞いて固まる3人・・・
「ええっ?」
「何驚いているんですか?」
呆然とソウシを見つめる3人に
「そ・・・それは・・」
「聞いていないのですか?」
「なにも・・・」
しばらく、奇妙な空気が流れた。
ミナムの後ろではカーネルとミヌがひそひそ話をしていた。
「ソウシさんだけってどういうこと?」
「それって・・たった4人で戦えってこと?」
「まさか・・・」
「そうよね・・無理よね・・」
「ということは・・現地にきっと本隊がいるはずだから・・」
「じゃぁ・・ソウシさんは一体何のために?」
「そうよねぇ・・ソウシさん本当に戦うのかしら?」
「ひょっとして・・・私たちの監視だけ?」
「そうよ・・絶対に」
その声はソウシまで聞こえていた。
あの~聞こえているんだけど・・・心の中でつぶやくソウシ・・・
そこへ、ミナムが二人のほうを向いて、叫んだ。
「カーネル!!!ミヌ!!!監視だけって言ったら、ソウシさんの立場もないだろうが」
その言葉にソウシも頭を抑えた。
「ミナムさん・・そんなこと言ったらソウシさんがかわいそうじゃない・・・」
「そうよ!!」
3人の後ろから・・・ソウシが声をかける
「あの~!!」
「はい!!」
慌ててソウシの方へ振り返るミナムたち、顔はひきつっていた。
「あ・・・いいんですよ・・・本当のことですし。」
「いや~すみませんでした。」
3人は、ソウシに謝っていた。
「そんなに・・・」
そこでミナムはあることを思いついた。
「じゃぁ・・・新しい仲間のソウシさんの歓迎会をしないと。」
「賛成~・・・褒美もあるし・・・」
そうカーネルがミナムの話にのってくると間髪いれずにミヌがソウシに聞いた。
「ところでソウシさん、このあたりでおいしいところあります?」
なんて立ち直りのはやい連中だ・・・ソウシは思ったが、とりあえず
歓迎会とやらについていくことになった。