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リーマンクエスト  作者: Seabolt
英雄はつらいよ
57/201

京の宿舎に着いた一行は、早速、寄宿舎に入った。


ソウシは宿舎の食事の時間や取り決めについて一通り説明したあと、


ミナムたち3人を宿舎のそれぞれの部屋に案内した。


「ソウシ殿」


「何か?」


「これから、どうなるのだ?」


「まず・・明日、午前中にマヤザキ様に会って頂き、午後からミカドへの謁見があります。」


「じゃぁ・・」


「それまで自由行動で・・と言っても休む程度でしょう。」


「まぁ・・そんなところだ。」


「それでは、私は、報告がありますので。」


そういい残し、ソウシは宿舎を去った。


ミナムが部屋でくつろいでいるとカーネルとミヌが入ってきた。


「どうした・・・二人して・・・」


「あの~ちょっと出かけてきます。」


話し始めたのはミヌだった。


「斎宮様の使いで本宮様に書類を渡しに」


「そうか・・」


「私は、親友が近くにいるので、挨拶に・・・」


「そうか・・・」




その頃、ソウシはマヤザキの前に立って報告をしていた。


カモベ村での一件から京に着くまでの一部始終を・・・


その報告にほとんど驚きすら見せないマヤザキ


まるで全てを知っているかのようだった。


一通り報告を終えたソウシ、マヤザキの一言に驚いた。


「そうか・・・ご苦労であった。ところでソウシ・・」


「はい・・」


「お前、どうしたんだ。そんな目をして・・・」


実はソウシには、想う人がいた。


しかし、現実的には無理があった。


黒騎士団3番隊隊長ソウシ、


鷹のように鋭い眼と一部の隙もないその姿に


京の女たちの中には、彼女が女であること忘れる程だった。


また、女性の魔導士でも憧れの存在だった。


だがその想いは、知られるわけには行かない・・・


だから、いつも隙を作るまいと常に自分を戒めていた。


まずい・・・


次の瞬間、いつものソウシの戻った。


「いえ・・別に・・少し疲れただけです。」


「そうか・・なら・・いい」


そう言って、マヤザキは席を立ちソウシに近づき方をポンと叩いた。


「ソウシよ。お前はミナムを見張れ」


「えっ?」


「ミカドの御意向だ。」


「はっ!!」


またミナムをか・・・そう思うソウシに


「それとお前に謝ることがある。」


「謝るとは?」


「3番隊は京に残す。」


「は?」


「すまぬ・・」


「マヤザキ様!!おっしゃっている意味がわからないのですが。」


「実は・・・ミナムをルーシー討伐に行かせる。」


「えっ?」


「それにお前は同行するのだ。」


「それはかまいませぬが、何故、3番隊を・・・・」


ソウシの質問にしばらく沈黙するマヤザキ、くるりとソウシに背を向け


「2番隊がいなくなった。」


「えっ?」


「ギオン討伐に向かった2番隊が消息を絶った。」


「それで・・・」


「そうだ・・・京の兵力が不足する」


「そうですか・・」


「すまぬ ソウシ ・・・」


ソウシはしばらく考え、顔をあげた。


「わかりました。ミナムに同行します。これにて・・」


ソウシがマヤザキの部屋を出てしばらくしてマヤザキの部屋にある人物が入って行った。


そして、マヤザキには同じ報告をしていた。


「そうか・・・引き続き・・たのんだぞ・・」


「はい・・・」


一方、ミヌは、本宮にいた。


本宮・・・そこは斎宮が対魔を行うために聖地、セイの地にあるのに対し、


京における対魔の役割を果たす前線基地みたいなものある。


ここには、ヤマト姫の双子の妹ナラ姫がいた。


「本宮様」


「ミヌか・・・」


ナラ姫はミヌを見てその魔力に驚いた。


「お前・・・一体・・・」


「どうなさったのですか。本宮様。」


「どうしたんじゃ・・・その魔力は・・」


自分の魔力に全然気付いていないミヌ


「えっ?魔力がどうしたんですか?」


「お主・・・契りを結んだんか」


その言葉に顔を真っ赤にして、しばらく黙り込むミヌ・・・


「そうか・・よかったの・・・それで姉からの書面は?」


その書面を見てしばらく黙り込むナラ姫・・・


「本宮様?」


「あ・・・いや・・・ありがとう。ミヌ・・・」


一方、カーネルは、親友のホーミズに会っていた。


お茶をしながら・・・ミナムの愚痴を言っていた。



その頃、宿舎に戻ったソウシ・・・


目の前には、ミナムの姿があった。


その姿を見てため息をつくソウシ


「おいおい・・・俺を見てため息つくなよ」


「あ・・いや・・」


ふと見るとカーネルとミヌの姿が見当たらない・・


「カーネル殿とミヌ殿は?」


「あっ・・・二人・・・なんか用があるってでかけたよ。」


「そうですか。」

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