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リーマンクエスト  作者: Seabolt
英雄はつらいよ
56/201

戦況

ギオント、ギオンとして独立するまで旧ガガの国の国府ポメラ、近くに白鉄山を拝し


グレース有数の工業都市である。


ギオン国内では、前の戦いでグレース軍を全滅させたことに酔いしれていた。


そして、今度の第二次討伐隊が尻尾を巻いて逃げたことがワカタケルの重鎮達まで


浮かれる事態になっていた。


ギオン総帥ワカタケルはその様子を見て、ため息をついた。


ワカタケル


彼の出生はまったく不明であった。


それは、8年前のことだった。ワカタケル義賊団がガガの国矢作村役所を襲撃した矢作事件が


ワカタケル義賊団活躍の第一歩だった。


数十人だった義賊団は、いつの間にか数千人膨れ上がり、あのポメラ攻略では1万人に


そして、ギオンとして独立した。


ワカタケルは昔のことを思い出していた。


そうこの世界に飛ばされたときのことだった。


この世界に来た時、そのPCはすでになかった。


すぐに衛兵がやって来てワカタケルを投獄した。


行き着いた先は、白鉄山しろかねやまでの過酷な労働であった。


そこには、この世界の荒くれ者達が生死をさまよいながら生きていた。


そして、ワカタケルは白金山を数人の仲間と共に脱走した。


その時の名は、ミヤマだった。


やがてミヤマの勇猛果敢な戦いとその若さから”ワカタケル”そう呼ばれるようになった。


「総帥」


その言葉で、目を覚ますワカタケル。


「ユウ城攻略の絶好の機会ですぞ!!」


「いかん・・・ユウ城へは、兵を進めるな!!」


どよめく議場


「何故です!!ユウ城攻略の絶好の機会ですぞ」


反対する部下達


「彼らもバカではない。すぐに対策を打つはずだ。」


「しかし・・今が絶好の機会です」


「その気の緩みがまずい。」


「そ・・・それは・・」


「両刀使いのミドリがたった一人に敗れたと聞く。」


「ミナムの話ですか?」


「そうだ。」


「あれは、グレースの芝居です。」


「そんなはずはない。」


その時だった。


「総帥」


五大将軍の一人、カクサンがやってきた。


「どうしたカク」


「こやつが鉄砲を盗みに・・」


「そうか、処分せよ」


「それと」


「それと?」


カクサンはワカタケルに耳打ちした。


「そうか・・・来たか・・すぐに参る、皆のものユウ城へ兵は進めるな」


「しかし・・」


「いいな!!」


「は・・」



ワカタケルは、カクと共にある場所に向かった。


そこには、トリニィ率いる黒騎士団2番隊がいた。


「このことか」


そこへ、トリニィがおもむろに近づきワカタケルに書簡を渡した。


それを開いて見るワカタケル・・・



一方、ユウ城において坂上大将とその部下達は会議をしていた。


ユウ城、ポメラと京を結ぶ街道に関所を出城として築造、城本体は、


険しいユウ山脈の頂にあり、難航不落の要塞であった。


「とりあえず護りを固めよ」


「しかし・・・京は、ポメラを攻略せよと」


「う~む・・」


考え込む坂上大将・・・


そこへ一人の若い士官が声を上げた。


「大将殿!!」


「誰だ!!お前は!!」


「すみません。第7師団、ドレイクです。」


「それで?」


「一個師団でアスケ原まで進軍、そして、敵が打って出たところで退却」


「貴様!!」


「何がしたい!!」


大将の部下たちが怒鳴りつける。


「待て!」


坂上が制した。


「続けよ!!」


「大将!!」


坂上はぎろりとあたりを見渡した。


威圧され黙り込む部下達・・・


「いいから続けよ!!」


「それを繰り返すのです」


「甘いな!!」


「えっ?」


「敵が待ち伏せておったらどうする。」


「それは・・」


若き士官は言葉を詰まらせた。


「貴様、兵を何だと思っている!!」


「大将、しかし、敵が待ち伏せするような状況だったら、なお更好都合です。」


「好都合とな?」


「敵はそれだけの準備をしないといけません。」


「ほう・・・消耗戦か・・・」


「しかし、まだ甘いな・・」


「では。いかがせよと・・・」


「消耗戦に必要な準備を全てせんとな・・」


「はい・・」


こうしてしばらく、ギオンとグレースの戦いは硬直状態を迎える。


その頃、ミナムたち一行は、京に向かって歩いていた。


「腹が減ったんだけど・・」


「ミナム殿もう少しです。」


そう言ってミナムをなだめたのはソウシだった。


「そう少しとは?」


「もう少しで京です」

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