前線にて
溯ること、数日、坂上田次郎率いる軍勢はアスケ原まで到達していた。
「ここか・・アキ大将と第一師団が全滅したのは、」
「は・・・将軍・・・ここは、すぐに退却できる体制を」
そう答えたのは、坂上の部下、ガンツであった。
「何!私に退却と」
「は・・・」
「ガンツ・・・どういう意味だ。」
「それは・・・アキ大将は、1万の兵力で3倍の軍に敗れております。」
「しかし」
ガンツは言葉を詰まらせた。
「しかし?よい続けよ」
「アキ大将もそんな方ではないはずです。」
「それは?」
「3方向から1万ずつの兵力であれば、退却の余地があったはず。」
「それもそうだが鉄砲とやらがすごいのでは?」
「鉄砲の威力も気になりますが、それ以外にも・・・」
その時だった・・・前衛にいた黒騎士団が消息を絶ったのは
二人が話している最中に、その一方が入ってきた。
「前衛の100名と黒騎士団が・・・行方不明です。」
「何!!」
すぐに坂上田次郎は決断した。
「特殊部隊10名を先方へ送り出せ?」」
「10名ですか?」
「なぜ?」
「10名でも多いくらいだ!! 彼らにも前衛の様子を確認したらすぐに退却するように指示せよ」
「は!!」
「直ちに退却だ!!ユウ城までもどるぞ」
「は!!」
ユウ城は、街道の要所であった。
ここが落ちていないのは、坂上大将にとっては、幸いだった。
「兵による監視を強化せよ!!」
前線では・・・特殊部隊10名が、陽動兵(人形であるが)40と共に進軍していた。
「何打あれは?」
目の前には、兵の死体・・・それも・・・つぶれいていた。
「どういうこどだ?」
「隊長。これは前衛の100名です。」
そこに、少し息のある兵がいた。
「どうした?」
「ば!!化け物だ!!」
「ばけもの?」
「魔法も何も効かない・・・奴は化け物だ・・・」
そう言い残し、その兵士は最期を遂げた。
「ばけもの?」
「魔法も効かない?」
「どういう意味だ」
その時だった。
ずーん
大きな音がした。
音がした方を見ると陽動兵が吹き飛ばされていた。
「何だあれは?」
そこには、人の姿が・・・
「一人のようです・・・」
「あれが化け物か?」
様子を見る特殊部隊・・・
次の瞬間だった。奴が消えた。
「どこへ行った?」
「ぐぁ!!」
目の前の部下が一瞬で吹き飛ばされた。
「まずい!!退却だ!!!」
そう叫んだ隊長の目の前には、奴がいた。
「あ!!」
「フーーー!!」
「隊長!!」
部下の一人が衝波を撃て、奴に数発直撃した。
奴は部下のほうを振り向いた。
まったく効いていないようだった。
「ば!!化け物!!」
奴は部下の方へ向かった。その時だった。
数人の部下が奴を抑えた。
「隊長!!逃げてください!!!」
吹き飛ばされ、叩きつけられる中、部下は必死に隊長を護った
「すまぬ・・」
そういい残し、隊長はその場から去った。
その報告を聞いて、驚く坂上大将・・・
「何!!魔法も何も効かないと・・・どんな奴だ!!」
「姿は人・・・しかし、化け物です・」
「そやつがここへ来たら?」
「ひとたまりもありません・」
言葉を失う坂上大将・・・