旅立ち
「明日には、出発ですぞ。ミナム殿」
相変わらず、武器庫にいるミナム、彼が食事しているのも
お構いなしで、話しかけるソウシ
「わかったから。けど・・」
「けど?」
ミナムの言葉がひかっかるソウシ
「メシぐらい、ゆっくり食わしてくれ。」
そういいながら、メシをかきこむミナム。
その横で、せっせとミナムの世話をするカーネルとミヌ
二人を見てミナムは
「俺のことはいいから、二人とも食べないか。」
「わたしたちは? ねぇ~!!」
顔を見合す二人は、いきなりミナムに抱きついた。
「こうして横にいたいの。」
「ちょっと・・恥ずかしいじゃないか。」
「なぜ?」
その光景にあきれるソウシだが、ミナムを直視できないでいた。
「コホン・・」
「あ・・あ~」
ささっとミナムから離れる二人。
ミナムをチラッと見るソウシ・・・
何故、こいつが? そう考えるとあの忌々しい記憶が・・・
いかん!!
「では、これにて、明日迎えに来ますゆえ。」
「わかった。」
外に出たソウシ・・・
一度、ため息をつき、頭を横に振った。
何なんだ一体?
食事を終えた3人は、ヤマト姫のところにいた。
実は、この日、ヤマト姫から話があると呼び出しを受けていた。
「ミナムよ、前へ」
「はい」
「これを・・」
そこには、決闘で使っていた剣が・・・
「これは・・」
「お前の剣じゃ・・・」
「でも・・これは・・」
ミナムは、その剣がえくすかりばーだとわかり、戸惑った。
「この剣は、もうひとつの”えくすかりばー”じゃ」
「えっ?」
「”えくすかりばー”と同等の能力を持つ剣じゃ」
「しかし・・・このような剣・・」
「ここには”えくすかりばー”がある。だから、大丈夫じゃ」
「ありがとうございます。」
深々と頭を下げるミナム。
「あと・・これじゃ」
そこには、盾とブーメランがあった。
「何かの役に立つであろう。持って行け。」
「はい・・」
「それと・・」
「あの・・」
「みなむ・・しばらくクオンと会えないから、挨拶に行って来い。」
ヤマト姫は、そう言ってミナムを追い出した。
ヤマト姫の前に残ったカーネルとミヌ・・・
「おぬしら・・いつまで・・・遊んでおるのじゃ?」
二人の前に、アップで話しかけるヤマト姫
「斎宮様・・・」
近いってば・・・そう思う二人・・
「早く、契りを結ぶのじゃ」
その言葉を聞いて、真っ赤になる二人!!
「そ・・そん・・」
「いいか。とっととするのじゃぞ。」
何もそんなストレートに・・と思いつつも声が出ない二人
「それと、ちゃんとする時は魔法を忘れんように。 天国に行きたくなければ」
「は・・い・・・」
斎宮を出た二人。
さっきのヤマト姫の言葉にため息が出た。
とぼとぼ歩く二人、同時にため息が出る
「ミヌ・・・どう思う?」
「カーネルさんこそ・・」
また、ため息が出る二人・・・
初体験を・・・
そんな・・・
やがて顔をあげる二人・・
そこには、クオンいるミナムの姿が・・・
「クオン・・・戻ったら乗っけてくれよ・・その背中に・・」
「はい・・」
別れを惜しむにミナムの姿を二人は、見とれていた。
しかし、この日、二人は何もできなかった。
翌日、万歳、万歳と村人に見送らえる中。
はずかしいと思いつつ、ミナムたちとソウシ達黒騎士団は、京へ向かった。