クオン・・・
ヤマト姫の前に呼び出されたソウシ・・・
驚きの言葉を聞かされた。
それは、
「アクバは、お前達が退治したことにしておく。」
しばらく、その真意がつかめないソウシ
「それは・・・」
なかなか声が出ない、ヤマト姫はソウシの方をしばらく見つめ
「先程、アクバの処分をした。」
わが耳を疑うソウシ
「それは、真か・・」
ひょっとして、斎宮様は隠しておるのでは、そう疑っていた。
しかし、目の前に出されたものを見て、絶句した
それは、アクバの首だった。
こうしてアクバは黒騎士団が倒したとミカドに報告された。
その報告の中は、黒騎士団が大活躍し、アクバを倒したことになっていた。
黒騎士団は、怪我人はいるものの全員何とか無事だった。
一人を除いて、そう・・・あの衝撃を受けた・・・ソウシを除いて、
しかし、クオンは生きていた。
それは、ソウシたちが撤収した後に、それは起きた。
「よかったな・・クオン、いい加減に仲間になれって」
そう言って、悪罵に食事を与えるミナム・・
やがて・・・ポトリ・・・ポトリ・・・
クオンの目から涙が・・・
「どうした・・クオン」
「う~!!!」
「本当に!!信じて」
そう言って涙の量が増すクオン
「信じていいんだな・・・」
「俺を信じてくれ。」
その言葉に涙が滝のようになだれ出てきた。
しばらく、泣き続けたクオン・・・
ヤマト姫がクオンに近づいて
「ミナムをお前の主人として忠誠を誓うのか。」
「はい。」
「ミナム、クオンと契約するのじゃ。」
「どうやって」
まったくやり方がわからないミナム、ただ呆然と見ているだけだった。
「ミナム・・クオンと結ぶ契約があるのじゃ」
そう言ってヤマト姫が入ってきた。そして、ミナムの前に腰かけ
ミナムに契約の仕方を教えた。
ヤマト姫は、ある首輪を持ってき、クオンの首にかけた。
そのことに抵抗するクオン・・・
ヤマト姫はクオンの耳元手ささやいた。
「悪いようにはしない。」
しかし、抵抗するクオン
「クオン、俺を信じろ。」
ミナムの言葉でようやく落ち着いた。
「ミナム、岩をどけろ」
ミナムは岩を持ち上げ、その隙間からクオンは、外に出た。
左足をひきずるクオン。
元の位置に岩を戻したミナム
「契約をしろ。」
ヤマト姫がせかした。
そして、ミナムはクオンに契約の呪文とサインをした。
すると、ミナムとクオンは金色に輝き、あの異様な格好をしていた
クオンが徐々に変化する。
その時だった、クオンの首がポトリと地面に落ちた。
落ちた首を見たカーネルとミヌは、驚き悲鳴を上げた。
「く・・首が落ちた~!!」
「やかましい!!」
一喝するヤマト姫。
やがて輝きがおさまり、ミナムとクオンを見る3人・・
ミナムの横には・・
あの醜い姿のクオンはなく
そこには、全身をやや赤みがかったつややかな黒い毛で覆われ
真紅のたてがみをなびかせ、頭には一本の角、鋭く青い目をして
凛と立つクオンの姿が
そして、ミナムとクオンの前には首が落ちていた。
「これは?」
「これが、クオンを支配していた魔じゃ。」
そう説明するヤマト姫
「しかし、この足では、しばらくは、無理じゃ」
こうして、クオンは斎宮で養生することになった。