転機
翌日のことだった。
朝、クオンにメシを与えに行こうとしたミナムに
「ミナムさん!!大変!!」
そう叫んで武器庫に入ってきたのはミヌだった。
「どうしたミヌ・・」
「さっき、黒騎士団が・・クオンを処分するって・・」
「えっ?わかったすぐ行く。」
ミナムは、すぐに背広に着替え、クオンのいるところへ向かった。
その頃、黒騎士団に囲まれていたクオン・・・
その様子を見て、あいつの言うこともあてにならねぇ
所詮、人間ってやつは、自分の都合のいいことしかいわねぇんだ。
そう半ばあきらめていた。
「刀を・・・」
ソウシが右手を出し、刀を受け取る。
「悪いが・・・お前には死んでもらう・・」
そういって、上段に刀を構えるソウシ・・・
これまでか・・・そう思った時、
「待て!!」
ミナムの叫び声がした。
その声を聞いてぴくっと止まったソウシだったが
次の瞬間、刀を振り下ろした。
目をつぶるクオン
どす・・・
鈍い音がした。
「なっ!!」
その光景に驚くソウシ・・・
そこには・・・
クオンを切りつけた刀の先には、
ミナムの右手が・・・・
そして、
ぐにゃりと曲がった刀が・・・
一斉に、ミナムに対し構える黒騎士団
「ソウシ殿、こいつが俺の仲間になったら、殺さない約束でしょ。」
「そうだが・・」
「今朝聞いたら、違うと・・」
「じゃぁ・・明日聞いてくれよ。」
「今、違ったら無駄だぞ・・・それともミカドへの謀反か?」
「そんなつもりはない・・大体、馬一頭で謀反とは、」
「しかし、」
「もし、謀反だと、先にソウシ殿を攻撃するでしょ。」
「そうだが・・・」
「皆のものそこまでじゃ・・・」
そこへヤマト姫があらわれた。
そして、グニャリと曲がった刀を見て、
「ほう・・これは・・」
「斎宮様・・・このアクバを今処分しないと災いが・・」
「ソウシ殿、心配する出ないぞ。この状態からは逃げられん。」
「斎宮様・・・・」
「まぁ・・・待たぬか・・」
「明日も同じ状況でしたら本当にきります。」
ソウシはその鋭い眼でヤマト姫を見た。
「ええよ・・」
「斎宮様!!」
ミナムが叫んだ。
ヤマト姫はミナムを制し、
「お前ら、よいか・・時間がないのじゃ わかったな」
「約束しましたよ。斎宮様」
黒騎士団は、ミナムたちを残しその場を撤収した。
陣屋に戻った黒騎士団達
「ソウシ殿、いかがなさいます。ミカドに報告の使者を送ったほうが」
「まぁ、待て」
ソウシは、椅子にどっかりと座り込み、大きく深呼吸をした。
斎宮様は一体何を考えているんだ
「斎宮様のお考えだ、何かあるのだろう」
「そうですか・・」
「もうよい・・下がれ」
「はっ!!」
ソウシはため息をつき、頬杖を突き、しばらく、考えていた。
すると、またあの悪夢がよみがえる。
いい加減に離れろ!!
イラつくソウシであった。
一方、今日では、マヤザキは、影からアクバについて報告を受けていた。
そして、ある人物にあっていた。
「アクバがでたそうだな。マヤザキ」
「は・・」
「これであやつがミナムと確定したな。」
「は・・」
「それで、ミザキ様はどうだ。」
「それが・・・」
「そうか・・まだか・・」
「は・・」