アクバ クオン
ミナムたちが去った後、岩の下敷きになっていたアクバ
変な奴・・・特にあのミナムってやろう
なんで俺みたいな奴を仲間に?
どういうつもりだ?
俺をだまそうとしているのか?
一方、ミナムは、カーネルとミヌに睨まれていた。
「どういうつもり?」
仁王立ちをしたカーネルが問い詰める
「ただ・・仲間に・・」
「ミナムさん、気は確かです?あのアクバですよ。」
「だから?」
カーネルは頭を抑え・ミヌは肩を落とし、大きなため息をした。
「あのね・・・アクバってのは、悪魔と契約してて・・・」
「そんなの関係ないよ。」
「関係ないって」
「俺が気に入ったんだ。」
ミナムの言葉にあきれる二人。
「無理じゃよ」
そこへ、ヤマト姫が入ってきた。
「斎宮様・・・」
「斎宮様も言ってくださいよ。」
「ミナムよ。仲間にしたければ、すればいよい。」
「「ええ~っ??!!」」
ヤマト姫の言葉に驚くカーネルとミヌ
「斎宮様まで・・・」
その言葉を聞いて、ミナムは立ち上がった。
「どこ行くの?」
「アクバのところ・・・」
部屋を出ようとしたミナムが振り返り
「斎宮様・・・」
「なんじゃ・・・」
「アクバってのは、何を食うんだ?」
「神馬と同じじゃ。厩舎から持っていけば良い。」
「ありがとう・・」
ミナムは、3人を残し、部屋を後にした。
残された3人・・・
「斎宮様・・・」
心配そうに話すカーネルとミヌ・・
「アクバって・・・普通、斎宮である場所に隔離されているんでしょ。」
ミヌの言葉を聞いて、頭を掻くヤマト姫・・・
「どうしたんです?」
「あやつは・・・特別じゃった・・・
あやつは・・・そう・・・クオンレオパルドは・・・
もともと神馬になる予定だった。」
ヤマト姫は、アクバのことを語った。
それは、ある日のことだった、
神馬候補として斎宮に来たクオン・・・
まだ、生後間もないクオンは、神馬となるため無理やり母馬から引き離された。
斎宮では、神馬を育て、そして、ミカドに治める役割もあった。
厩舎には、ほかの神馬候補がいた。
しかし、ある日のことだった。突然、まばゆい光と共に、クオンは消えた・・・
数日たったある日、まばゆい光と共に、突如戻ってきた。
そんなこともあって、仲間の神馬から警戒され・・相手にもされなくなった。
そして、徐々に、体型が変化していき、異様な雰囲気をかもし出してきた。
やがて飼育員も気味悪がり近づかなくなった。
独りぼっちになったクオン・・・
その様子に、斎宮では、アクバが出たと大騒ぎになった。
こうして、クオンは、隔離され、
さびしい日々を過ごした。
そして、処分の日、クオンは、隔離厩舎から消えていた。
斎宮では、方々探したが見つからなかった。
「じゃから・・・あいつは、人間を信頼しとらんのじゃ」
そのことを聞いて、黙り込むカーネルとミヌ
「しかし、何故、今頃現れたのだ?」
一方、ミナムは、メシを持って、アクバの前に立っていた。
「お前・・・アクバっていうんか?」
「ふん」
横を向いてミナムを見ないアクバ・・・
ふとミナムは、アクバの首元にプレートがあるのを見つけた。
そして、手にして見た。
そこには、クォン・レオパルドと書かれていた。
「お前・・クオン・レオパルドって言うんか」
「関係ねぇだろ・・」
「いい名じゃないか」
「ふん!!」
「ほれ・・」
そう言って、ミナムは、アクバにメシを与えた。
しばらく・・・顔を背けていたアクバ・・・
メシが目に入ったとたん
ぐ~!!
腹の虫がなった。
そして、気がつくとメシにがっついていた。
その様子をじっと見るミナム・・・
「なんだよ!!」
そういいつつもメシを食べ続けるアクバ
そこへ
「俺の名は、ミナム、今日から俺の仲間だよろしく!!」
「勝手に仲間にするな!!」
「じゃぁ・・明日、来るわ クオン」
そういい残しミナムは去っていった。
残ったクオン・・・
久しぶりに自分の名前を呼んでくれたことがうれしかった。