第2の女・・・
二人が振り返るとそこには、ショートカットで、活発な感じの女性が立っていた。驚いてミナムの方を見たカーネル。その視線を感じたミナムは、両手を上げ、首を横に振った。すると、その女性は、いきなりミナムに抱きついてきた。
「会いたかった!!!」
抱き着かれたミナムは、その場で硬直していた。そんな状況を見て驚くカーネル、自分が契りを交わしたはずの男にいきなり抱き着く女性の姿を見て当然のことだが、慌てたカーネルは二人の間に入っていった。
「ちょっと!!!」
そう言いつつも、ミナムの耳を引っ張った。
「ミナム。来なさい!!」
「イテテ!!!」
少しは離れた所にミナムは連れて行かれた。
「どういうこと?」
「俺が知りたい」
ムッと怒ったカーネルはミナムの頬を抓った。痛い痛いというミナを完全に無視し、おのれの感情の赴くまま質問を続けた。
「誰?どういうこと?」
「ひゃから、ほれもひぃりゃにゃひ」
頬を抓られたまま、回答をするミナムの言葉は、なぜかカーネルに通じ、話は続く。
「本当に?」
「ひょんとうら」
手を放してキョトンとするカーネル、それもそのはずミナムの回答は知らぬ存ぜぬの一辺倒だったからだ、ミナム自身も何がなんだらわからないのは事実だった。そして、両手で自分の頬を「イテテ・・」と摩るミナムの姿がそこにあった。
「ミナム・・・じゃぁ・・」
「ったく・・大体、お前に会うのも初めてだぞ。」
そんな間抜けな会話を続けている二人の後ろから女性の声がしてきた。
「あの~・・・よろしいでしょうか」
その声にびくっとなる二人ににこやかに二人に話し始めた。
「わたし、ミヌと言います。あるお告げで、ここに降り立った人と契りを結びに来ました」
その言葉に目が点になった二人はお互いの顔を見合わせた。そして、カーネルはミナムの顔を指差した。
「ひょっとして、この人のこと?」
ミヌは、顔を赤くし、「はい・・」とつぶやいた。
ミナムは、もう一度、カーネルの顔を見て、あることを呟いた。
「でも・・おれ、こいつと契りを結んだばかりだし」
えっ・・・と驚くミヌ、やがてガクリと肩を落としたが。次の瞬間、ガバっと顔を上げ叫んだ。
「でも・・いいんです。お供します。」
ミナムにとっては、何のことやらという気持ちが本音だった。しかし、カーネルとの話もまだはっきりしない。だったら、この二人が直接話すのが妥当だろうそう思ったミナム
「だったら・・こいつの許可を受けて。」
ミナムが言うと
「そうよ!!」
カーネルも歩調を合わしたら
「はい!!」
元気な声を出したかと思うとミヌはカーネルの手を引っ張って外へ出て行った。
「あっ、俺は?」
ただ一人残されるミナムだった。