えくすかりばー
部屋に戻った、ヤマト姫、ミヌの話をもう一度思い出していた。
赤い胴をした小さい蝋燭のようなものとは・・・一体?
軽く剣が効かない鎧とは?
ふーむこれは、ミナムのやつに聞けば、多分わかるじゃろう・・・
それより、魔法を跳ね返す剣とは、それは・・・ミナムの能力か?
それとも・・あの剣か?
しかし・・あの剣は、わしが渡した剣・・・
あれは、”えくすかりばー”を模造したやつ・・・・
もしや・・・
ヤマト姫は、慌てて、祭壇へ向かった。
そこには、”えくすかりばー”が祭られていた。
”えくすかりばー”を見て安心するヤマト姫
もう一度、”えくすかりばー”を見ると何かが違う。
ひょっとして、ヤマト姫はそう思いその剣に近づいた。
そして、間近でその剣を見た。
「これは・・えくすかりばーではない」
ということは・・・わしが渡した剣が”えくすかりばー”
「こうしてはおれん」
ヤマト姫はすぐにミナムの元へ向かった。
その頃、武器庫に戻ったミヌ・・・・
部屋で休んでいるミナムを見つけた。
「ミナムさん・・」
その言葉に振り返るミナム
「ミヌ・・・」
立ち上がりミヌの方へ歩いた。
そして、
近づいてくるミナムをジーッと見つめるミヌ
ミヌの近くまで来たミナム
「ありがとう」
そう言って、ミヌの頭をなでた。
その時、ミヌの脳裏にある光景がよぎった
「大きくなったらね・・」
そう言って、頭をなでてもらった記憶・・・
ミヌの顔は見る見る真っ赤になり、立ち尽くしていた。
「・・・」
「ミヌ!!!大丈夫か!!」
ミナムの声がミヌをわれに戻した。
そして、
両肩に手を置いて、ミヌの目の前で声をかけるミナム
その顔が近いのに、カーッとなって、頭が爆発しそうになった。
「大丈夫です・・・」
そう言って、少し離れるミヌ。
「本当か・・・少し休んだほうがいいんじゃ」
やさしく声をかけるミナムに
「・・・少し休んできます・」
ミヌは、ミナムのいる部屋を出た・・・・
廊下の壁にもたれ、しばらく立ち尽くすミヌ・・・
胸の鼓動が止まらない・・・
そーっと部屋をのぞき、ミナムを見ていた。
そうすると、胸の鼓動が再び高鳴ってきた。
どうしたんだろう・・・・
今までただ・・ミナムの魔導士になって・・・・
その為に、契りを結ぶ・・・ただ・・・そう思ってきたミヌ・・
ふと、頭をなででもらったことを思い出し、喜ぶミヌ・・
思わずミナムの部屋に戻った。
戻ってきたミヌを見たミナム・・・
「ミヌ・・・大丈夫か?」
ミムを見るといつもと違いもじもじしているように見えた。
次の瞬間、
「ミナムさん・・大好き!!」
そう言ってミヌはミナムに抱きついた。
急なことに驚くミナム・・・
「どうしたんだ・・急に・・・」
「だって、好きなんだもん」
抱きついたままのミヌ
「わかったから・・」
とミヌから離れようとするミナム・・・
「わ!!!」
どすん!!
二人は、倒れこんでしまった。
ミナムの上にいるミヌ・・・・
「わたしのこと嫌い?」
「そうじゃなくて・・」
「じゃぁ・・・」
「急に・・・」
ミナムがそう言おうとした時、
パカーンという大きな音がした。
ミヌが頭を抱え
「いたーい!!」
振り返るとそこには、ヤマト姫がいた。
「おぬしら~!!!」
「さ・・・斎宮様!!」
二人の目の前に立つ、ヤマト姫
「ミヌ!!!」
ミヌを睨んだ。
びくっとなるミヌ・・・
「出て行け!!」
「え?」
「いいから、この部屋から出て行け!!!」
「はい!!」
慌てて出て行くミヌ・・・
ミヌが出て行くのを確認したヤマト姫
杖をミナムのほうへ向けて
「刀はどこにある。」
「刀?」
「そうわしがやった刀じゃ・・」
「ああ・・・あそこ」
ミナムが指差したところに刀が合った。
「しばらく、あずかるぞ・・・」
「えっ?」
「別の刀は外にある。」
そう言って、ヤマト姫は、刀を持って武器庫を去っていった。
しばらくして、戻ってきたミヌ
「斎宮様・・どうしたの?」
「あの刀・・持って行った。」
「えっ?」
斎宮に戻ったヤマト姫、”えくすかりばー”を回収できたことに安堵した。