英雄誕生 前編
「ミヌ・・俺につかまれ!!」
その言葉の意味がわからないミヌ
「飛ぶから・・・町はこっちでいいんだな。」
「飛ぶって?」
「この間のように・・・」
「えっ!!!」
そう言って、ミヌを抱きかかえたミナム
「えい!!」
町のほうへ向かって飛んだ。
「きゃ~!!!」
その頃、カーネルの耳にも盗賊の話が入っていた。
「えっ?」
「わたしも行かせてください!!」
カーネルは言ったが巫女達に制止された。
「みんな・・・」
その頃、空中を飛んでいたミナムとミヌ
「ところで、盗賊ってどんなやつらだ。」
「今回の盗賊は、両刀使いのミドリって言って」
「両刀使い?・・・変態か?」
「変態って・・・とりあえず部下が100人くらいいて、惨忍で、容赦しない連中です。
特に頭領 みどりは両刀使いで・・・」
「その両刀使いってのはどういう意味だ」
「両手に剣を持つんですよ」
「それって、二刀流!!!」
「もう!!どっちでもいいでしょう。」
「ミドリ以外にも、大男でバカ力のハキオ。氷の魔導士ヒイラが両脇を固めているの」
「そうか・・・ということは、もう村に近いけど。村人たちは?」
「まだ、砦が崩壊していなければ大丈夫だけど・・・」
「とりで?」
「そう、砦に入っているはず・・」
そう言ってミヌは砦のほうを指差した。
「あれか・・」
「そうよ・・」
砦の正面では、斎宮の衛兵達と盗賊たちの戦いが繰り広げらていた。
「ミヌ・・・あそこに降りよう」
ミナムは両者のぶつかる最前線を指差した。
「わかったわ。」
ミナムたちを見つけた盗賊たち・・
「あれは?」
ミナムたちを見た村人達・・
「ミナム様」
飛んでくるのを見て、村人が大慌てで、砦に引き返していった。
それを見て、どうしたんだ?と不思議がる盗賊たち・・・
まあいい・・・と待ち構えていると
ミナムが降りてきた。
ズシーン
という音と共に地響きがなり、地面が揺れた。
その中心には、剣を持ち、びしっとスーツにネクタイを締めたミナムの姿があった。
あれがミナムが・・・盗賊たちはその地響きにたじろいだ。
そして、ミヌに話しかけた
「ミヌって雷の魔法つかえるのか?」
「ええ・・」
「じゃぁ・・これをあいつらに投げるから、これに雷をぶつけてくれ・・・」
「なに・・それ・・」
「お楽しみ・・」
「いいわ・・」
一方、盗賊たちは、ミナムたちに向かって走ってきた。
「ミナムが何だ!!!やっちまえ!!」
そこへ、ミナムは爆竹を投げた。盗賊たちはその姿を見て、一瞬たじろいだが、
何も飛んでくる様子がない・・・
「バカにしやがって!!」
再び突進を始めた。
ちょうどその時、爆竹は、彼らの真上ぐらいあった。
「ミヌ、今だ!」
「はい。」
ミヌの魔法が炸裂、爆竹が爆発した。
ちゅどーーーーん!!!!
炸裂音と共に、ものすごい爆風が起きた。
そして、爆竹が炸裂した場所を中心に小さなきのこ雲ができた。
ミナムは、目の前の光景に驚いた。少し大きな音がするだろうと思っていたのだが、
このような大爆発が起きるとは、思っても見なかった
そして、目の前には無残な死体の山が広がっていた。
「こんな・・・」
「すごい・・・」
一瞬で、盗賊の大半が死んでしまった。