両刀使いのミドリ
「それがどうした・・・衛兵がいるじゃろ!!」
その言葉に、巫女はうつむき
「それが・・・」
「どうしたんじゃ・・・」
「カモベ村の衛兵が砦で交戦中、かなり苦戦しております。」
「なに~!!衛兵が苦戦するとは、一体・・・」
驚いたヤマト姫は
「救援は?」
「斎宮からとセイの国府直営隊が現在向かっております。」
「一体・・どんな連中だ」
そこへ別の巫女が入ってきて
「盗賊は、盗賊は・・あの両刀使いのミドリです。」
「なに!!」
その名前にヤマト姫は驚いた。
両刀使いのミドリ・・・・百人の部下を持つ盗賊
その残忍な手口は、グレース中に知れ渡っていた。
なぜ、やつがここへ来れたのじゃ?確かやつは、もっと東の国にいたはず・・
そう思っていると、目の前をミヌが横切った。
ミヌは斎宮殿を出ようとしていたのだ、その様子に声をかけるヤマト姫
「ミヌ!!どこへ行く!!!」
「ミナムのところ!!ミナムと戦うわ!!」
走って斎宮殿を出ようするとミヌに
「両刀使いのミドリじゃぞ!!!」
「わかってるわ!!そのくらい、けど・・ミナムと戦わないとカーネルの両親がいるのよ!!」
そう言って、ミヌは、斎宮を後にした。
その頃、武器庫にいたミナムの元に村人がやってきたいた。
「ミナム様!!!助けてください!!!」
「どうした?」
「村が・・村が・・盗賊に・・・・」
その話を聞いたミナム、ふとカーネルの両親がいるのを思い出した。
「わかった!!したく出来次第行く!」
「ありがとうございます。」
そういい残し村人は、村のほうへ戻っていった。
ミナムは行かねばと決闘の時に着ていた鎧を見ると背中に大きな穴が開いていた。
これは、使えない・・・どうしようか、迷っているとふといつも着ていたスーツが目に入った。
これでも着るか・・・たぶん、もう着ることないし・・・
ミナムがスーツに着替えていると、ポケットの中から何か出てきた。
それは一箱の爆竹だった。爆竹を見て、金曜の晩に飲みに行った帰り、駄菓子やで思わず買ってしまったの思い出した。
まぁ・・いいか・・・と爆竹を数本取り出して、ポケットに入れた。
ミナムが着替えを終え、剣を手にした時だった。
「ミナム!!」
ミヌが武器庫に入ってきた。
「なに!? その格好」
ミナムの服装を見て、あきれるミヌ
「あれを着ろというのか?」
そう言って、背中に穴が開いた鎧を指差すとそれを見て
「そうねぇ~・・」
「時間がないんだろう」
「はい!!」
「行くぞ!!」
二人は、武器庫を後にした。