ミヌ・・・
一人残ったミヌにヤマト姫は近づき
「ところで、ミナムはどうじゃった。気に入ったのか?」
「はい・・」
少しうつむくミヌ・・・
その様子を見たヤマト姫は、
「早いものじゃ~おぬしがここへ来た時を思い出すのぉ~」
そう言って、ミヌの頭をなでた。
「はい・・ありがとうございます。」
「おぬしをミナムに渡すのはおしいのぉ~」
ただ黙って、ヤマト姫の言葉を聞いていたミヌが
「斎宮様・・・」
声を掛けようとしたとき、ヤマト姫がミヌを抱きしめた。
「すまぬのぉ~、お告げさえなければ・・・わしの・・・」
その言葉に
「斎宮様・・・大丈夫です・・・」
「そうか・・」
ヤマト姫は、ミヌが現れた時を思い出していた。
それはある日のことだった。いつものように斎宮内の勤めを終え
戻ろうとしたときだった。突如、目の前にまばゆい光が現れた。
その光に視界を奪われたヤマト姫・・・
しばらくして、光が消えた・・・そこには、小さな女の子が裸で立っていた。
「この子は?・・・」
そして、近づき
「おぬし・・名は?」
目の前に立つヤマト姫を見て、泣き出すミヌ・・・
やがて、落ち着きを取り戻したミヌにもう一度名前を聞いた。
「おぬし・・名前は・・・」
「ミヌ・・・ここは?」
光の中からあらわれし者・・・ひょっとして、こやつがミナムか・・・
ヤマト姫は、そう思いミヌを育てることにした。
この出会いから年月は過ぎ、
ミヌが育つにつれて、この子がミナムでないことにヤマト姫は気づいた。
しかし、ミヌの魔力体力を見て、ヤマト姫の弟子としてここまで育てあげた。
わが子のようなミヌを見て、
「いいんだな」
「はい。斎宮様。」
「そうか・・・」
ヤマト姫が言った時だった。
「斎宮様!!」
斎宮殿に巫女が慌てて入ってきた。
「一体なんじゃ!!」
「カモベ村に盗賊が!!!」